結膜炎や慢性副鼻腔炎にも使われる葛根湯加川芎辛夷とは

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「葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)」は、初期の風邪症状や鼻水、鼻づまりなどの鼻症状に効果がある漢方薬です。

いつも風邪をこじらせてしまう方や、風邪症状の中でも特に鼻水や鼻づまりなどが気になる方にオススメです。

葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)とは

葛根湯加川芎辛夷は、葛根湯に川芎(活血作用に優れ、頭痛の専門薬として広く用いられる漢方)と辛夷(宣肺開竅の作用がある漢方)を配合したものです。

葛根湯加川芎辛夷は、寒気があり、汗をかいていない初期の感冒に適応し、特にくしゃみ、鼻水、鼻づまり等の鼻症状に効果があります。
また、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、花粉症にも応用されます。

葛根湯加川芎辛夷は次のような症状に処方されます。

・くしゃみ
・鼻水
・アレルギー性鼻炎
・鼻づまり
・蓄膿症
・慢性鼻炎
・感冒症状(悪寒、発熱、無汗、頭痛、鼻水鼻塞など)

使用方法は、1日3回食前または食間に服用します。

目の赤みに効果的な葛根湯加川芎辛夷と滋腎明目湯

目の充血には「結膜の充血」と「結膜下出血」の2種類あります。
結膜の充血は、目の疲れや乾き、紫外線ダメージ、コンタクトレンズの長時間装着などにより血管が膨張して筋状の赤みが起こります。
結膜下出血は、目を強くこすることや打撃による刺激から結膜の血管の一部が破れ、出血を起こした状態です。

東洋医学では、「肝(かん)」の衰えにより、全身の栄養不足が起きて「血虚(けっきょ)」になることや、老化によって「腎(じん)」が弱り、目に赤みが生じやすくなると考えられています。

目の充血には漢方薬の服用もオススメです。
「葛根湯加川芎辛夷」は花粉や動物などのアレルギーによる目の充血に効果があります。
また「滋腎明目湯(ジジンメイモクトウ)」は充血や目の乾きがある方の、目の機能を回復させる効果があります。

目の充血を防ぐには、結膜に刺激を与えるホコリや花粉、ペットの毛や細菌などの付着を防ぐことが大切です。汚れた手で目をこすらないようにし、手指や目を清潔に保ちましょう。
さらに、外出時は帽子や日傘などで紫外線から目を守ることも重要です。

結膜炎に効果的な葛根湯加川芎辛夷と小青竜湯

結膜炎は、目の表面を覆う結膜が細菌やウィルスに感染したり、花粉などのアレルギーによって炎症を起こしたりすることにより発症します。

東洋医学では、結膜炎は「肝(かん)」と「肺(はい)」の働きの低下により生じると考えられています。

結膜炎には漢方薬の服用も効果的です。
「葛根湯加川芎辛夷」はアレルギー性の結膜炎により目の充血がひどく、鼻づまりの症状がある方にオススメです。
「小青竜湯(ショウセイリュウトウ)」は結膜炎症状に加え、サラサラとした鼻水や水っぽい目やにが多く出る方に効果が見込めます。

花粉症やハウスダストなどによる結膜炎を防ぐためには、アレルゲンとの接触を避けることが大切です。
眼鏡やマスク、手袋を着用して粘膜を守り、こまめにシャワーを浴びるようにしましょう。

目やにに効果的な葛根湯加川芎辛夷と小青竜湯

目やには目の表面の古くなった細胞や、目の分泌物が剥がれ落ちた老廃物のことです。
目の表面にアレルギーの原因となる物質や、異物や細菌などが侵入したときに免疫反応として目やにが多く排出されることがあります。

東洋医学では、目やには「肝(かん)」の衰えによって血流が悪化し、自律神経が失調することで生じると考えられています。

目やにの根本的な症状改善には漢方薬の服用もオススメです。
「葛根湯加川芎辛夷」は、冷え性がある方の、目やにと鼻づまり、鼻炎に効果的です。
また「小青竜湯(ショウセイリュウトウ」は体が冷えて水っぽい目やにが多く出る方の水分代謝を促し、症状を改善する効果があります。

目が疲れたり、乾燥したりすると、目を保護するために涙の成分が促進され、目やにが溜まりやすくなります。
目を長時間使用したときは、こまめに休息を取り、まばたきを意識して目の乾燥を防ぐようにしましょう。

慢性副鼻腔炎に効果的な葛根湯加川芎辛夷と荊芥連翹湯

鼻からの悪臭は、鼻の奥にある副鼻腔に溜まっている膿が原因です。風邪や花粉、ストレスなどの影響やカビなどの真菌によって副鼻腔に炎症が起き、菌が繁殖することで膿が生じます。

東洋医学では、呼吸や体液の代謝、体温調節をつかさどる「肺(はい)」が熱邪(ねつじゃ)や風寒(ふうかん)に侵されて鼻の炎症が生じると考えられています。

副鼻腔炎には漢方薬の服用も効果的です。
「葛根湯加川芎辛夷」は鼻の奥から膿の匂いがする方の症状を和らげます。
「荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)」は鼻腔内の炎症が慢性化した方の鼻の炎症を抑える効果があります。

鼻の中の匂いが気になる場合は、「鼻うがい」がオススメです。
鼻うがいは水道水で行うと鼻の粘膜が傷つく恐れがあるため、生理食塩水または市販の鼻うがい専用液を使用しましょう。

花粉症による鼻水症状に効果的な葛根湯加川芎辛夷と小青竜湯

花粉症は体内に入ってきた花粉に対する免疫反応により引き起こされるアレルギー症状をさします。
特に鼻水は花粉症によく見られる症状のひとつで、水のようにサラサラとした透明な鼻水が出てくるのが特徴です。

東洋医学では、鼻水は「水(水分)」のバランスが乱れ、体内に余分な「水」が溜まることによって生じると考えられています。

花粉症による鼻水には漢方薬の服用もオススメです。
「葛根湯加川芎辛夷」は鼻水や鼻づまりの症状に対して体を温め鼻をすっきり通す効果があります。
「小青竜湯(ショウセイリュウトウ)」はサラサラとして透明な鼻水が出る方にオススメです。

ダラダラ続く鼻水には「大椎(だいつい)」のツボ押しが効果的です。
場所は首を前に倒したときに首と背中の付け根に飛び出る骨の下にあるツボです。くぼみの部分を指でぐっと押したり、温めたりすることで鼻の症状の緩和が期待できます。

風邪による鼻血に効果的な葛根湯加川芎辛夷と荊芥連翹湯

鼻血の多くはキーゼルバッハという場所から出血します。
この場所は毛細血管が集中しており、粘膜も薄いため、少しの刺激や空気の乾燥によっても出血します。風邪を引くと鼻水をかむなどの刺激が増え、鼻血が出やすくなります。

東洋医学では、喉が赤く腫れ、鼻づまりをともなう風邪のときにでる鼻血を「風熱(ふうねつ)」による鼻血、鼻水や寒気などが強い風邪のときに出る鼻血を「風寒(ふうかん)」による鼻血と考えられています。

風邪による鼻血には漢方薬の服用も効果的です。
「葛根湯加川芎辛夷」は鼻づまり、鼻腔のむくみ、鼻血の症状がある方にオススメです。
また「荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)」は粘度の高い鼻水や痰があり、粘膜の充血から鼻血が出やすい方に効果的です。

鼻血が出やすいときは仰向けで寝るのは避けましょう。
仰向けは鼻づまりを悪化させやすく、鼻血が出たときに喉に逆流してしまう恐れがあります。横向きか、クッションを使い体勢を少し起こすような形で寝るようにしましょう。

まとめ

ここでは葛根湯加川芎辛夷を取り上げ、実際に葛根湯加川芎辛夷が処方されるいくつかのトラブルを見てきました。

葛根湯加川芎辛夷は風邪や花粉症の鼻水に有効です。症状に合わせてセルフケアを実践したり、他の漢方薬を取り入れるなどして、気になる症状の改善に役立ててみてはいかがでしょうか。

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