第一印象最悪…どんよりした「目の下のクマ」の撃退方法を教えて!
ちょっと夜更かししただけで翌朝目の下に青くくすんだクマができる、目の下の茶色いクマのせいですっぴんでは恥ずかしくて外に出られない…。
30代のプレ更年期世代の女性のなかには、このような「目の下のクマ」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。
こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。
今回は「目の下のクマ」をテーマに、薬剤師の竹田由子先生にお話を伺ってみました。
目次
メイクしても隠れない「目の下のクマ」…青くくすんだ目元を改善したい
綾子さん(37歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。
30代後半に入ってからというもの、ちょっと寝不足が続いたりすると目の下にげっそりと青くくすんだクマができることが増え、困っています。営業を担当しており、初対面での第一印象は大事ですから見た目には気を配っているつもりですが、目元にクマがあるだけで随分と不健康な印象に見えるらしく、「体調大丈夫ですか?」とか「お忙しいんでしょうねえ」などと気を遣われ、恐縮してしまうこともたびたびです。
こうなったらメイクで隠すしかないと思い、コンシーラーを目の下に塗って出社したこともあるのですが、夏の暑い時期だったせいか、会社に着く頃には目の下がドロドロに…。肌から浮いて崩れたコンシーラーの隙間から青黒いクマがちらついていたらしく、出社してすぐに仲の良い同僚に「ちょっと! 元気ないパンダみたいになってるんだけど! 早く直してきなよ」なんて笑いをこらえながら指摘される始末。
そうやら私程度の腕前ではメイクでこのしつこいクマを隠すことは無理そうです。そんなわけで外側からカバーすることは諦め、なんとか内側からのケアでこのクマを治す方法はないかな、と思っているのですが、何か良い方法はないでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
目の下のクマには何種類かあり、それぞれ原因や症状は異なるものの多くは血流の悪さによるものであるため、目元だけでなく全身の血流を改善することが改善の近道になります。
今回は、目の下のクマの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。
目の下のクマは全身の血流の悪化による「血瘀」が原因
クマには大きく分けて3つの種類があり、それぞれ原因が異なります。クマの種類には、主に血行不良や睡眠不足、目の疲労などにより目の下が青黒く見える「青クマ」、目元への刺激によりメラニンが沈着して皮膚が茶色くくすむ「茶クマ」、加齢や紫外線ダメージによるたるみにより目元に影ができて暗く見える「黒クマ」があり、それぞれ対策が異なります。
東洋医学では、目の下にできるクマは「肝(かん)」や「腎(じん)」の衰え、血流不全による「血瘀(けつお)」に原因があるとされ、毛細血管にうっ血が起こり、目の下などの薄い皮膚から拡張した血管が透けて見えることでクマが生じると考えます。
次の章ではこのような「目の下のクマ」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。
3つのクマを改善する「クマの種類別」ケア3選
1.「青クマ」ケアには睡眠不足と血の巡りを改善
青クマは睡眠不足や運動不足などによる血行の悪さが原因となっていることが多いため、不摂生な生活を改善してたっぷりと良質な睡眠を取り、適度な運動を取り入れて血の巡りを改善することが大切です。
全身の血流を改善するためにも、夜はゆったり湯船に浸かって温まるようにしましょう。また、デスクワークやスマホの見過ぎで目が疲れたときには、温めたタオルで目元を温めたり、軽くマッサージするなど、こまめに血流の改善を心がけるようにするとよいでしょう。
2.「茶クマ」ケアには丁寧な洗顔とUV対策が大事
茶クマは目元への刺激や紫外線ダメージによる色素沈着が原因となっていることが多いため、こうした刺激を避けることが大切です。外へ出かける際には必ずUV効果のある下地や日焼け止めを塗るようにすると良いでしょう。
また、クレンジングの際に目元をゴシゴシと擦らないようにすることを心がけたり、シミケア対策のスキンケアコスメを使用してメラニンの生成を抑えられるアイテムを取り入れること、抗酸化作用のあるビタミンCを積極的に摂るようにするのもオススメです。
3.「黒クマ」ケアには目まわりの筋トレを!
黒クマは、目周りのたるみによって目の周りに影ができることが原因と考えられるため、目元のハリを取り戻すことが効果的です。アンチエイジングコスメなども取り入れつつ、目元の血行を改善するツボ押しを習慣づけましょう。このツボ押しは血の巡りを良くする効果が高いため、黒クマだけでなく、青クマや茶クマにも効果が期待できます。
◎目元の3点ツボ押しケア
①「清明(せいめい)」:目頭のくぼみにあるツボ
②「承泣(しょうきゅう)」:涙袋の中央すぐ下、目のキワにあるツボ
③「瞳子膠(どうしりょう)」:目尻の外側のくぼみにあるツボ
人差し指で目の内側の①を5秒ほど軽く押し、指をすべらせるように②に移動して5秒、さらに③に移動して5秒押します。続けて、③→②→①→②→③と指でやさしくなぞるように3往復します。皮膚をこすらないようにスキンケアオイルや乳液をつけると良いでしょう。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
目の下のクマを改善するために、市販のスキンケアコスメの使用やサプリの服用などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)です。睡眠不足や目の疲労などにより目の下がむくんだりクマができやすい方の血の巡りを良くし、「血瘀」の状態を改善する効果があります。
また、ストレスによるイライラ感が強く、血行不良により肌が荒れやすく、目元がくすみがちな方には血流を促し水分代謝を整える加味逍遙散(カミショウヨウサン)も良いでしょう。
一方、加齢による疲れやだるさなどがあり、生命エネルギーが不足しているような場合は「腎」を補い、気血の巡りを整え、かすみ目や疲れ目にも用いられる杞菊地黄丸(コギクジオウガン)もおすすめです。
全身の血の巡りを改善して生き生きした目元に!
今回は、目の下のクマに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状の改善のためには、睡眠不足や運動不足、冷えの改善を心がけ、目元だけでなく全身の「血の巡りを良くすることが大切です。朝晩のスキンケアに目元のマッサージなども取り入れて血行改善を心がけましょう。
また、こうした目の下のクマの改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。