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“まず知ること”で妊娠継続を目指す。先進医療「β2GPIネオセルフ抗体検査」に迫る

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「妊娠したのに、また流産してしまった」「不妊治療を続けているのに成果が出ない」

不妊治療の技術は日々進歩していますが、不妊や流産への不安は拭い去れない現状があります。

日本産科婦人科学会によれば、妊娠経験のある女性のうち、38%が流産を経験しているともいわれており、年齢が上がるとその分流産の確率も高くなるとされています。

今回は、流産や不妊の原因の一端として注目されている「自己免疫疾患」に焦点を当て、新たに登場したAOI Biosciences株式会社の『β2GPIネオセルフ抗体検査』について、同社代表であり医師でもある末田伸一さんにお話を伺いました。

不妊症・不育症とは?流産を繰り返す女性たちのリアル

__不妊症や不育症について、あらためて基本的な理解を教えていただけますか?

「はい。不妊症とは、一般的に1年以上妊娠を希望しているにも関わらず、妊娠に至らない状態を指します。不育症は、妊娠はするものの流産や死産を繰り返してしまう状態のことです。

近年では医学の進歩で、体質や免疫、血液の凝固異常など、さまざまな原因が関与していることがわかってきています」(末田伸一さん/以下同)

__「原因が分からない」というのが、患者さんにとって一番つらい部分ですね。

「そうですね。ですから私たちは『まず知ることが重要』と考え、患者さんの不妊や不育症の原因を可視化するのに役立つ抗体検査の提供に取り組んでいます」

 『β2GPIネオセルフ抗体検査』開発の背景と願い

__流産はほとんどが原因のわからないものだという話もよく聞くので、原因の可視化に役立つ検査があるというのは、正直驚きです。御社で提供されている『β2GPIネオセルフ抗体検査』とは、どのような検査なのでしょうか?

「この検査は、不妊症や不育症の一因とされるβ2GPIネオセルフ抗体を、血液中から高感度で測定するものです。

臨床データでは、反復着床不全や子宮内膜症を伴う不妊症患者の約30%、および原因不明の不育症患者の約20%が、この抗体に陽性であることが確認されています。

β2GPIネオセルフ抗体は、近年、不妊症や不育症に関与する新たな要因として注目されるようになりました。
血管内で炎症を引き起こし、血栓が形成されやすくなることで、妊娠の継続や成立に影響を及ぼす可能性があると考えられています」

__検査の開発経緯について聞かせていただけますか?

「この検査は、大阪大学の荒瀬尚教授の研究成果をベースに、AOI Biosciences株式会社が大学より独占的な特許実施権を受け、開発・事業化したものです。

自己免疫疾患の発症に関わる“ネオセルフ”という新しい概念、つまり『体内で、通常とは違う形で生じる自己タンパク質と免疫の関係』に着目し、その抗体の有無を調べることができる世界初の仕組みを採用しています」

__“ネオセルフ”とは、何らかの炎症や刺激によって異常に現れる自己成分ということでしょうか?

「はい。これが免疫系に“異物”と誤認され、体が自己に攻撃をしてしまう可能性がある。その一環で、妊娠の維持に必要な血管や組織が損傷されることがあり、不育症の原因のひとつになることがあると考えられています」

利用者の声と、利用医療機関の広がり

__実際に検査を受けられた方の反応はいかがですか?

「原因がわかっただけでも気持ちが楽になるという方が、多くいらっしゃいます。また、検査を受けることで次の治療方針が見えてくるのも、この検査の特長です。

検査結果をもとに低用量アスピリン療法などの治療を行うことで、妊娠を継続でき出産に至った方も報告されています」

__導入している医療機関はどのくらいあるのでしょうか。

「日本のクリニックでの導入は、2022年初頭から始まりました。まだまだ数は多くありませんが、患者さんがアクセスしやすい体制を整えつつあるといった状況です。

2025年6月に厚生労働省により先進医療Aに認定されたことで、全国の大学病院や専門クリニックでの導入が拡大しています」

不妊治療や妊活に向き合うきっかけに

__専門の検査を受けることで得られるメリットは、どこにあるとお考えですか?

「まず、心の安心や安定が得られる部分は大きいと考えています。結果が陽性でも陰性でも、“自分を知る”ことで治療の道筋が見える。これは心理的なストレスの軽減にもつながります。

また、ご夫婦で検査結果を共有することで、不妊治療や妊活を一緒に取り組むきっかけにもなります。

妊娠を希望するすべての人にとって必要な検査ではありませんが、『なぜ妊娠がうまくいかないのか』という疑問を持ったとき、こうした新しい選択肢を知っておくことは、未来の可能性につながる第一歩になるのではないでしょうか」

自分の体を知ることが、大きな一歩になる

不妊や不育の背景には、見えづらい要因が多く潜んでいます。『β2GPIネオセルフ抗体検査』で
自身の身体への理解を深めることは、的確な医療的対応と将来の選択肢を広げるための重要な第一歩となるでしょう。

<取材協力先>
AOI Biosciences株式会社
代表取締役/臨床医:末田 伸一様
本社・ネオセルフ抗体検査センター所在地:
⼤阪府茨⽊市彩都あさぎ7丁⽬7-20 彩都バイオイノベーションセンター2階
企業サイト:https://www.aoibio.com/
ネオセルフ抗体検査:https://neoself.aoibio.com/

<取材・編集>
健タメ!編集部

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