すっぴんで顔が赤くなる!「赤ら顔」の原因と対処法

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「赤ら顔」が気になるけど原因がよく分からないという方もいらっしゃることでしょう。ここではどのような原因で顔が赤くなるのか、そして、どう対処したらよいのかについて解説します。

「赤ら顔」の原因

赤ら顔になっている場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。おもに2つ原因があり、1つは皮膚自体が薄くなってしまう場合、もう一つが血管が増えたり血流が多くなっている場合です。それぞれどのような機序なのかをみていきましょう。

皮膚自体が薄くなっている

病的なものではありませんが、皮膚が薄くなると肌は赤くなってきます。

まずは皮膚の構造について簡単に説明しましょう。皮膚というのは3層構造をしています。

一番浅い層が表皮です。表皮は、一番深いところにある表皮の細胞が細胞分裂をし、古くなった細胞からだんだんと浅い層へと移動する事で構造を維持しています。

次の層が真皮層です。真皮は、皮膚のなかでも機能をさまざまに持っている層です。血管が走行していて表皮の細胞に栄養や酸素を届けたり、皮膚の感覚を検知するためのセンサーが存在したりと、皮膚の機能を維持するための層になります。

最後の一番深い層が皮下組織です。皮膚というと真皮までと考える事もあるのですが、多くの場合は皮下組織までを含めて皮膚として取り扱います。皮下組織には血管の他、脂肪が蓄積されており、クッションとして働いたり、脂肪として栄養をため込んで栄養不足の際に栄養源として使用できるように貯蔵庫としても働いています。

皮膚が赤く見える場合、多くの場合は皮膚が薄くなってしまうことで血管が透けて見えてしまっているのです。真皮層の厚さはほぼ変わりませんから、表皮層が薄くなってしまって皮下組織の血管が良く見えるようになり、赤く見えるのです。

皮膚が薄くなる原因としてはいくつかありますが、多いのは遺伝や体質です。アトピーなどで皮膚が弱くなっていることもよくあります。他には摩擦によって摩耗して皮膚が薄くなってしまったり、乾燥によって皮膚のダメージが蓄積することで薄くなってしまったりします。

血管が増えたり血流が増えたりしている場合

ニキビができたり、何らかの菌に感染してしまうことで皮膚が赤くなってくることがあります。これは、血管が増生している事によって起こってくる変化です。

ニキビや菌の感染が起こると、皮膚に炎症が起こります。炎症が起こると、細菌の増殖を防ごうと免疫細胞が集簇してきます。また、免疫細胞は更に免疫細胞が集まって来やすいように毛細血管を増生させ、血流を良くします。

この状態を、皮膚表面から観察すると、赤く見えてくるのです。

あるいは、一過性の変化としては気温の変化やストレスなどによって皮膚血管を流れる血液の流れが変化してくることがあります。特にこのような変化で、血流が多くなってくると皮膚が赤く見えてくることもあります。

「赤ら顔」をきたす主な疾患や原因

ここからは、実際にどのような病気や原因で顔が赤くなるのか、よくみられるもの3種類を紹介しましょう。

日焼け

誰もが経験したことがあると思いますが、日焼けでは肌が赤くなってきます。日焼けというのは医学用語で言うと「日光皮膚炎」で、その名の通り日光が原因で皮膚に炎症が起こってくる事で発症します。

日焼けは、一度に大量の紫外線を太陽から浴びることによって皮膚の細胞が傷ついて、火傷のような状態となってしまいます。皮膚に火傷が起こると細胞を修復しようとして炎症が起こってきます。炎症が起こると先ほど説明した通り、血管が増生して赤く見えてくるのです。

軽い症状であれば赤みだけで済みますが、重くなってくると水ぶくれやヒリヒリしたいたみなど、強い炎症の症状が出てきます。

毛細血管拡張症

毛細血管拡張症というのはその名の通り毛細血管が拡張してくる病気です。さまざまな場所で起こりますが、特にほっぺの部分で起こってくると、赤ら顔の原因となってきます。

原因ははっきりしていませんが、ほとんどの場合生まれつきのものと考えて良いでしょう。また、普段はそこまで拡張していなくても、飲酒や温度差、精神的な状態によって急に毛細血管が拡張しやすくなり、赤ら顔となってくる場合もあります。

毛細血管拡張症自体が何らかの症状を引き起こすことはほとんど無く、また改善させる方法もなかなかないため、基本的には様子見をするしかありません。

酒さ

「しゅさ」と読みます。酒さとは、紫外線や食事、温度変化や飲酒などが刺激となって顔面の毛細血管が拡張します。これによって赤みが出てくる症状になります。赤みにも特徴があり、顔に起こりやすい、繰り返しほてりの症状とともに赤みが出る、ほおや鼻、顎、眉間などに境界が不明瞭な赤みがみられるといった症状が挙げられます。

また、このような色むらの変化は一過性に変化すると言うよりは、一度変化すると長い期間にわたって赤みが続くのが特徴です。特にひどく悪化すると、常に顔の赤みが続き、ニキビができてくる事もあります。

酒さは症状の出方から大きく4つの病型に分類されます。

1つ目が紅斑毛細血管拡張型で、顔が赤くなるのに加えて毛細血管拡張が認められるものです。基本的な酒さと言えます。

2つ目が丘疹膿疱型です。この場合、全体が赤みを帯びるのに加えて、ニキビのようなブツブツもできてくる場合です。紅斑毛細血管拡張型から変化してくる場合があります。

3番目が鼻瘤型で、鼻がデコボコと肥大するタイプです。この場合、毛穴が目立ってくるという特徴もあります。

4番目が眼型で、眼の周りの腫れにくわえて、眼の感染症状が出てきます。眼の感染症状としては結膜炎や角膜炎がみられます。

いずれにしても、さまざまな因子によって悪化してくることが多く、特に紫外線によって悪化する事が多いため注意が必要です。

すっぴんで顔が赤くなる場合の対処法

では、顔が赤くなっていることに気づいた場合、どのように対処すれば良いのかを解説します。

生活習慣の見直し

先ずは生活習慣を見直しましょう。

非常にシンプルに考えると、皮膚が赤くなる場合どのような原因であっても皮膚自体のダメージが蓄積しやすいときに、紫外線の刺激が起こったり、肌に負担がかかったりした場合に皮膚が赤らみやすくなります。

そのため、皮膚が健常でいられるように栄養に気を遣い、保湿をしっかりする事で肌のバリア機能を強く保つことが大事です。

また、その上でダメージを少なくするために肌に強い力を加えないようにし、紫外線もなるべく避けるようにしましょう。

市販薬の活用

一般的に肌をケアするための市販薬が有用となる事が多いです。特に乾燥がある場合には、保湿剤を使用することで皮膚のバリア機能を強くして、多少のダメージでは肌が赤くならないようにする事が期待できます。

また、痛みやかゆみがあるなど、炎症が関与していると考えられる場合には、ビタミンCが配合された化粧水を使用する事で肌の修復を助け、赤みの改善を期待することができます。

病院を受診した方がよい場合とは

上記の様に市販薬でも対処できることはありますが、肌が赤くなる原因がはっきりしない場合、早めに病院を受診した方が良いでしょう。

毛細血管拡張症であれば治療法はありませんが、酒さであれば治療が遅くなればそれだけ炎症が進行してしまい、治療をしても跡が残ってしまうことがあります。そのため、赤みを帯びてもなかなか引かない場合は、早めに受診して診断を受けておくことをおすすめします。

特に、紫外線を浴びて赤みを帯びた後、一週間以上変化がない場合は日焼けではなく酒さである可能性が高くなりますし、その他にも紫外線以外の刺激で赤みを帯びるような場合は酒さを疑いますから、病院を受診するようにしましょう。

郷正憲

徳島赤十字病院 麻酔科 郷正憲 医師 麻酔の中でも特に術後鎮痛を専門とし臨床研究を行う。医学教育に取り組み、一環として心肺蘇生の講習会のインストラクターからディレクターまで経験を積む。 麻酔科標榜医、日本麻酔科学会麻酔科専門医、日本周術期経食道心エコー認定委員会認定試験合格、日本救急医学会ICLSコースディレクター。 本名および「あねふろ」の名前でAmazon Kindleにて電子書籍を出版。COVID-19感染症に関する情報発信などを行う。 「医療に関する情報を多くの方に知っていただきたいと思い、執筆活動を始めました」

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