体がかゆいときの対処法は? かゆみに効果的な漢方を紹介
首、足の裏、背中など、身体の痒みは季節を問わず起こり、ときには生活に支障をきたす程つらい症状が出ることもあります。
目次
首がかゆいときの対処法と効果的な漢方
首の皮膚は非常に薄いことに加えて、汗や髪の毛など外部からの刺激を受けやすい場所でもあります。皮膚トラブルが起きやすいデリケートな場所と言えます。
外部刺激のなかでも、汗には脂質やタンパク質などさまざまな成分が含まれています。大量の汗をかいたまま放置すると、細菌が繁殖してかぶれや炎症の原因となります。
汗をかいたらタオルなどでこまめに拭き、シャワーを浴びて常に清潔な状態を保つよう心がけましょう。
首の痒みには根本的な体質改善を行う漢方薬もオススメです。
赤みや熱感を伴う痒みには、体内の余分な「熱」を冷ます「黄蓮解毒湯(オウレンゲドクトウ)」、ジュクジュクした炎症のある痒みには、毒素を排出して「血(血液)」の巡りを改善する「消風散(ショウフウサン)」などが効果的です。
足の裏がかゆいときの対処法と効果的な漢方
足の裏の痒みは、肌の乾燥や血の巡りの悪さ、靴や靴下の蒸れなどが原因として考えられます。
足の痒みが気になったときは、まず足の環境を見直してみましょう。
蒸れやすい素材の靴は汗が溜まりやすく、細菌が繁殖する原因となるため、痒みがあるときは通気性の良いスニーカーやサンダルなどの風通しの良いものを選びましょう。
血の滞りも痒みの原因の一つです。ウォーキングやランニングなどのエクササイズ、足の指を広げたり閉じたりする運動などを取り入れて、普段から血の巡りを良くするよう心がけましょう。
足の裏の痒みには、漢方薬による根本的な体質改善も効果的です。
手足の冷え、むくみや痺れのある方の「気・血・水(生命エネルギー・血液・水分)」の巡りを良くする作用のある「牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)」、乾燥による痒みがある方は「血・水」の巡りを良くする作用のある「真武湯(シンブトウ)」などがオススメです。
背中がかゆいときの対処法と効果的な漢方
背中は他の部位より皮脂腺が少ないことに加え、加齢により皮脂の分泌量が少なくなり、乾燥しやすい部位と言われています。
入浴の際はゴシゴシ洗いすぎず、肌に優しい弱酸性の石鹸を使って優しく洗いましょう。さらに入浴後はボディクリームなどで保湿をし、肌を乾燥させないようなケアを行いましょう。
ホルモンバランスの崩れも毛穴詰まりなどの肌トラブルの大きな原因です。
ストレスを溜めすぎずにしっかり睡眠をとり、肌のターンオーバー促進に効果的なたんぱく質、ビタミンB群を食事に取り入れて肌の新陳代謝を促しましょう。
背中の痒みには根本的な体質改善を行う漢方薬もオススメです。
「熱」や炎症を鎮める作用のある「黄蓮解毒湯(オウレンゲドクトウ)」、「血」の巡りを良くして膿を排出、炎症を鎮める「消風散(ショウフウサン)」などが効果的です。
乳首がかゆいときの対処法と効果的な漢方
月経前や更年期など、ホルモンバランスが乱れる時期は乳房や乳首が敏感になって痒みを生じやすいとされています。
痒いからと掻きすぎてしまうと、毛穴から菌が侵入して炎症を起こす原因になります。どうしても痒みが強いときには、ガーゼで包んだ保冷剤などで周囲を冷やすことで痒みを抑えましょう。
ブラジャーや肌着の接触でも痒みを起こすことがあります。乳首周りに痒みがあるときは、下着や肌着の素材を肌に優しい綿や絹などの素材に変えてみるのも良いでしょう。
乳首周りの痒みには根本的な体質改善を行う漢方薬も効果的です。
体内にこもった「熱」を冷まし、膿や毒素を排出することで炎症を鎮める「消風散(ショウフウサン)」、「熱」を冷まして「血」の巡りを良くする「黄蓮解毒湯(オウレンゲドクトウ)」などがオススメです。
脇がかゆいときの対処法と効果的な漢方
脇には皮脂腺、エクリン汗腺、アポクリン汗腺などの汗腺があります。なかでもアポクリン汗腺からはたんぱく質や脂質が多く含まれた粘り気のある汗が多く分泌されます。
汗をかくことで皮脂や汚れが汗腺に詰まって細菌が増殖、炎症を起こして痒みを伴う皮膚トラブルにつながるとされています。
痒みを伴う肌トラブルを避けるためにも、常に脇を清潔な状態に保つよう心がけましょう。
こまめにタオルで汗を拭いたり、直接触れる肌着を吸湿性の良い綿素材に変えるなどで蒸れを避け、汗腺を詰まらせない習慣をつけましょう。
脇の痒みを伴う皮膚トラブルには、漢方薬による根本的な体質改善もオススメです。
「血」の巡りを良くして熱感や痒みを鎮める「消風散(ショウフウサン)」や、「熱」を冷まして、痒みを和らげる作用のある「黄蓮解毒湯(オウレンゲドクトウ)」なども効果が期待できます。
かかとがかゆいときの対処法と効果的な漢方
皮脂腺のないかかとは、身体の中でも特に乾燥しやすい部位とされています。手足の冷えなどで血行が悪くなることでも痒みを生じやすくなります。
かかとが乾燥して角質が硬くなり、痒みを生じやすくなっているときは、入浴や足湯で温めることで角質を柔らかくして古い角質を取り除きましょう。
その後は皮膚から水分が蒸発しないように保湿力の高いクリームを塗って乾燥を防ぐことが大切です。
かかとの痒みには根本的な体質改善を行う漢方薬もオススメです。
「気」の巡りを良くして「腎」の働きを改善する作用のある「牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)」、身体を温めることで肌のターンオーバーを促進する「真武湯(シンブトウ)」などが効果的です。
へそがかゆいときの対処法と効果的な漢方
へそは表面積が狭く通気性が悪いため、角質や汗などが溜まりやすく、細菌の繁殖を招きがち。洗浄を怠り、汗や角質などが蓄積すると痒みや炎症、悪臭の原因となります。
痒みや炎症を防ぐため、へその周囲は常に清潔に保つよう心がけましょう。
入浴時にもさっと流すだけではなく、泡立てた石鹸で優しく洗い、しっかりとお湯で流します。洗浄後は内側に水分を残さないよう乾かしましょう。
毎日の洗浄に加えて、週1回程度はへそのゴマのケアを取り入れるとよいでしょう。
入浴後などへそのゴマがふやけたタイミングで、ベビーオイルを浸した綿棒を使ってへその中を拭きます。垢が綿棒につかなくなるまで根気強く続けましょう。
へその痒み改善には、根本的な体質改善を行う漢方薬も効果的です。
体内にこもった余分な「熱」を冷まして炎症を和らげる「黄蓮解毒湯(オウレンゲドクトウ)」、「血」や「気」を補って肌に栄養と潤いを与える「当帰飲子(トウキインシ)」などがオススメです。
全身がかゆいときの対処法と効果的な漢方
全身の痒みの原因としては、皮膚刺激による蕁麻疹が多いと言われています。
蕁麻疹においては、急激な温度変化による汗やかぶれだけではなく、疲労やストレスの蓄積でヒスタミンの過剰分泌で痒みを生じる場合もあります。
ストレス源の完全な排除は難しいかもしれませんが、自分なりの発散法を見つけたり、毎日上質な睡眠をとるよう心がけましょう。
全身の痒みを伴う蕁麻疹には、根本的な体質改善を行う漢方薬もオススメです。
肌に熱を帯びたような痒みがある方には、体内の余分な「熱」を冷まして毒素を排出、炎症を和らげる作用のある「消風散(ショウフウサン)」、肌のカサつきがある方には「気」や「血」を補って肌に栄養と潤いを与える作用のある「当帰飲子(トウキインシ)」などが効果的です。
まとめ
身体の痒みを部位別に分けてそれぞれの原因と対処法、効果的な漢方薬について解説しました。
つらい痒みにお悩みの方は、ここで紹介した対処法を症状の改善に役立ててください。
痒みの改善には漢方薬が効果を発揮した例がいくつもあります。セルフケアを試してもなかなか症状が改善しない場合は、お近くの漢方医や漢方薬局にご相談くださいね。