脳出血の検査と診断、薬物治療や手術などの治療法について解説

お悩み

脳出血を発症したとき、病院ではどのように診断や治療が行われるのでしょうか。

脳出血が起きたときに一番不安になるのはご家族の方です。どういった治療があるのかを知っておくことで、医師の話を冷静に聞くことができると思います。

ここでは脳出血の診断、治療、予防について解説します。

脳出血の検査と診断

脳出血はCTで容易に診断可能です。CTで白く写っている場合は出血であり、その部位や出血量を調べることで診断します。

さらに出血の原因などを調べるために、追加でMRI検査を行うことがあります。場合によっては、出血が続いているかどうかを判断するために、血管造影検査を行うこともあります。

脳出血の治療法

脳出血は発症から1~6時間程度で出血が止まります。治療法には薬物治療と手術治療があります。それぞれ見ていきましょう。

薬物治療

脳出血を起こした場合、高血圧になっていることがほとんどです。そのため、可及的すみやかに血圧を薬で下げます。また、脳が腫れてくる(脳浮腫)ため、それを防ぐ目的で軽くする薬(グリセオール)を点滴します。

手術

手術は出血部位の血腫の量、サイズによって決まります。

被殻出血では、血腫の量が30ml以上で意識が半昏睡状態(刺激で目は開けないが体を動かす)のものが急性期の手術適応となります。この手術の目的としては、意識障害の改善や早期回復を目的としたものであるため、麻痺を改善することはできません。

視床出血では開頭手術はしません。しかし、脳脊髄液が循環している部屋(脳室)に出血が及んで、脳脊髄液が循環できなくなった場合(水頭症)は、髄液を外へ出す手術が必要となります。

皮質下出血は、出血量や部位、症状によって総合的に判断されます。また、出血の原因が高血圧ではなく、脳動静脈奇形(AVM)や脳動静脈瘻(AVF)である場合は、血管造影検査などで詳しく調べる必要があります。

小脳出血は進行が急で、水頭症をきたすこともあります。出血のサイズが3cm以上であれば、血腫を除去する手術適応となります。小脳出血の場合は、手術で症状を改善することがあります。

脳幹(橋)出血の場合、脳幹に非常に大事な機能がつまっているため、手術適応となりません。

脳出血の予防のためにできること

脳出血の予防には、基本的には高血圧のリスクを避けることが大切です。

食塩制限

日本人の平均食塩摂取量は1日13gと言われています。高血圧の方は1日6g未満になるよう心がけましょう。

食事制限

摂取エネルギーは標準体重1kgに対して25~35kcalを目安として、3食きちんと分けてバランスのとれた食事をしましょう。

アルコールの制限

習慣的な大量飲酒は、血圧を上昇させます。中性脂肪を増やし、動脈硬化も促進させます。飲酒はほどほどにしておきましょう。

運動

軽い運動は血行をよくし、肥満防止にもつながります。無酸素運動(息を止めて行う運動)ではなく、散歩やジョギングなどの軽い有酸素運動(十分に酸素を取り込みながら行う運動)をしましょう。目安は1日30分程度です。

薬による治療

食事制限や運動も大切ですが、すぐに改善がみられるものではありません。すでに高血圧がある方は、血圧の薬を飲みながら、上記のことに取り組んでいきましょう。

いかがでしたでしょうか。脳出血の診断、治療、予防について見てきました。脳出血を起こさないために、特に高血圧の方は予防につとめることをおすすめします。


<執筆・監修>

九州大学病院
脳神経外科 白水寛理 医師

高血圧、頭痛、脳卒中などの治療に取り組む。日本脳神経外科学会専門医。

白水寛理

九州大学病院 脳神経外科 医師   九州大学大学院医学研究院脳神経外科にて脳神経学を研究、高血圧・頭痛・脳卒中など脳に関する疾患に精通。臨床の場でも高血圧、頭痛、脳卒中など脳に関する治療にあたる。 日本脳神経外科学会、日本脳卒中学会、日本小児神経学会、日本てんかん外科学会、日本脳神経血管内治療学会に所属。

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