【薬剤師の本音】洗顔料の選び方とその理由は、とても意外なものだった
普段使用する洗顔料は、どのように選んでいますか?
先日、あんしん漢方薬剤師の先生方とスタッフ6名で普段使用している洗顔料について、座談会を行いました。今回はその内容をもとに、”薬剤師が語る製品選びのポイント”について解説します。
<座談会参加メンバー>
あんしん漢方薬剤師:竹田、平野、小幡、宗永
健タメ!スタッフ:城間、佐藤
目次
洗顔料を選ぶのはなかなか大変…
洗顔料は毎日使用する生活に欠かせない必需品です。世の中にある膨大な種類の中から1つを選ばなければならなくて、価格や見た目、使用感…など、選び方は人によって異なります。
城間:薬剤師さんといえば、薬や化学の専門家のイメージがあります。洗顔料を選ぶ際も入っている成分をしっかりチェックしたり、どのように商品を選んでいるのかすごく気になります。
洗顔料の選び方
実際に座談会の中で繰り広げられた、洗顔料の選び方を項目ごとに紹介します。
成分を見て選ぶ
薬剤師 小幡:杏の種の粉で作られたスクラブ入り洗顔を使用して肌トラブルに見舞われた経験があります。天然のものなので大丈夫だと思っていたのですが、肌のヒリヒリ感に見舞われ大変でした。
天然成分と聞けば体に優しく良いものとイメージされがちですが、例えば、「自然化粧品」と表記されていても、合成成分無添加ということではなく、国が指定する成分を使っていないというだけのことです。実際には、フェノキシエタノールなどの合成防腐剤が使用されている場合もあります。
しかしながら、必ずしも化学合成された成分全てが良くない訳ではありません。肌馴染みを良くしたり、肌を守る働きを兼ね備えた『肌のことを考えた商品』も存在します。
薬剤師 平野:もともと、ニキビ肌に悩んでいましたが、ニキビに有効とされる成分のサリチル酸が配合された洗顔料を使用して症状が改善されました。
サリチル酸は、ニキビ改善効果が期待できる成分の一つです。サリチル酸は、角質を軟らかくする作用や殺菌作用があり、これがニキビの悩みにおいては、重要な作用となります。そして、ニキビの原因となるアクネ菌の増殖を抑制する働きも期待できます。
自分の肌質にあった成分を知ることが大切
薬剤師 小幡:店頭に置かれている商品のパッケージやPOPで興味を惹くワードがあってもそれをあまり鵜呑みにはしないです。きちんと自分の肌に合うものを使いたいので、そこを重視しています。
例えば、乾燥肌の人や乾燥しやすい地域に住んでいる人は、保湿力の高い製品が選ぶ際のポイントになってきます。高い保湿効果が期待できる成分としては、セラミドなどが有名です。乾燥肌の人は、洗顔によって肌の水分と油分が洗い流されてしまい、肌が乾燥しやすい状態になってしまいます。水分と油分のバランスを保つためにも、保湿成分が配合されたものを選ぶことが大切です。
製品のタイプを見て選ぶ
薬剤師 中田:洗顔は泡タイプを愛用しています。ワンプッシュで泡が出てくるので、ネットで泡立てる必要もなく手軽さと使い心地が気に入っています。浸透力や洗い上がりが良い気がします。
泡タイプの洗顔料は、泡立てる時間がもったいないという方には時間短縮につながります。また、クリームタイプと比較すると、きめ細かい洗い上がりが期待できる反面、製品によっては、さっぱりしすぎてしまうということも考えられます。
ニキビ対策には「医薬部外品(薬用)」を選ぶ
薬剤師 中田:選ぶ基準としてわかりやすい表示としては医薬部外品(薬用)か、そうでないかが目安として良いのではないでしょうか。
城間:薬用の洗顔料は、ニキビ対策用としてよく見かけます
医薬部外品(薬用)とは、厚生労働省に効果が認可された有効成分を配合し、予防や衛生を目的として作られているもののことです。医薬部外品のニキビ向け洗顔料を選べば、肌荒れを防止や炎症を抑える有効成分が一定量配合されていて、ニキビ予防の効果がある製品という目安になります。
「どの洗顔料か」よりも「洗顔方法を重視する」
薬剤師 竹田:今までに、ブラシを使った洗顔やスクラブ入りのものなど、本当にいろいろな洗顔方法を試してきましたが、今はクレイ洗顔で落ち着いています。やっと、洗顔難民から脱出できました。
どんなに良い洗顔料を使用しても正しい使い方をしなければ肌トラブルに繋がる可能性があります。角栓ケアの目的で、スクラブ入りの洗顔料や洗顔ブラシを毎日使用することは肌が敏感な人にとっては、逆に肌を傷つけてしまうことがあります。
さまざまなポイントから、自分に合った商品を見抜く力が必要
薬や化学の専門家である薬剤師の方々でも、パッケージの裏面の成分表示をしっかり確認した上で商品選びをしているわけではなく、主成分を見て、あとは肌悩みや使用感を重視されている印象を受けました。
ただ、自分のライフスタイルに合ったアイテムを上手く使用しているということ、そして、自分の肌質に合うものを使うことで肌トラブルになりにくい工夫をしていることがわかりました。
あなたはどのように洗顔料を選んでいますか?
自分に合った洗顔料で正しく洗顔すれば、肌トラブルに悩まされにくくなります。
座談会の様子は、下記リンクから確認することができます。ぜひ参考にしてみてください。
<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 中田 早苗
お薬最適化薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。
「生涯健康で楽しく」をスローガンに病気を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
また、「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーにお薬の選び方を広める活動も行っている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/
●MedicalHealthチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UC7XLi90xVGs_NnKhowC0G2w/videos