めまい・メニエール病の効果的なケア方法と漢方を解説

お悩み

フワフワした浮動性のめまいから、ぐるぐると回る回転性のめまいまで「めまい」には様々な種類があります。
日常生活に支障が出るほどつらいめまいの症状にお悩みの方も多いのではないでしょうか?

ここでは代表的ないくつかのめまい症状とその原因や対処法、効果的な漢方薬について紹介していきます。

軽いめまいの原因と効果的な漢方

倒れるほどではないけれど、ふらつくような軽いめまいでも何度も続くようだと心配ですよね。

ここでは30代〜40代のプレ更年期世代の女性に起こりやすい軽いめまいの原因と対処法、効果的な漢方薬について解説していきます。

軽いめまいの原因

軽いめまいの多くは低血圧や起立性調節障害によって、急に立ち上がったり長時間の起立、睡眠不足や生活リズムの乱れなどが原因で起きます。

東洋医学では、自律神経を司る「肝」の働きが衰えることで、脳や内耳への血の巡りが悪化してめまいの症状が起こると考えます。

軽いめまいのケアと漢方

立ち上がった瞬間のクラクラするめまいが起こった場合、まずはしゃがんで頭の位置を低くしましょう。
横になれる状況であれば、仰向けに真っ直ぐ横になり、血液を脳に送りやすい姿勢で安静にします。

起床時や急に身体の向きを変えたときに目が回る回転性のめまいが起こりやすい方は、めまいが起きた時に頭の向きや姿勢を変えるようにします。
耳の中の「耳石」がズレてめまいを起こしている場合は、この動作を繰り返すことで症状が改善されることもあります。

根本的な体質改善には漢方薬がオススメです。
体内の水分循環を良くし、疲労感やめまいを和らげる効果のある「苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)」や「血(血液)」や「水(水分)」の巡りを良くする「釣藤散(チョウトウサン)」が効果的です。

https://www.kamposupport.com/kentame/archives/10140

寝起きのめまいの原因と効果的な漢方

ベッドから起き上がるタイミングや寝返りの時に急に天井が回る、床にしゃがみ込む動作や背伸びをした時に目の前がぐるぐる回る、などの症状にお悩みの女性も多いのではないでしょうか?

ここでは寝起きに起こるめまいの原因と対処法、効果的な漢方薬について解説していきます。

 寝起きのめまいの原因

ぐるぐる回るめまい、寝起きや寝返りで症状が出るのは「良性発作性頭位めまい」と呼ばれるめまいです。

これは三半規管の中の耳石が原因で起こります。耳石は普段決まった位置にあり、身体の位置や動きを平衡感覚を司る前庭神経に伝える役割を担います。
この耳石が定位置を離れて三半規管に入り込むと、リンパが異常な流れを起こして平衡感覚を司る細胞の働きを乱し、めまいを起こします。
この種類のめまいは、静止した状態から頭を動かして決まった位置にきたときに発作が起きるのが特徴です。

東洋医学ではめまいを「水」の異常と考えます。
体内の水分代謝異常によって水の巡りが滞ることで様々な症状を引き起こす状態を「水毒」といい、めまいの原因とされています。

寝起きのめまいのケアと漢方 

良性発作性めまいの場合、寝るときに頭を高くすると、耳石が三半規管に入りにくくなるので、めまいの予防につながります。
疲れやストレス、寝不足もめまいを引き起こす大きな原因です。
三半規管はストレスに弱く、過度にストレスがかかると過敏に反応しやすいといわれています。
適度な運動やストレッチ、睡眠を十分にとることでストレスを溜めず、身体の状態を整えましょう。

根本的な体質改善には漢方薬も効果的です。
身体の水はけを良くする利水効果のある生薬を含み、自律神経を整える働きもある「苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)」や胃腸機能を改善する人参や黄耆を含み、食欲不振にも効果のある「半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)」もオススメです。

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生理前のめまいの原因と効果的な漢方 

生理の前になると頭痛やむくみに加えて、フワフワしためまいの症状に悩まされる女性も多いのではないでしょうか?

ここでは月経に伴うめまいの原因と対処法、効果的な漢方薬について解説していきます。

生理前のめまいの原因

月経に伴うめまいは、月経前症候群(PMS)によるものと、月経時の失血で鉄欠乏性貧血となることで起こるものとが考えられます。
排卵後に多く分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)は、体内の水分代謝に大きく関係します。

月経時の失血により血液中の酸素を全身に運搬するヘモグロビンが減少して身体が酸素不足になることや、子宮周辺に血液が集中することで脳に血が回らなくなることもめまいを引き起こす原因となります。

東洋医学では卵巣から分泌されるホルモンの変化から血液や水分の循環が滞り、「血瘀(けつお)」や「水毒」の状態になることでめまいを引き起こすと考えます。

生理前のめまいのケアと漢方

月経に伴う鉄欠乏性貧血が原因のめまいでは、鉄分の補給が症状改善のために重要です。
栄養不足を起こす過度なダイエットは避け、レバー、赤身肉、マグロ、大豆など鉄分を多く含む食材を普段の食事に積極的に取り入れましょう。

身体の冷えも月経に伴うめまいの大きな原因となります。
身体の冷えから血行が滞り、子宮筋の硬直や骨盤内のうっ血が起こる場合があります。
季節を通して身体が冷えないような対策をとりましょう。

根本的な体質改善には漢方薬もオススメです。
吐き気を伴うめまいやむくみのある方の水毒を解消する「半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)」や、体内の血液や水分の巡りを良くして痛みを発散、めまいや耳鳴りを改善する「釣藤散(チョウトウサン)」などが効果的です。

https://www.kamposupport.com/kentame/archives/10108

吐き気をともなうめまいの原因と効果的な漢方

思い悩むことが続くと、吐き気を感じてめまいに襲われる…。
このような症状に悩まされている女性も多いのではないでしょうか?

ここでは吐き気を伴うめまいの原因と対処法、効果的な漢方薬について解説していきます。

 吐き気をともなうめまいの原因

吐き気を伴うめまいはストレスが関係している可能性が高いと考えられます。
過度のストレスを感じることで、自律神経が乱れて胃や腸などの消化器系の働きが弱まったり、平衡感覚を司る器官の血流不全によりめまいが起こったりすることが、症状の原因と考えられます。

東洋医学では、自律神経を司る「肝」の働きがストレスによって衰えることで脳や内耳への「血」の巡りが悪化して吐き気やめまいにつながると考えます。

吐き気をともなうめまいのケアと漢方 

吐き気を伴うめまいの改善には、ストレスや疲労を溜め込まないようにすることが大切です。

ストレスの原因がわかっている時は、原因を取り除くこと。
そうでない場合は、自分なりのストレス解消法を持っておくことが重要です。

もしも吐き気を伴うめまいが起こってしまった時は、できるだけ静かな場所で安静にして休養をとりましょう。
ネクタイやベルトなど身体を締め付けるものを着用しているときは、緩めたり外したりして身体に負担がかからない状態で休むようにしてください。

根本的な体質改善には漢方薬がオススメです。
吐き気を伴うめまいや動悸、喉のつかえがある方には「半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)」、めまいに加えて嘔吐や吐き気がある方は水毒を改善する働きのある「半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)」が効果的です。

https://www.kamposupport.com/kentame/archives/10115

「メニエール病」によるめまいの原因と効果的な漢方

耳鳴りを伴うめまいにお悩みの女性も多いのではないでしょうか?
めまいに耳鳴りを伴う場合は、「メニエール病」という病気が疑われます。

ここでは「メニエール病」によるめまいの原因と対処法、効果的な漢方薬について解説していきます。

「メニエール病」によるめまいの原因

「メニエール病」は、耳の奥にある内耳の障害から発症する病気です。
過度なストレスや睡眠不足、疲労の蓄積をきっかけに激しいめまいと耳鳴りが起きます。
何らかの原因で内耳内のリンパ液のバランスが崩れ、内圧が高まることで感覚細胞が刺激を受けてめまいが起こるとされています。

「メニエール病」によるめまいのケアと漢方

「メニエール病」の治療には西洋医学的な治療が必要です。
内耳系の障害が疑われる場合には、耳鼻科を受診し適切な検査を行い、診断を受けましょう。

耳鼻科では主に「聴力検査」や、内服により内耳のむくみを軽減することで回復が見込めるかを診断する「グリセロール検査」、内耳の音に対する反応を調べる「蝸電図検査」を行います。

治療は内服治療が中心です。軽度の発作症状では抗めまい薬、炎症を抑えるステロイド、抗不安薬などで応急処置を行います。
症状が重ければ注射や点滴を追加します。何度も症状を繰り返す難治性の場合は手術を検討することもあります。

西洋医学での治療に加えて、体質改善を行う漢方薬の併用も効果的です。
自律神経を整え、水毒を改善する「苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)」や胃腸の働きを改善して抑うつ効果も期待できる「半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)」もオススメです。

https://www.kamposupport.com/kentame/archives/10183

まとめ

めまいにお悩みの方は、この記事で紹介した症状別のセルフケアを参考に、つらい症状の改善につとめましょう。
めまいの症状改善に漢方薬が効果を発揮するケースもあります。

セルフケアを試しても症状が改善しない場合は、お近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

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