大柴胡湯とは？効果を発揮する女性特有のトラブルとケア方法
大柴胡湯（ダイサイコトウ）とは、悪寒と発熱を繰り返すような長引く風邪症状に効果のある漢方薬です。
風邪が治りにくい、いつも風邪が長引くなどの症状でお悩みの方にオススメです。また便秘の改善にも役立ちます。
目次
大柴胡湯（ダイサイコトウ）とは
大柴胡湯は、柴胡・黄芩（悪寒と発熱が交互に出現する症状を改善する）、大黄・枳実（こもった熱を便通によって排出する）、芍薬（鎮痛作用）、半夏（水分停滞を解消する）、生姜・大棗（消化器機能を亢進する）で構成されています。
大柴胡湯は次のような症状に処方されます。
・胆石症
・胆嚢炎
・黄疸
・肝機能障害
・高血圧症
・脳溢血
・蕁麻疹
・胃酸過多
・急性胃腸炎
・消化器症状（悪心、嘔吐、食欲不振）
・痔疾
・糖尿病
・神経症
・不眠症
使用方法は、1日3回食前または食間に服用します。
閉経による糖尿病に効果的な大柴胡湯と五苓散
女性ホルモンのエストロゲンには脂質代謝を安定させ、血糖値を調整する働きがあります。
しかし、閉経後は急激にエストロゲンが減少してしまうため、内蔵脂肪を蓄積しやすくなり、血糖値や血圧の上昇を引き起こします。
東洋医学では、糖尿病のことを「消渇（しょかつ」といいます。「消」は多く食べても痩せてくること、「渇」は口が渇くことを示しており、多飲・多食・多尿といった糖尿病の症状を表しています。
糖尿病の改善には漢方薬の服用もオススメです。
大柴胡湯は腹部の張りや便秘を解消し、体重増加や脂肪の蓄積を防ぐ効果があります。
また、五苓散（ゴレイサン）は口の渇きがひどく、むくみなどがある方にオススメです。
糖尿病を予防・改善するために、まずは自分の標準体重を知っておきましょう。
標準体重（kg）は[身長（cm）−100]×0.9で求めます。
体重が標準よりもオーバーしている場合は、食生活の見直しや運動を取り入れましょう。
胆石による右脇腹の痛みに効果的な大柴胡湯と四逆散
右脇腹の痛みの原因はさまざまありますが、その中でも中高年の女性に多く見られるのは胆石（胆汁の成分であるリン脂質が結晶化したもの）によるものです。
胆石は、食生活の変化によりコレステロール値の上昇や肥満、不規則な生活やストレスにより起こります。
胆石には漢方薬の服用もオススメです。
大柴胡湯は胆石による腹部の痛みを和らげ、胆石形成を抑制する効果があります。
四逆散（シギャクサン）はストレスが強く、腹痛や胸のつかえ感がある方の炎症を鎮めて精神症状を改善する効果があります。
胆石症を改善するためには生活習慣を見直しましょう。消化の悪いものをたくさん食べたり、1回の食事量が多いと胆のうや胆管に負担がかかります。
食事と食事の間は長時間開けず、1日3回規則正しい食生活を心がけましょう。
脂肪分解に効果的な大柴胡湯と防風通聖散
ダイエットを効果的に行うためには、体に蓄えられた脂肪を落とす必要があります。
まずは脂肪がスムーズに分解・燃焼・代謝されやすい環境を作ることが大切です。
脂肪分解をスムーズにするために漢方薬の服用もオススメです。
大柴胡湯は脂肪の燃焼を助け、便通をスムーズにして肥満を解消する効果があります。
また、防風通聖散（ボウフウツウショウサン）は老廃物の排泄をスムーズにして脂肪の代謝を促す効果があります。
有酸素運動で脂肪をしっかり燃焼しましょう。有酸素運動には、ウォーキングやストレッチ、ジョギング、水泳などがあります。
酸素を体に取り込みながら運動を行うため、長時間行え、脂肪燃焼の効果があります。体力のない方や年齢を重ねた方でも無理なく行うことができます。
太もものダイエットに効果的な大柴胡湯と防已黄耆湯
太ももが痩せにくい原因として、代謝の悪化、骨盤の緩み、筋力低下などがあります。
また、太ももの裏側の筋肉は普段使う機会が少ないため、日常生活で鍛えることが難しい部位でもあります。
太もも痩せには漢方薬の服用もオススメです。
大柴胡湯は代謝の悪化により脂肪が落ちにくい方の脂肪燃焼をサポートする効果があります。
防已黄耆湯（ボウイオウギトウ）は水分代謝を整えて老廃物を流す効果があります。
「足開きスクワット」で太ももを鍛えましょう。手順は次の通りです。
①両足を1m〜1.5mほど開いて立ち、爪先を外側に向け背筋を伸ばす
②上体を真っ直ぐにして、両手を天井に伸ばす
③両膝が90度の角度になるまでゆっくり腰を下ろす
④ゆっくり元の位置へ戻す
10回1セットとして1日3セット行いましょう。
下腹痩せに効果的な大柴胡湯と防已黄耆湯
ぽっこりした下腹は、姿勢の悪さや出産による骨盤の緩みにより内蔵の位置が下がることによって起こります。
それに加えて、年齢を重ねるごとに代謝が低下するため、脂肪が増える原因となります。
下腹痩せには漢方薬の服用もオススメです。
大柴胡湯は脂肪の代謝・燃焼を促進して肥満を解消する効果があります。
防已黄耆湯（ボウイオウギトウ）は体に溜まった水分を排泄し、水分代謝を上げる効果があります。
便秘を解消して下腹をスッキリさせましょう。ダイエットでありがちなのが、食事量を減らすことによる便秘です。
便秘は下腹がぽっこり見えてしまうだけではなく、腸の機能低下から栄養がうまく吸収されず、脂肪として蓄積されてしまうことがあります。
腸内環境を改善し、便秘を解消するために、ヨーグルトなどの乳酸菌や納豆、キムチなどの発酵食品を積極的に摂取しましょう。
リバウンドに効果的な大柴胡湯と防風通聖散
ダイエットで落とした体重や体脂肪が元に戻ってしまうリバウンド。
これは急激なカロリー不足が原因で体が飢餓状態になり、摂取した食べ物を脂肪に変えて蓄えなくてはならないと勘違いした体の反応です。
リバウンドを防ぐためには漢方薬の服用もオススメです。
大柴胡湯は脂質の代謝を高める効果があり、食べすぎによりリバウンドしやすい方にオススメです。
また、防風通聖散（ボウフウツウショウサン）は体内の老廃物を排泄して代謝を良くする効果があります。
糖質制限のしすぎに注意しましょう。糖質制限ダイエットはリバウンドを招き、脂肪がつきやすい体になってしまいます。
糖質の過剰摂取はダイエットをする上で避けた方がいいですが、糖質は生きていくための大切なエネルギー源となります。
糖質が不足すると、代わりに筋肉を糖に変えるため、筋肉量が減り、代謝が落ちてしまいます。1日に摂取する糖質量を決めておき、自分の体に合った適正な糖質制限を行いましょう。
まとめ
ここでは大柴胡湯を取り上げ、実際に大柴胡湯が処方されるいくつかのトラブルを見てきました。
大柴胡湯には便通をスムーズにしたり、代謝を高める働きが期待できます。
症状に合わせてセルフケアを実践したり、他の漢方薬を取り入れるなどして、気になる症状の改善に役立ててみてはいかがでしょうか。
