もしかして私ってぜんそく!?室内外の寒暖差が止まらない咳の呼び水に…

体験談

風邪はとっくに治ったのに咳だけがずっと止まらない、寒暖差やハウスダストなど、ふとしたことをきっかけに咳き込みがひどくなり、息をするのも苦しくなってしまう……。
30〜60代の幅広い世代の女性のなかには、このような「成人ぜんそくによる咳」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「成人ぜんそくによる咳」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。

子どもの頃は健康だったのになぜ…大人のぜんそくにどう対処する?

佐保さん(42歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

このところ、風邪を引いているわけでもないのに咳き込みがひどくて困っています。コホコホと咳が出始めたと思うと、それが呼び水になったかのように咳が止まらなくなり、数分間もずっと激しい咳が出ることもあるんです。
何がきっかけになっているのか定かではないものの、思い当たるのは室内と屋外の寒暖差に原因があるような気がしています。
最近このところ急に冷え込む日が増え、温かい部屋の中から外に出ると、ひゅっと冷たい風が喉に入ってくるんです。それをきっかけに咳が出始めることが多いような気がしていて…。一度咳き込み始めると止まらないうえ、呼吸音がヒューヒューと鳴るような音までしてきて、「これってもしかしてぜんそく?」と思うことも。
でも私は子どもの頃はいたって健康優良児で、ぜんそく持ちでもなかったのですが、大人になって突然ぜんそくになることなんてあるのでしょうか? 
心配なので近々病院に行くつもりではありますが、この苦しい発作をなんとかする方法があればぜひ教えてください。

ご質問ありがとうございます。
大人になってからぜんそくを発症する方は近年増え続けており、40歳を過ぎてから突然症状が出ることも珍しいことではありません。
今回は成人ぜんそくの原因や対処方法について詳しくお伝えしていきましょう。

成人ぜんそくによる咳は気道の炎症や周囲の筋肉の収縮が原因

ぜんそくとは、気管支などに炎症が生じて粘膜がむくんだり、呼吸をする際の通り道である気道の周りの筋肉が収縮して狭くなり、激しい咳や息苦しさが生じる病気のことです。
深夜から明け方にかけての激しい咳き込みや、温度差の激しい場所への移動にともなって咳が出るのがぜんそくの特徴です。
原因としては、ダニやカビ、ホコリや花粉などによるアレルギーも挙げられますが、大人になってからぜんそくを発症した場合、アレルギーを引き起こすものが特定できない非アトピー型も多く、喫煙による喉への刺激などに加え、ストレスや過労などさまざまな要因によっても引き起こされると考えられています。

東洋医学では、ぜんそくによる咳は、体の冷えによって生じる「肺寒(はいかん)」や、体内の炎症やウイルス、細菌の影響などから余分な熱が溜まることによる「肺熱(はいねつ)」が生じることで発症すると考えられています。

次の章ではこのような「成人ぜんそくによる咳」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきます。

成人ぜんそくによる咳の発作予防と対処法

1.気候変動が激しい時期はしっかり防寒を

成人ぜんそくによる咳の発作は、ハウスダストやタバコ、花粉など何らかの原因物質による刺激や、気温が急激に下がるなどの気候変動が激しいときに起こりやすい傾向があります。
それまで何も症状がなかった方でも、風邪をきっかけにしてぜんそくが発症してしまうことも少なくないのが成人ぜんそくの特徴でもあります。
できるだけ発作の原因となるものを避けるようにし、冷え込む時期は室内と屋外の温度差に注意して防寒対策を心がけるようにしましょう。
特に、外の空気が冷たい時期は、マスクをして喉に冷たい空気を直接吸い込まないようにしたり、マフラーで首もとを温めたりすると良いでしょう。

2.ストレスケアと肥満予防を心がける

大人の場合、疲労やストレスの蓄積が誘因となってぜんそくを引き起こしてしまうこともあります。
日頃からストレスを溜め込まないように積極的に気分転換をしたり、睡眠をたっぷりとって休養をとることを心がけましょう。
また、大人になって急に肥満傾向になると、脂肪によって気道が圧迫されたり、脂肪細胞が炎症物質を産生することでぜんそくを発症することがあります。
太り過ぎを予防することや、肥満傾向がある場合はダイエットをすることも大切です。ただし、ダイエットのための運動がぜんそく発作の誘因となることもあるため、運動を行うときは事前に医師に相談するようにしましょう。

3.早期に専門医の診断と治療を受けましょう

ぜんそくを発症してしまった場合、症状が悪化すると咳き込みの激しさのあまり呼吸困難に陥るほど危険な状態になることもあります。
風邪が治っているのに咳だけが何週間も止まらない、ふとしたことで咳が止まらなくなるなどの症状がある場合は、まずは病院で診断を受けて原因を調べ、適切な治療を受けるようにしましょう。
治療では、症状や重症度に合わせて薬が処方されますが、多くの場合は発作を予防する吸入ステロイド薬などが処方され、吸入により症状が緩和されることが多いようです。
吸入ステロイド薬での効果が芳しくない場合は、気管支拡張薬やステロイド内服薬の処方がされることがあります。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

成人ぜんそくによる咳を改善するためには、ステロイド薬などによる治療に加えて、体質の改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、小青竜湯(ショウセイリュウトウ)です。温かいところから急に空気の冷たい場所に移動した際に激しい咳き込みが起こりやすい方の体を温めて咳を鎮める効果があります。
また、咳が慢性化し、長期にわたってたんの絡んだ咳き込みが続く方には、喉の粘膜や気道を潤して症状を改善する麦門冬湯(バクモンドウトウ)も良いでしょう。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「あんしん漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
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なるべく早期に専門医の診断を受けるようにしましょう

今回は、成人ぜんそくによる咳への対処法や漢方薬をご紹介してきました。
発作を防ぐためには、疲労やストレスの蓄積や太り過ぎを避け、日頃から寒暖差に注意して風邪をこじらせないようにすることが大切です。
発作が起きてしまった場合は症状の悪化や進行を避けるためにも、なるべく早めに専門医の診断と治療を受けるようにしましょう。
こうした咳にまつわる悩みには、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。症状がなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。


中田早苗

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 中田 早苗 薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。ファスティングマイスターとして100名以上のファスティングをサポート。TiktokやInstagramでファスティング・美腸を普及する活動も行っている。

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