頭痛薬が効かないのはなぜ?よくある理由と対処法を解説
頭痛薬を飲んだのに全然痛みがひかない、どの頭痛薬を飲んだらいいのかわからない。そんな経験がありませんか?ここでは頭痛薬が効かない理由と対処法ついて詳しくみていきましょう。
目次
頭痛薬が効かない理由
頭痛薬が効かない原因としては次の3つが考えられます。
服用するタイミングが悪い
薬の服用のタイミングは非常に重要です。通常は痛みが出現し始めた1時間以内に飲むが良いとされています。痛みを我慢することによって、体の中で痛みの原因物質が増加してしまい、鎮痛薬が効かない場合があります。痛みを感じ始めたらすぐに服用するようにしましょう。
薬を使い過ぎている
鎮痛薬を使用することが1か月に10回以上を超えた場合には、薬物乱用頭痛になるリスクが上昇します。過度に鎮痛薬を使用すると、神経が過敏になりかえって頭痛が悪化する場合があります。
薬物乱用頭痛の症状としては、ひと月の半分以上の間を締め付けられるような持続的な頭痛で苦しみ、加えて片頭痛のような発作性の激しい頭痛が起こることもあります。
市販の鎮痛薬や急性治療薬の使用を繰り返すうちに、徐々に薬が効かなくなり、薬の種類を変える・量を増やすなどしても効果が乏しく、ほぼ毎日のように薬を服用する方も珍しくありません。
薬物乱用頭痛に苦しむ方は、そうでもしなければ痛みに耐えることができず、生活もままならない状態だからこそ鎮痛剤を乱用するのですが、そのうちほとんどすべての市販薬が効かなくなるか、効いたとしてもほんのわずかな時間だけになってしまいます。
市販薬を服用しすぎる人の特徴としては、中度〜重度の片頭痛に悩まされた結果、仕事や学校、家事などの社会生活を行うため、早めに鎮痛剤を使用する癖がついたり、服用量が増えてしまったりという傾向があります。
中度〜重度の片頭痛は、寝込むほどの痛みを感じる方がいらっしゃるため、鎮痛剤に頼り切ってしまう方も多いようです。しっかりと治療するためには、頭痛ダイアリーをつけるなどじゅうぶんな服薬管理が重要となってきます。薬物乱用頭痛は、薬をやめると2週間程度で治っていきます。
薬が合っていない
頭痛薬にはさまざまな種類があり、効果の強さや効き方、作用時間等もさまざまです。数ある頭痛薬のなかから自分に合った薬を探していくことも大切です。いつもの頭痛薬とは異なる頭痛薬を試しても症状が改善されない場合には、重大な病気が潜んでいるかもしれません。服用をやめて速やかに脳神経外科を受診しましょう。
頭痛薬の種類
頭痛薬の種類を確認しておきましょう。薬によっては副作用を伴うことがあります。
アセトアミノフェン
脳の中の発熱や痛みの情報を伝える物質を抑える作用があることから、頭痛の症状緩和に利用できます。子どもや妊婦・授乳中の方でも使用でき、胃腸の影響が少なく、眠気を起こさないことが特徴です。内服では1〜2時間後で血中濃度が最高に達し、8時間で血中から消失します。
副作用:肝機能障害
アセトアミノフェンは肝臓で代謝される薬であり、長期間、多くの量を使用すると肝機能障害を起こすことがあります。アルコール肝炎など肝機能が悪い方は注意が必要です。
他の薬剤の作用増強や減弱
薬の代謝の関係でリチウム製剤や一部の高血圧の薬、ワルファリンなどの作用が増強したり、減弱したりすることがあります。薬の併用が可能か、内服している薬剤を医師に報告して確認するようにしましょう。
非ステロイド抗炎症薬
炎症が起きているときに作られるプロスタグランジンなどの活性物質を抑制することによって、解熱作用、鎮痛作用、抗炎症作用が発揮されます。ロキソニンやジクロフェナク、インドメタシンなど多くの薬剤が内服薬、注射薬、外用薬として使用されています。日常的によく使われる薬剤です。
副作用:胃潰瘍
プロスタグランジンは胃粘膜を保護する作用があります。そのため、非ステロイド抗炎症薬によりプロスタグランジンの合成が抑制されることによって、胃潰瘍が引き起こされる危険性が上がります。長期間にわたり内服する場合には胃薬を併用することが望ましいです。
副作用:腎機能障害
同じようにプロスタグランジンなどの抑制により腎血流が低下することや薬剤自体の副作用の可能性が考えられています。もともと腎機能が低下している方や多数の薬剤を内服することが危険因子であり、用法用量を守って内服することが必要です。
副作用:喘息
詳しいメカニズムは解明されてはいませんが、薬剤に対する過敏な反応と考えられています。アスピリン喘息とも言われます。
トリプタン系製剤
トリプタン系製剤は片頭痛発作急性期の治療薬です。
トリプタンは、血管壁に存在する受容体を刺激することにより、炎症に伴って拡張した血管を正常な太さに収縮させます。また、三叉神経に存在する受容体に作用し、神経自体を鎮静、正常化させて、炎症性物質の放出を抑制することで効果を発揮します。
副作用
中枢神経系としては、めまいやしびれ、頭重感、倦怠感、脱力感、眠気などがあります。
消化器系としては、悪心、嘔吐、循環器系としては動悸、一過性の血圧上昇、胸部圧迫感などがみられます。特に胸部圧迫感は比較的多く、トリプタン特有の副作用として報告されています。内服後30分以内に出現することが多く、その後時間経過により自然に軽快していきます。
頭痛を和らげるには?薬以外の対処法を紹介
頭痛発作時には医師に相談して適切な薬を服用することが大切です。同時に、次に紹介する薬以外の対処法を知っておくとよいでしょう。
片頭痛の場合
片頭痛の場合は安静にして、頭を冷やすことで症状の緩和を期待できます。
安静にする
片頭痛で立っているだけでもつらいときは横になり部屋を暗くして安静を保つのがよいでしょう。状況が許せば、そのまま眠ってしまうのが一番です。適度に睡眠をとることは、過敏になった脳を鎮痛させ、拡張した血管を収縮させる働きがあるかもしれないと考えられています。もちろん状況によっては寝ることができない場合もあるでしょう。そのような場合には、座って安静にするだけでも効果はあります。
頭を冷やす
頭を冷やすことによって痛みを軽くできる場合もあります。頭を冷やすには、保冷パックや氷まくらなどをタオルで包んで、頭の下に敷くようにしましょう。また、何か冷たいものや冷却シートなどを額に乗せる方法もあります。
その他、アルコールの摂取を控える、光や騒音などの刺激を避ける、精神的なストレスを減らす、カフェインを摂取するなどがあります。
緊張型頭痛の場合
緊張型頭痛は筋肉の緊張によるものなので、ゆっくりストレッチする、痛みがある部分を温める、マッサージをするなどすることで頭痛が改善することがあります。枕を高くしすぎると頭痛が生じやすくなってしまいます。
いかがでしたでしょうか? 頭痛はきついものです。鎮痛薬が効かない場合なおさらどうしたらよいかわからなくなってしまいます。服用するタイミングや頭痛薬の種類を変えたり、薬以外の対処法を試したりして、自分にあった頭痛に対する対処法を見つけてみましょう。