手足のしびれに効果的な4つの漢方薬
症状別の漢方
しびれるということと、麻痺するということは医学的には同意義です。
けれども長い間座っていて、しびれのために立ち上がれなくなったり、重いものを持ったために手がジンジンする状態をしびれ感という言葉で表現することもあります。
この状態は、麻痺の軽いものと考えてよいでしょう。
目次
考えられる病気
麻痺には2種類あります。
ひとつは知覚麻痺。これは、運動の不自由はさほどありませんが、皮膚の感覚が鈍くなっている状態です。
高血圧症・脚気(かっけ)・ノイローゼなどが原因でしびれ感を訴えます。
首を痛めたときのむち打ち症なら手にしびれを感じます。
最近では多発性神経炎と診断されるものが多いでしょう。
もうひとつは運動麻痺。運動神経が麻痺し、運動が不自由になる状態で流行性や脳性の小児麻痺にみられます。
ただし運動麻痺では知覚麻痺もともなうものが多く、脳卒中・糖尿病・坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)・パーキンソン病が原因の場合もあります。
漢方の素人療法では不仁(ふじん)を対象にする
運動麻痺を痿(い)、しびれを不仁といって区別しますが、素人療法ではしびれ感を対象にします。
手足のしびれに効く漢方薬
八味丸(はちみがん)
下半身の麻痺によく用います。
脊髄性のもので、歩行困難の場合でも治ることがあります。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
産後の脚気で、歩行不能のものに。
十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
多発性神経炎のしびれによく効きます。
桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
貧血性、冷え症の虚弱体質に用います。