一体どうしたら…長期に渡るマスク着用でダルダルのブルドック顔に!?
マスク生活が長くなるにつれ、モゴモゴと話すことが増えて顔の筋肉を使うことも減ったせいか、最近顔のたるみが気になる、帰宅後にマスクを外した時のほうれい線にゾッとする…。
30〜60代の幅広い世代の女性のなかには、こうした「マスク着用による顔のたるみ」の症状に悩んでいる方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
このような自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。
今回は「マスク着用による顔のたるみ」をテーマに、薬剤師の竹田由子先生にお話を伺ってみました。
目次
長引く自粛とマスク生活で顔も心もどんより…たるみ顔の解消法を教えて
美香さん(43歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。
これまでもアンチエイジングには気を使ってきたつもりなのですが、マスク生活を送っているうちに、頬のたるみやほうれい線が急激に目立ち始め、顔の下垂が恐ろしい勢いで進行している気がします。
以前は週に3回はお茶菓子を持ち寄っておしゃべりを楽しんでいたママ友とも感染予防のためしばらく会っていなかったり、自粛生活中の会話らしい会話といえば、行きつけのスーパーマーケットの方とマスク越しにモゴモゴとやりとりする程度。
どこへ行ってもマスクをしていなくてはならないので肩や首のコリもひどくなり、表情筋もすっかりカチコチに固まってしまい、無表情気味の毎日を送っていました。マスクをしなくても良い風潮になっても、こんな顔ではマスクを外すことができません。
このままではあっという間にブルドックのような老け顔に一直線かも、と思うと、やるせない気持ちになってしまいます。
どうにかしてこの顔のたるみの進行をストップし、若々しい表情を取り戻したいです。
何か良い方法はないでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
この数年間。自由に出歩けず、楽しいコミュニュケーションの機会も減ってしまったうえにエイジングも進んでしまったので、ストレスを感じることも多いですよね。
今回はマスク着用による顔のたるみの原因や改善方法について詳しくお伝えしていきましょう。
マスクによる顔のたるみは頭や顔の筋肉のコリが原因に
マスクによって顔のたるみが起こる要因としては、顔や頭の筋肉のコリによる影響が考えられます。
長時間のマスクの着用による筋肉疲労や会話の減少から、頬にある「大頬骨筋(だいきょうこつきん)」が固まりやすくなることに加え、会話の際に表情筋のダイナミックな動きが抑制されることで、頬やまぶたなどの顔の筋肉を引き上げる頭の筋肉までもが硬くなってしまいます。
そして顔の筋肉を引き上げる力が弱くなり、「たるみ」が生じてしまうと考えられます。特に口の周りを囲む「口輪筋(こうりんきん)」は、年齢に関係なく衰えやすいうえ、マスク着用によって起こりがちな口呼吸で口が半開きになると、さらに使わなくなります。
そうなると、頬のたるみやほうれい線の悪化を招きやすくなると考えられます。
東洋医学では、頭や顔、肩のコリから「気(生命エネルギー)」や「血(血液)」の巡りが悪くなり、たるみが生じると考えられています。
次の章では、マスクによる顔のたるみを改善するための具体的な方法をお伝えしていきます。
マスクによる顔のたるみを解消する対処法3選
1.マスクの中でも豊かな表情を忘れずに
マスクを着用して表情の分かる部分が覆われてしまうと、どうしても無表情になったり口を大きく開けて会話したりすることが減ってしまいがちです。
頬のたるみやほうれい線を進行させないためにも、マスクの中でも笑顔やいきいきとした表情、ハキハキとした滑舌を心がけ、表情筋を鍛えるようにしましょう。
また、口角だけを上げる笑顔、いわゆる「営業スマイル」のような作った笑顔は、かえってほうれい線を目立たせることになるため、奥歯を1、2本見せるように口を少し開けた笑顔を意識すると良いでしょう。
2.帰宅後のうがいで表情筋エクササイズを
マスクをしている時に表情筋を意識する以外にも、感染症予防とたるみ防止の一石二鳥になる方法が「うがい」の際の表情筋エクササイズです。
帰宅してマスクを外したら、真っ先に手洗いやうがいを心がけている方も多いと思いますが、このときに頬やこめかみの筋肉を意識してみてください。水や洗口液を口に含み、しっかり口をすぼめ、勢いよくぶくぶくうがいすることや、頬を片方ずつ膨らませて「口輪筋」を交互に鍛えることで、ほうれい線の予防や頬全体の引き締め効果が期待できます。
3.顔や頭のコリをこまめに解消しましょう
マスクの着用時に耳が前方に引っ張られてしまうことも、顔や頭のコリの原因になってしまいます。筋肉のこわばりを感じたときは、こめかみを指でくるくると刺激してマッサージをしたり、頭皮を指の腹で程よく圧迫したりするようにすると良いでしょう。
また、毎日のスキンケアで乳液や美容液、クリームを塗る際にも重力に逆らうように下から上に引き上げるようにマッサージして老廃物を流すのもオススメです。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
マスク着用による顔のたるみを改善するためには、セルフケアや美容外科での施術の他に、体質の改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、当帰飲子(トウキインシ)です。表情筋の衰えや皮膚のたるみが気になる方の血液の巡りを良くして体を温め、顔や頭の筋肉のコリを改善する効果があります。
また、たるみの他に疲労倦怠感や不眠などがある場合は、人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)が体のエネルギーを補って血流を促すのでよいでしょう。
一方、目の疲れや乾燥、ほてりにイライラを伴うような場合は、杞菊地黄丸(コギクジオウガン)が特に加齢による「腎」の衰えを補うのでよいでしょう。
マスク生活の中でも笑顔を忘れないようにしましょう
今回は、マスク着用による顔のたるみの改善方法や漢方薬をご紹介してきました。
症状の改善のためには、マスク着用によって悪化しがちな顔や頭のコリをこまめにほぐし、血液の巡りを良くすることです。
人と会う機会や会話が減ってしまったとしても、日々いきいきとした表情を心がけて笑顔を絶やさないに心がけましょう。
また、こうした顔のたるみの症状にまつわる悩みには、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。