夫との冷戦のストレスで再発! 太ももに現れたヘルペスで最悪な事態に

体験談

性器ヘルペスの再発で太ももやお尻に発疹や水ぶくれができて痛がゆい、太ももにできたヘルペスに衣服がこすれたせいで水疱が破れてただれてしまった…。
30代〜50代の女性のなかにはこのような「太もものヘルペス」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「太もものヘルペス」をテーマに、薬剤師の竹田由子先生にお話を伺ってみました。

繰り返すヘルペスに辟易…太ももやお尻にまで症状が現れるのはなぜ?

美香さん(46歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

10年ほど前に性器ヘルペスに感染してからというもの、ちょっと疲れが溜まっていたり強いストレスを感じるようなことがあると、すぐに再発するようになってしまいました。
先日も主人とささいなことで大げんかをしてしまい、数日間に渡って口もきかない冷戦状態が続いていたんです。そのときのイライラと寝不足が良くなかったのか、体のそこかしこにかゆみを感じ、ボリボリとかいていたところ、太ももにプツプツと小さな水ぶくれのようなものが…。また再発したかな、と思ったものの、慣れっこになってしまっていたこともあってしばらく放置してしまったんです。そうしたら、太ももにできたヘルペスに化繊のパンツがこすれてただれたような状態に! 
あまりの痛みと熱感に慌てて行きつけの病院に駆け込むと、やはりヘルペスの再発の症状とのこと。先生からは「こんなになる前にもっと早くこなきゃダメだよ」と叱られてしまいました。
その日は抗ウイルス薬に加えて外用薬も処方してもらい、今は少しずつ症状も治まりかけています。
でも、薬を飲めば治るという安心感はあるものの、何かというと再発し、症状が治まるまでに時間もかかるやっかいなヘルペスに、正直辟易としているのも事実です。
どうすればこの嫌な症状を早く改善し、再発を防ぐことができるのでしょうか。

ご質問ありがとうございます。
性器ヘルペスは完治が難しく、感染や再発によって性器以外にも太ももや臀部などさまざまな部位に水疱や腫れが生じることがあり、非常に厄介な病気です。
今回は太ももにヘルペスができる原因や改善方法について詳しくお伝えしていきましょう。

太もものヘルペスは性感染症である性器ヘルペスが原因

太もものヘルペスの主な原因は、ヘルペスウイルスに感染した方との性的接触で、性器ヘルペスウイルスに感染していると考えられています。
性器ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルス1型もしくは2型の感染によって皮膚に炎症性の病変が起こる感染症で、性器周辺はもちろん、肛門や口腔、太ももや臀部にも発症することがあります。
初感染後は2〜10日間ほどの潜伏期間を経て発症し、発熱や皮膚のかゆみや痛みをともなう炎症症状が起こります。一度性器ヘルペスに感染すると、免疫力の低下や疲労、ストレスの蓄積などを機に神経節に潜むウイルスが再活性化して症状の再燃を繰り返すこともあり、完治は難しいとされています。膀胱炎や、まれには髄膜炎の誘因になることもあります。
また、女性の場合は経膣分娩によって新生児に垂直感染を起こすことがあるため注意が必要です。

東洋医学では、ヘルペスは五臓のうちの胃腸をつかさどる「脾(ひ)」の衰えによって生じるとされ、暴飲暴食や疲労による体力の衰えに加えて、体に「風熱(ふうねつ)」や「湿熱(しつねつ)」などの余分な熱が溜まることで生じると考えられています。

次の章ではこのような「太もものヘルペス」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

太もものヘルペスを改善する西洋医学的治療法

1.病変部の臨床診断やDNA検査で診断を行う

太ももにヘルペスが生じる原因となる性器ヘルペスは、感染した後2日〜10日前後で発症することが多く、性器周辺や太ももなどの下肢、臀部などに水疱やただれなどの症状が生じます。
初めての感染時は症状が強く、発熱や倦怠感、鼠径部リンパ節の腫れなどの症状をともなうこともあるようです。
性器ヘルペスの診断は、病変部の状態を診察することによる臨床診断に加え、初回の感染である場合や潰瘍が見られる場合は、ウイルスのDNAを検出する迅速検査を行うこともあります。
また、必要に応じて血液中の抗体を調べる検査が行われることもありますが、抗体検査では感度の低さから偽陽性が出る可能性や初感染か再発かの判別ができないこともあるため、医師による臨床診断が優先されます。

2.抗ウイルス薬の内服治療を中心に治療を行う

太もものヘルペスを含む性器ヘルペスは、神経へのウイルス感染、もしくは一度寛解した場合も何らかのきっかけで神経節に潜んだウイルスが再活性化することによって生じると考えられています。
治療は基本的には抗ウイルス薬の内服治療が主軸として行われ、かゆみや腫れなどの皮膚症状が強い場合には外用薬治療も併行して行います。
初回感染の場合はもちろん、再発時や症状の軽い場合であっても抗ウイルス薬の服用は有効で、自分に症状がなくてもパートナーに感染させないことや再発予防を目的としての服用が推奨されます。
通常は5日間程度の服薬と、その後の状態によってはさらに5日間ほどの服薬の継続で症状が治まる場合が多いようですが、症状や痛みが強い場合は点滴治療や入院治療が行われることもあるようです。
ヘルペスは一度感染すると何度も再発してしまうことも多く、完治することが難しい病気ではありますが、初感染の際にも再発したときにも、早めの治療を行うことで症状を軽度に抑えることが重要です。

東洋医学的治療法の併用も効果的!

太ももやお尻など、さまざまな部位に症状が現れることの多い性器ヘルペスを再発させないためには、ウイルスの再活性化を誘発する原因となるストレスや疲労を溜め込まないようにすることが大切です。パートナーに感染させないためにも、きちんと病院での治療を行った上で、体の抵抗力や免疫力を高める規則正しい生活を送り、再発を防ぐように心がけると良いでしょう。

症状を改善するためには、ご紹介した抗ウイルス薬中心の治療に加えて、根本的な体質改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、免疫機能を高めるといわれる補中益気湯(ホチュウエッキトウ)です。疲労やストレスによる抵抗力の低下から太ももなどにヘルペスの症状を繰り返しやすい方に対して、胃腸の働きや自律神経を整え、免疫を高めて症状の再発を抑える効果があります。
また、水疱の炎症やかゆみの症状のひどい方や、大人になって初めてヘルペスを発症した方には、体を冷やして余分な熱をとり、炎症を和らげる効果のある黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)も良いでしょう。

免疫力を高めて再発しにくい体質改善をしましょう

今回は、太もものヘルペスに悩む方のための治療法や漢方薬をご紹介してきました。
症状の改善のためには、まずは専門医のもとで適切な検査を受け、正確な診断を受けてから適切な服薬治療を行うようにしましょう。
また、再発を防ぐためには、日頃から疲労やストレスを溜め込まないようにして、体の抵抗力や免疫力を高める生活を送ることが大切です。
こうした太もものヘルペスを含む性器ヘルペスの症状の再発予防には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。再発を繰り返したりなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

竹田由子

薬剤師 竹田由子(たけだゆうこ) 臨床薬学専門。病院で10年以上医薬品情報室に長年従事し、医薬品に関する情報に精通。 元漢方・生薬認定薬剤師、薬膳漢方マイスター。 漢方の活用で月経痛時の鎮痛剤を減量できた自身の経験から「日常の不調はまず漢方」をモットーに体の不調を我慢する女性へ対し情報発信している。

プロフィール

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