花粉症で目がかゆい!対処法&体質改善で解決
今回は、花粉症による目にまつわるトラブルについてご紹介します。花粉症による目のかゆみや充血はアレルギー性結膜炎とも呼ばれます。花粉などの空気中のアレルゲンが引き金となって、目のかゆみ、目の異物感(ゴロゴロ感)、涙など、さまざまな不快な症状を引き起こします。特に風の強い日は、これらの症状に悩まされる人が多いようです。花粉症の原因や治療法、予防法について詳しくご紹介していきますので、「病院に行く暇がないけど治したい!」と感じている方はぜひ参考にしてください。
目次
目のかゆみの原因
目のかゆみは、花粉やカビなどの環境アレルギーを原因とするアレルギー性結膜炎である「花粉症」と関連することが多いです。アレルギー性結膜炎の種類には、季節性、通年性、春季、アトピー性などさまざまな原因があり、アレルゲンに対して体が反応することでかゆみが生じます。主に花粉症によって引き起こされる季節性アレルギー性結膜炎は、花粉が目の結膜に付着し刺激されることで炎症を起こし、かゆみの原因物質であるヒスタミンを生成して目がかゆくなります。かゆみ以外にも、目の異物感(ゴロゴロ感)、涙、充血、目やに、まぶたの腫れなど、さまざまな目のトラブルを引き起こすことがあります。これらの症状はかなり不快なもので、眠れなくなることもあり、日常の生活に支障をきたします。
ここからは花粉症による目のかゆみへの対処法について見ていきましょう。
花粉症による目のかゆみの対処法
花粉症による目のかゆみには市販薬や漢方薬で対処することができます。またそれだけでなく、生活習慣の改善や簡単なヨガを取り入れることでも改善が見込めます。
目薬による治療法
目のかゆみで医療機関を受診される方には、かゆみに効果的な抗ヒスタミン剤や炎症を抑えるステロイドの目薬などが処方されます。
病院に行く時間がない場合は、市販の目薬でも良いでしょう。花粉症による目のかゆみには抗ヒスタミン剤配合の目薬が一般的で、これらはドラッグストアで購入することができます。市販の目薬を数日試してみて症状が治らないようであれば、病院を受診しましょう。
コンタクトレンズを装着している場合は目薬の使用に注意が必要です。目薬には防腐剤が含まれていることが多く、ソフトコンタクトレンズを使用している場合には変形や色素沈着などのトラブルが起きやすくなります。防腐剤が含まれていない目薬を選ぶか、防腐剤入りの目薬を使用するなら1dayコンタクトレンズを選ぶなど、レンズのトラブルを防ぎましょう。
生活習慣の改善
生活習慣を見直すことは、アレルギーを予防するためにとても有効です。バランスのとれた健康的な食事、十分な睡眠、運動習慣は、アレルギーに対する自然な防御力を高めるのに役立ちます。
可能であれば、花粉の飛散量が最も多い午前中の時間帯は外出を控えましょう。外出する場合は、花粉ブロックスプレーを使用したり、メガネやマスクなどの保護具を着用し、花粉に触れる機会を減らすよう心がけましょう。そうすることでアレルギー反応による目のかゆみを軽減することができます。
住居への徹底ブロック
花粉症による目のかゆみには、花粉などのアレルゲンを家庭内へ侵入させないことも有効な対策となります。窓を閉め切ってエアコンを使うことで、花粉の量を抑えることができます。空気清浄機や加湿器を使用したり、微細な花粉やほこりを捕集する高性能のHEPAフィルターを搭載した掃除機を使用すれば、家の中に残った花粉などのアレルゲンを除去することができます。
体質の改善
アレルギーに対して免疫力がある体質を目指すことも重要です。ヨガやウォーキングなど適度な運動を心掛け、免疫力アップを目指しましょう。
3分間ヨガ
運動を日常的に行うのは難しい方には、簡単にできるヨガがおすすめです。日常に取り入れていただきたい花粉症に効果的な『3分ヨガ』をご紹介いたします。
- イスに浅くかけます。骨盤をたてて、頭が天井に引っ張られるように背筋を伸ばしましょう。そのときお腹に力を入れます。
- 右足を左足にかけ、足を組みます。左手は、右太ももの上に、右手は、イスの背もたれを掴みましょう。
- まずは息をゆっくり吸って、吐きながらおへそから上半身をゆっくり右へひねります。目線は斜め右後ろを向けます。ひねった状態で、自然な呼吸を2〜3回行います。
- 反対側も同様に行います。左右交互に3回ずつ行います。
※コツは「ゆっくり」です。息をゆっくり吐きながらひねり、自然な呼吸を数回繰り返し、息を吸いながらゆっくり体を正面に戻します。
アルダ・マッチェンドラという名のヨガを代表するもっともスタンダードなねじりのポーズを、イスを使って簡単に行える方法をご紹介しました。このポーズは、腹部に刺激を与えることで内臓を活性化させ、自律神経を整えます。また血流もよくなります。日常の隙間時間や仕事の合間に3分間ヨガを取り入れる事で、花粉症に負けない体を作りましょう。
漢方薬による治療法
前でご紹介した目薬による治療は、症状であるかゆみを抑えるだけで根本的な原因を解決できない場合があります。一方、漢方薬は症状の緩和だけではなく、アレルギー体質の根本的な治療にも役立つことが実証されています。
花粉症による目のかゆみの改善には
- アレルギー性結膜炎による目のかゆみを抑える
作用がある漢方薬が選ばれるほか
根本から改善するために、
- 免疫機能の低下を防ぎ、かゆみの原因物質の産生を抑える
- 水分の循環を促し、アレルゲンや老廃物の排出を促す
- 炎症を和らげる
- 体温調節機能を改善することで、体の恒常性を保つ
といった働きをする漢方薬が用いられます。
漢方薬はつらい症状の予防や根本改善にも期待できるうえに、体のバランスをととのえ、全身の健康促進を目指します。
花粉症による目のかゆみ、流涙(なみだ目)には小青竜湯や越婢加朮湯を使うことが多いです。
では今回ご紹介する漢方薬を詳しくみていきましょう。
小青竜湯(ショウセイリュウトウ)
アレルギー性鼻炎の漢方薬として代表的な漢方薬ですが、アレルギー性結膜炎の目のかゆみや、なみだ目などの症状にも優れた効果を発揮するため、花粉症の治療によく使われます。これまでの研究では、スギ花粉症に対して、小青竜湯の季節前投服用は予防治療としても有用である事が明らかになっています。予防治療として用いる場合には、症状が出る2〜3週間前から服用を開始します。主に体力が中くらいの人に向いています。
効果が感じられても、長期にわたり服用するかどうかは、医師または薬剤師に相談下さい。
越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)
花粉症の症状として目のかゆみや腫れが強く出やすい方におすすめです。構成生薬に「石膏(セッコウ)」が含まれており、熱を覚ます効果があります。「蒼朮(ソウジュツ)」は余分な水分を取り除く働きがあります。そのため、炎症が強い目のかゆみ、目の腫れや充血に選ばれる漢方薬です。比較的体力があり、冷えのない方に向いています。
漢方薬の中には副作用を起こすものもあります。正しい選択と適切な服用には、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。漢方薬で、安全で効果的な花粉症の治療を目指しましょう。
花粉症に正しく向き合おう
花粉症による目のかゆみは煩わしいものですが、正しい対処をすることで治すことができます。通院や市販薬などをはじめ、日常の花粉対策や生活習慣の改善まで、目のかゆみをケアするための選択肢はさまざまです。花粉症で目がかゆくなったら、今回ご紹介した方法を試してみて不快な時期をのりきれる事ができる体を目指しましょう。