息が深く吸えない!自律神経失調症による息苦しさと過呼吸
ストレスがかかると呼吸が浅くなって息がしにくくなります。息を吸おうと何度も呼吸をしてしまい、より一層息が苦しくなってしまいます。これを過呼吸と言います。ここでは深く息を吸えない原因となる自律神経失調症や過呼吸について詳しく見ていきましょう。
目次
自律神経失調症とは
自律神経を構成する交感神経と副交感神経の2つの神経のバランスが保たれている状態が正常となります。ストレスが心身に影響を及ぼすと2つの神経のバランスが崩れ、不調が生じて自律神経失調症となります。自律神経失調症の症状には、大きく分けて身体的症状と精神的症状の2つがあります。
身体的症状
自律神経失調症の主な身体的症状のひとつが手足のしびれとなります。ストレスの蓄積によって筋肉の硬直や血行不良を引き起こし、結果としてしびれ症状を出現させます。
しびれ以外にもめまい・耳鳴り、立ちくらみ、息切れ、慢性的なだるさ、便秘・下痢、手足の震え・しびれ、睡眠の質の低下、肩こり・頭痛などの症状が一時的ではなく、慢性的に発生します。
精神的症状
自律神経失調症の精神症状は、パニック障害・不安障害・不安神経症などと症状が似ています。イライラ、不安感、落ち着きがない、情緒不安定、やる気が起きない、緊張状態などの症状が出現します。また、精神的症状が悪化すると、うつ病の併発リスクが高まります。
息苦しさは自律神経失調症の症状のひとつ
自律神経失調症で息苦しさが起こります。自律神経失調症でなぜ息苦しさが起こるのかというと、自律神経が乱れることによってうまく呼吸器をコントロールできていないからと考えられています。
自律神経は呼吸の速さなどもコントロールしているのですが、自律神経のバランスが乱れると、その機能も低下してしまいます。
過呼吸(過換気症候群)と息苦しさ
過呼吸とは、呼吸を過剰にする事により体に起こるさまざまな症状を指します。医学的には過換気症候群と呼びます。
通常、人間の体には呼吸によって酸素を取り込み、体内の二酸化炭素を外に出しています。呼吸は脳が調整しているため、普段は意識せずとも、吸ったり吐いたりを自然と行えているのです。
このような働きにより、体内の酸素と二酸化炭素のバランスは保たれ、血液中の酸とアルカリのバランスも自然に調節されています。しかし、不安や緊張を強く感じると、心と体が興奮状態になり、呼吸のリズムが浅くなって乱れると息苦しいと感じる状態になり、焦って呼吸を続ける事で過呼吸になってしまいます。
過呼吸になると、血液中の二酸化炭素濃度が低下して体内がアルカリ性に傾き、血管の収縮やカルシウム濃度の低下などもみられるようなります。その結果、めまいやしびれなどさまざまな症状につながります。
過呼吸は10代〜30代の若い女性に見られますが、男性や高齢者にも起きる症状です。精神的ストレスがかかったとき、あるいは反対に、ストレスから解放された安心感がきっかけになることもあります。
それ以外にも、発熱や入浴、激しい運動、注射などが引き金になることがあります。発作はほとんどが15分〜30分程度で治まり、後遺症などもありません。長くとも数時間程度で症状が改善・消失します。
過呼吸の症状の特徴
過呼吸でよく見られる症状には下記のようなものがあります。
呼吸困難
どれほど呼吸してもうまく息が吸えず、酸素が足りないと感じる状態になり、呼吸のリズムが乱れて荒くなったり早くなったりします。しかし、実際に血液中の酸素が不足した状態になることはありません。
頭痛や動悸、めまい
頭痛や動悸も、起こりうる症状です。その他、ふらふら感(めまい)や胸部の圧迫感、吐き気、冷や汗も見られ、ひどくなると失神する場合もあります。
口周りや手足のしびれ
口周りや手・足の指先が、しびれるような状態になることがあります。これはテタニー症状とよばれるもので、筋肉が硬直・けいれんする状態を指し、場合によっては痛みをともないます。
過呼吸になりそうなときの対処法
過呼吸が起きそうになったら、ストレスの原因になっているものから距離をとり、落ち着くことが大切です。
そして、静かに座って、リラックスできる姿勢をとり、ゆっくり呼吸を行います。まず、5秒間息を止め、呼吸を一度落ち着かせます。
次に3秒かけて息を吐きます。この時に息を吐くことに集中します。あわてて息を吸おうとしないことです。これを5分ほど続け、過呼吸がおさまるのを待ちます。
いかがでしたでしょうか。過呼吸が起こるとあわててしまい、呼吸の仕方を忘れてしまいます。そのため、さらに悪化して救急搬送されてくる人が多いです。まずはゆっくりと呼吸することが重要です。呼吸がしづらくなったときは、ゆっくりと息を落ち着かせることを心がけましょう。