不整脈との違いは?動悸を感じたときの過ごし方と病院を受診する目安
動悸とは、心臓の鼓動が普段よりも大きく強く感じたり、早く感じたりする症状のことです。
一方、不整脈は動悸の原因となる代表的な病気の一つです。ここでは動悸と不整脈の違いや、病院を受診する目安について解説します。
動悸と不整脈の違い
動悸と不整脈にはどのような違いがあるのでしょうか? 動悸と不整脈についてそれぞれ詳しく見てみましょう。
動悸とは
動悸とは、心臓の鼓動が普段よりも大きく強く感じたり、早く感じたりする症状のことを指します。
1日あたりの拍動の回数は約10万回といわれています。
拍動は基本的には一定のリズムで起こり、日常生活の中で意識することはほとんどありませんが、急に心臓がバクバクと大きく感じたり、脈が飛んだり乱れたりする感じがすると「病気なのではないか」と不安に感じることでしょう。
「動悸」と一口に言っても、問題のないものから、命にかかわる重篤な病気が隠れているものまでさまざまです。
動悸の原因によっては、胸の不快感や痛み、息苦しさや息切れなどの症状が合わせて起きることもあります。動悸はよくある症状であり、心疾患や病気がなくても起こることもあります。
動悸の感じ方は人によってさまざまです。具体的には、脈拍数の増加、心臓の拍動の自覚、脈が飛ぶ、あるいは乱れるなどの症状を自覚することがあります。
このように、心臓が強く脈打つように感じたり、脈が速くなったり、飛んだり乱れたりするように感じられる症状を総称して動悸と呼びます。
動悸を引き起こす原因としては、不整脈、不整脈以外の心臓の病気、貧血やホルモン分泌の疾患、高血圧、低血圧、薬の副作用、カフェイン・アルコールの摂取、ストレスなどが挙げられます。
激しい運動をした時や緊張した時などに、一時的に強い拍動を感じることは通常の反応であり、問題ありませんが、動悸症状が長い期間続く、あるいは動悸以外の症状(息苦しさや倦怠感など)が合併している場合は、一度医療機関で検査をしてみるようにしましょう。
不整脈とは
一般的に、正常な脈拍数は1分間に60〜100回とされていますが、何らかの原因により脈拍が一定でなくなる状態のことを不整脈といいます。
具体的には「脈が速い(頻脈)」「脈が遅い(徐脈)」「脈が不規則」などが挙げられます。
心臓は、全身に血液を送り出すポンプとしての役割を担っていて、脈拍のリズムは、右心房の「洞結節」から出る電気によって決まり、電気は心房を通って「房室結節」に辿り着くことで心室を動かして血液を全身に送り出しています。
心臓は1日に約10万回動いているのですが、その中で一回でも乱れたものがあれば、それは不整脈とされていて、不整脈そのものは、健康な人でも気が付かないうちに起こっていることもよくあります。
不整脈の種類
不整脈には次に挙げるような種類があります。
頻脈不整脈
頻脈不整脈は、脈が速くなる不整脈のことです。
頻脈不整脈では、胸がドキドキする感じ・息がしにくい感じ・めまい・立ちくらみ・失神などの症状があらわれることがあります。
頻脈不整脈の場合、脈拍数は1分間に120回以上、多くなると400回にも及ぶケースもあります。
このように脈拍が異常に早くなってしまうと心臓は動きが伴わず、血液を全身に送り出すことができなくなってしまいます。
頻脈不整脈の中でも、「心室細動」と「心室頻拍」という心室の異常の場合は、突然死につながる恐れが高まります。
徐脈不整脈
徐脈不整脈とは、脈が遅くなる不整脈のことです。
徐脈不整脈では、めまい・失神・過度の疲労感・息切れなどの症状があらわれることがあります。
徐脈不整脈の場合、脈拍数は1分間に60回未満となります。このように脈拍が遅くなってしまうと、必要な酸素を体中に行き渡らせることができなくなってしまいます。
命にかかわるケースは少ないのですが、日常生活に支障をきたすことがあるので注意が必要です。
期外収縮不整脈
期外収縮は正常なリズムの中に時々不規則な拍動があらわれるものをさします。不整脈の中でも最も多く発生するものです。
期外収縮は、主に洞結節ではない別の場所から電気が早めに出てしまうことが原因となり発生します。
脈拍を測っている途中に脈が飛んだと感じたり、胸がドキドキする・胸がつまるような感じがするなどの自覚症状があらわれることもあります。
期外収縮を指摘された人のうち、およそ95%は治療の必要がないといわれていますが、期外収縮は、心筋梗塞や心筋症でも発生することがあり、その場合は危険な不整脈に移行することがあるので注意が必要です。
病院を受診する目安
動悸は特に治療の必要のないケースも多いですが、重大な病気が隠れていることもあるため、気になる症状があれば医療機関を受診し、適切な検査・治療を受けるようにしましょう。
特に、胸の痛みや圧迫感、息切れの症状がある、脈拍数が1分間に120回以上、もしくは45回未満である、家族に心疾患や突然死、繰り返す失神、けいれん性疾患の病歴がある、運動による動悸で意識消失症状があるときは、早めに医療機関を受診する必要があります。
動悸の症状があっても、必ずしも治療が必要だというわけではありませんが、検査の結果、動悸を起こす原因となる病気が見つかった場合や、動悸の症状により日常生活に支障をきたす場合などは、原因に応じた治療が行われます。
一般的に病院を受診することが望ましい目安として、強い動悸やめまいを覚える、また安静時に胸痛や息切れを自覚する、そして立ちくらみや意識障害などの症状や所見を認めることが挙げられます。
不整脈は早期発見することで病状の悪化を防ぐことができますし、最悪の場合として考えられる突然死を未然に予防することにも繋がりますので、特に家族や親戚で心臓病を患っている方がいる場合や突然死した人が存在する際には前向きに受診しておきましょう。
不整脈の治療
動悸や不整脈の治療としては、主に薬物療法(抗不整脈薬や抗凝固薬など)、電気的除細動やペースメーカーの埋め込み、カテーテルアブレーションなどがあります。
他にも、服薬している薬の影響による動悸であれば薬の中止・変更などが検討される、あるいはカフェインやアルコールの過剰摂取があれば、それらを辞めるための生活習慣の改善が求められます。
まとめ
これまで、動悸と不整脈との違い、動悸を感じたときの過ごし方と病院を受診する目安などを中心に解説してきました。
脈が遅くなる(徐脈)、脈が速くなる(頻脈)、脈が不規則になる(期外収縮)などを総称して「不整脈」と呼びます。
不整脈の多くは特に治療の必要のないものですが、稀に命にかかわるものもあります。心配な方は循環器内科や不整脈外来など専門医療機関を受診して相談しましょう。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。