低血圧にはコーヒーが有効!アルコールは良くない?

お悩み

立った時にふらつく、いつも体が重い、といった低血圧に悩まされている方はいませんか? 

低血圧はどのようにしたら改善するのでしょうか。ここでは低血圧の対処法を取り上げ、コーヒーやアルコールの影響などについて詳しく見ていきます。

低血圧はどんな状態?

一般的に低血圧とは、収縮期血圧(上の血圧)100mmHg以下、拡張期血圧(下の血圧)60mmHg以下の状態をいいます。低血圧になると血圧が低下して血の巡りが悪くなり、さまざまな症状が現れます。立ちくらみやめまいを訴える方が多く、頭痛や倦怠感などの症状に悩まされる方もいます。

低血圧にコーヒーが有効な理由

コーヒーには血液の流れを良くする成分が含まれています。コーヒーに含まれているカフェインには心臓の働きを活発にさせ、血液循環を良くする効果があります。

毛細血管を広げ血液の流れがよくなることにより、全身の体温を上げてくれますので、冷え性や低血圧の方によいと言われています。

とはいえ、効果があるからといって飲みすぎるのはよくありません。成人はコーヒー1日3杯を目安に摂取するようにしましょう。また、カフェインには覚醒作用もあるため、就寝前の飲み過ぎに注意しましょう。

低血圧にアルコールが良くない理由

飲酒をすると、アルコールが体内に吸収されて変化するアセトアルデヒドによって血管が拡張するため、血圧が低下してしまいます。もともと低血圧の場合、さらに血圧が下がるため症状を起こしやすくなります。

その反対に、メカニズムは明らかになってはいないものの、長時間の飲酒は血圧を上昇させ高血圧の原因にもなり得ます。

急に禁酒にするとストレスも溜まるため、ストレスなく禁酒をするために、ノンアルコール飲料に置き換える、炭酸水を取り入れる、お酒の買い置きをしないといった工夫をすることをおすすめします。

低血圧を改善するポイント

低血圧の原因は、生活スタイルによるものも多くあります。偏った食事や睡眠不足、ストレス過多、運動不足などにより、低血圧が引き起こされることもあるため気をつける必要があります。

低血圧を根本的に改善したい場合は、生活習慣を見直すことが大切です。具体的に見ていきましょう。

しっかり休養する

過度な疲労は自律神経を乱すため、低血圧を引き起こすことがあります。疲労・ストレスは自律神経の乱れの原因となり、身体的・精神的な負担がたまっていると感じる場合は、ゆっくり心身を休めることを心がけましょう。

また、早寝早起きを基本に睡眠時間を確保して、規則正しい生活に近づけていくことが大切です。

運動習慣を取り入れる

低血圧の方は、筋肉量が少なかったり、長時間経つのが困難だったりする場合があります。

そのため、適度な運動は低血圧の改善に効果的とされています。身体を動かすと全身の血行がよくなり、血圧が改善されやすくなります。おすすめなのは中強度の運動であり、足の筋力をつけることで心臓へ血液が戻りやすくなります。

中強度の運動とは軽い息切れ・うっすら汗ばむ程度の運動のことです。速い速度でのウォーキングや水泳、サイクリングなどが挙げられます。

はじめは無理せずに負荷が少ない運動からスタートし、ペース配分を考えて徐々に増やしていくようにしましょう。好きなスポーツがある方は、ストレス解消をかねて取り組むのもおすすめです。

弾性ストッキングを活用する

足にタイツや弾性ストッキングをはくと、立った時の足への血液貯留を防止できるため効果的です。

水分を多めにとる

水分を多めにとることを意識しましょう。水分をとると、血液の量が増えるため、血圧が上がりやすくなります。水分は水、経口補水液、ノンカフェインのお茶などが適しています。

カフェインは利尿作用を高めるため、コーヒー、紅茶などを大量に摂取することは避けましょう。排尿回数が増えると体内の水分量が減るため血圧が乱れやすくなります。

水分は一度に大量に摂取するのではなく、少量をこまめにとるようにしましょう。

ゆっくりとした動作を意識する

起立性低血圧の方は急に起き上がったり、立ち上がったりすると、めまいや立ちくらみを起こしやすくなります。体を動かすときは、ゆっくりとした動作を意識することが大切です。

また、就寝中は枕などで頭を少し高い位置にして、起床時は起き上がる前に手足を動かして血の巡りをよくしてから起き上がるようにしましょう。

いかがでしたでしょうか。低血圧は普段の生活を意識して変えることで改善できることもあります。まずは生活習慣を見直してみることから始めてみましょう。

白水寛理

九州大学病院 脳神経外科 医師   九州大学大学院医学研究院脳神経外科にて脳神経学を研究、高血圧・頭痛・脳卒中など脳に関する疾患に精通。臨床の場でも高血圧、頭痛、脳卒中など脳に関する治療にあたる。 日本脳神経外科学会、日本脳卒中学会、日本小児神経学会、日本てんかん外科学会、日本脳神経血管内治療学会に所属。

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