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これって仮面うつ!? 謎の体調不良と疲労感にモヤモヤが溜まる一方…

体験談

ストレスフルな嫁姑関係に耐えているうちに毎日のように頭痛やめまいに悩まされるようになった、職場の人間関係に悩んでいたら肩こりや疲労感が続くようになった……。
30〜60代の幅広い世代の女性の中には、こうした「仮面うつによる体調不良」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

そんな自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「仮面うつによる体調不良」をテーマに、薬剤師の手塚智子先生にお話を伺ってみました。

まるで不調のデパート! 心も体も疲弊して会社にいくのもしんどい41歳

綾子さん(41歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。

このところ、漠然としただるさに加え、頭痛や肩こりなどの体調不良にも悩まされ、会社に行くのがつらくて仕方がありません。
直近の人間ドッグではなんの異常もなく、特にどこかが悪いということではないと思うのですが、朝起きても体が重だるく、電車を乗り継いでいるうちに妙な動悸や喉がつかえるような不快感に襲われることもあるんです。途中下車して駅のホームのベンチで休憩しながら出社したこともたびたび……。
休日にたっぷり寝れば治るかもしれないと思い、先週末はずっとベッドでダラダラ過ごしていたのですが、かえって眠りが浅くなってしまったのか一向に症状が良くなりません。
仕事では年齢的にも責任のある役職につかされ、自分なりに周りとも協調してやってきたつもりです。でも、この謎の体調不良もあって「こんなに仕事ばかりの人生で良かったのか」とか、「私はちゃんとみんなの期待に応えられているのだろうか」などとモヤモヤ考えこむように……。なんだかもう心も体も疲れ切ってしまいました。
一向に良くならない不調を抱え、私はこの先、一体どうしたら良いのでしょうか。

ご質問ありがとうございます。
最初は身体的な不調が目立っていても、放置すると不眠や抑うつ感、意欲の低下などの精神面の症状も強くなり、本格的なうつ病に進行してしまうこともあるため、早めに専門医に相談し、対処することが大切です。
今回は「仮面うつ」による体調不良の原因や改善方法について詳しくお伝えしていきましょう。

仮面うつが原因の不調は休養や時間の経過で回復しづらい

「仮面うつ」とはうつ病の一種で、うつ病と同様に、脳内の神経伝達物質の影響により脳の機能低下をともないますが、抑うつや気分の落ち込みなどの精神的な症状より、疲労感や頭痛、肩こりといった身体的な症状が強く出がちです。

こうした症状自体はうつ病でなくても起こりますが、仮面うつによる体調不良の特徴として、ある程度の波を伴いながら慢性的に症状が継続し、休養や時間の経過では回復しづらいという特徴があります。
憂うつ感や不眠、意欲の低下も見られるものの、精神面より体調面の不調が目立つために、「うつ」かもしれないという自覚を持ちにくく、医療機関を受診しても原因がわからないままになってしまうことが多いのも特徴です。
検査をしても異常がないにも関わらず身体面の不調が続く場合は、心療内科を受診して、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。

東洋医学では、ストレスから「気(生命エネルギー)」の巡りが悪化し、体内の「気」、「血(血液)」、「水(水分)」のバランスが悪くなることでさまざまな体調不良が生じると考えられているため、症状の予防には「気」を巡らせる漢方薬も有効だと言えるでしょう。

次の章ではこのような「仮面うつによる体調不良」を予防・対処するための具体的な方法をお伝えしていきます。

仮面うつによる体調不良の予防&対処法3選

1.ストレス源から距離を置きましょう

仮面うつに悩む方の中には、責任感が強く、仕事を休むことや問題に向き合わないことを極度に恐れたり、つらい状況に陥っているにもかかわらず、自分を追い込んでさらに心身を疲れさせたりしてしまう方も少なくありません。
頭痛や肩こり、疲労感などの症状がある場合は、しっかり睡眠や休養をとり、検査や治療をするためにも思い切って仕事を休み、ストレス源から距離を置く選択肢を持てるようにしましょう。

本格的なうつ症状を引き起こさないためにも、「まあいいか」「どうにかなる」という緩やかな気持ちで物事に対処できるように心がけるようにしてみてください。

2.周囲に頼ったり相談したりしてみましょう

仮面うつを発症しがちな方の中には、つらくても自分一人で抱え込んでしまい、周囲に頼れない方も多いようです。
いきなり上司やストレスの原因となっている相手に話をするのはつらいかもしれませんが、気のおけない友人や家族など、身近な相手に「体調が悪くなるほどつらい」、という現状を話してみることをオススメします。
人に話をすることで気持ちがラクになるのはもちろん、自分の感情や考えがまとまり、問題を俯瞰的に見ることや具体的な解決方法が見つかる場合もあるでしょう。

また、声を出すことで自然と深い呼吸ができるようになり、リラックスにもつながります。
つらいときこそ、一人で抱え込まずに身近な人に話を聞いてもらうようにしましょう。

3.早期に専門医の診断と治療を受けましょう

精神的な症状より身体的症状が気になる場合でも、内科的な検査で異常がない場合は、心療内科や精神科を受診して適切な診断と治療を受けることが大切です。
仮面うつ病の治療は、通常のうつ病と同様に専門医による問診により、経緯や症状などのさまざまな背景をもとに診断が行われます。
症状によっては、自律神経失調症などの合併がないかを調べるために採血や心電図検査などが行われることもあるようです。

治療としては、抗うつ薬の服用による薬物治療や、心理療法、カウンセリングなどを行うことが多いようですが、初期の段階で診断を受け、治療開始が早いほど早期回復も見込める可能性が高いです。
内科的な問題ではない身体症状がある場合は、なるべく早く受診するようにしましょう。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

仮面うつによる体調不良を予防するためには、セルフケアに加えて、体質の改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)です。
ストレスからだるさやめまい、咽のつかえ感などを生じている方の「気」のめぐりを良くして、さまざまな不調を解消する効果があります。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「あんしん漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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なるべく早期に専門医の診断を受けるようにしましょう

今回は、仮面うつによる体調不良の予防・対処法や漢方薬をご紹介してきました。
症状を予防するためには、一人で問題を抱え込まないことや、体調不良を我慢せずにしっかり休養を取ることが大切です。
症状の悪化や進行を避けるためにも、なるべく早めに専門医の診断と治療を受けるようにしましょう。

また、こうした仮面うつにまつわる悩みには、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
症状がなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。


手塚智子

大学院修了後、研究職に従事し漢方を学ぶ。その後、薬剤師として臨床で働く傍ら様々な接客業を兼業し、渡米。帰国後、体の内外にアプローチ出来ることを目指して薬剤師兼ビューティーディレクターとして就業中。

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