憂うつな気分から抜け出せない原因と対処法

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憂うつな気分になったことはありますか?大切な発表の前や試験の前など、少なからず憂うつな気分になったことがある人は多いでしょう。しかし、憂うつな気分がずっと続き、憂うつな気分からなかなか抜け出せない場合は注意が必要です。ここでは憂うつな気分から抜け出せない原因と対処法について詳しく見ていきましょう。

憂うつな気分から抜け出せないのはなぜ?

うつな気分が続き、なかなか抜け出せないときは、次のような原因が考えられます。

仕事や人間関係のストレス

仕事や勉強、人間関係など、自分自身が関わっている生活の上で、大きなプレッシャーや負担を感じるような場面がある場合には、それがストレスとなっている可能性があります。

仕事で大きな取引を任されたものの、ノルマをうまく達成できない状況になってしまうと、それがプレッシャーとなって、心がつぶされそうになります。

また、大事な発表があるのになかなか捗らない場合、受験を控えているのに勉強がはかどらない場合なども大きなストレスを感じてしまうのではないでしょうか。

さらに、人間関係においてうまくいかなかったり、失恋してしまったり、喧嘩してしまったような場合においても、心はどんどん疲れてしまいます。

身体的な疲労

心と身体は密接につながっており、身体的な疲れがある場合、何もしたくないと感じることがあります。仕事で忙しくしていて、毎日終電に乗って帰宅しているような状態であれば、少しずつ疲れは蓄積していきます。そのような状況においても結果を求められてしまうのであれば、どうしても身体にまで疲れは及んでしまいます。

環境の大きな変化

特に大きなストレスを感じる場面や肉体的な疲労を起こす場面がなかったとしても、環境の変化によって心が疲れたり、何もしたくないと感じることがあります。

環境の変化は、自分が感じている以上にストレスであり、転勤や入学などは、結果を出せるだろうか、友達とうまくやっていけるだろうかなどと、知らず知らずのうちにプレッシャーとなっていることがあります。引っ越しに関しても、地域に馴染むまではわからないことが多く、緊張してしまうものです。

上記に挙げるようなことが原因となり、憂うつな気分から抜け出せなくなります。人や物事などに関心がなくなり、生きる意欲や仕事や勉強も手につかない状態のことをうつ状態といい、この状態が2週間以上続く場合、うつ病と診断されることもあります。

憂うつな気分から抜け出せないときの対処法

心が疲れた、何もしたくないという憂うつな気分を感じるのは、上記に挙げているように心が疲れを感じているときです。そのため、心がリラックスできるような取り組みが必要になってきます。

無理せず休息を取る

何もする意欲がわかない、心が疲れているという状態のときには、いったん疲れてしまうものから離れるようにすることが大事です。しっかりと休息をとって、回復を感じられるようになったら、また取り組んでみるようにしてみましょう。

疲れを感じているときに仕事や勉強などに取り組んでも効率が悪く、さらに自分自身の疲労が積み重なる、という悪循環になってしまいます。

生活リズムを意識して、睡眠時間をしっかり確保する

仕事などで忙しい人であれば、生活リズムを整えることによって、心の疲れを取り除くことができます。早寝早起きを基本として、しっかりと睡眠をとるようにします。

ゆっくりと入浴してリラックスするようにし、就寝の2時間前までに入浴を済ますようにすると、入眠しやすくなります。三食きちんと摂り、暴飲暴食は避け、栄養バランスも考えた食事を心がけるようにしましょう。

適度な運動を心がけて、心身のリフレッシュに取り組む

心が疲れているときには、適度な運動に取り組むことによって、心身をリフレッシュさせることができます。ウォーキングやジョギング、ストレッチ、ヨガなど軽めの運動であれば、全身の血流を改善し、心身の疲れを取り除くことができます。

注意が必要なサイン

ある程度体を休めたり、しっかりと寝ても取れない疲れは精神面での疲労かもしれません。肉体的な疲労は、適度な睡眠と身体を休めることで回復します。しかし、精神面の疲労は蓄積していくと、慢性的な不調や病気につながる場合もあるため、注意が必要です。

些細なことが気になる

家を出た後に「カギ閉めたかな?」と玄関に戻ってしまう、布団に入った後に「明日の予定どうなっていたかな?」と起きてきて確かめてしまうといった、ちょっとしたことが気になるのは、ストレスサインの一つです。

普段から心配性の方は、性格的に傾向が大きいと思われますが、今まであまり気にならなかったことが急に心配になり出すようであれば、イエローカードです。気持ちにゆとりがなくなってきています。

胃腸の調子が悪い

体と心は、必ず連動しています。ビックリすると心臓がドキドキしますし、腹が立つと血圧が上がるなどのように、心の変化は体に直接変化をもたらします。そんな中でも、最も影響を受けやすいのが胃腸だと言われています。

緊張するとお腹が痛くなる、心配事があると胃が痛くなるという経験をされたことがある方も多いかと思います。食べ過ぎでも飲み過ぎでもなく、特段の疾患があるわけでもないのに胃腸の不調が続くときは、心に負担がかかっている証拠です。

頻繁に手を洗いたくなる

頻繁に手を洗いたくなる行動もストレスサインの一つです。もちろん汚れたら洗いたくなるのは当たり前ですが、そうでなくても一日に何回も手を洗わずにはいられない、誰かが触ったものを汚いと感じるなどが見られる場合には注意が必要です。飽和し始めた心理ストレスがこうした行動に表れます。

上記に挙げたような兆候が見られたら、積極的にリフレッシュを取り入れたり、スケジュールを見直したりする必要があります。

いかがでしたでしょうか。憂うつな気分には誰しもがなるものです。しかし、憂うつな気分が続いて抜け出せなくなると心が疲弊していき、ときにはうつ状態にまで陥ってしまいます。そうなる前にご自身で対処をして、憂うつな気分から抜け出せるようにしましょう。

白水寛理

九州大学病院 脳神経外科 医師   九州大学大学院医学研究院脳神経外科にて脳神経学を研究、高血圧・頭痛・脳卒中など脳に関する疾患に精通。臨床の場でも高血圧、頭痛、脳卒中など脳に関する治療にあたる。 日本脳神経外科学会、日本脳卒中学会、日本小児神経学会、日本てんかん外科学会、日本脳神経血管内治療学会に所属。

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