その不調は内臓冷えが原因かも?!内臓を冷やす原因とセルフケア

漢方基礎知識

冷え症というと手足の冷えや下半身が冷えるという症状が良く知られていますが、案外知られていないのが「内臓冷え」です。「内臓冷え」は手足の冷えのように自分では気が付きにくいことからも、対処が遅れて悪化させてしまいがちです。放置していると胃腸の病気や、膀胱炎、月経不順、不妊などの不調や健康トラブルにもつながりかねません。

そこで今回の記事で内臓の冷えがあるかどうかをチェックし、原因とセルフケアについて学んでみましょう。「内臓冷えが気になっている」「もしかしたら自分も?」と不安に思っている人はぜひ参考にしてください。

内臓冷えとは?重症化するとどうなるの?

冷え症にはいくつかの種類がありますが、大きく次の4つに分けることができます。

・手足が冷える「末端冷え」

・下半身が冷えて頭はのぼせる「冷えのぼせ」

・1年中寒さを感じやすい「全身冷え」

・内臓の温度が通常より低い「内臓冷え」

内臓冷えの場合は、手足は特に冷えを感じなくても体の内側は冷えている可能性があります。人によってはお腹を触ると少し冷たく感じる場合もありますが、触っただけでは確認がしづらい場合も少なくありません。そのため、自分は冷え症ではないと思っていても、実は内臓が冷えているということもあるのです。

内臓冷えでは内臓の温度が37度前後に維持できておらず、35度前後の低めの温度になっている可能性があります。このような状態が続くと、内臓は冷えて様々な不調を引き起こす原因になります。

内臓冷えを放置していると病気を引き起こすことも!

内臓が冷えているといっても、ほとんどの人は実感がないので気づくことが難しいというところが問題です。なぜなら内臓冷えを放置していると、深刻な病気や不調を招くこともあるため、早めに対処することが大切になってくるからです。

例えば、胃腸の冷えは胃腸の血行不良につながり、食欲低下、消化不良や胃炎、便秘などの症状を引き起こします。また冷えることで全身の血の巡りも悪くなって肩こりや頭痛、むくみを自覚することも多いでしょう。

女性の場合は、子宮や卵巣の冷えによって、月経不順や生理痛、さらには不妊になってしまう可能性もあります。さらには、膀胱が冷えることで頻尿や膀胱炎などの症状が起きることも。さまざまな病気や不調を引き起こすことがあるため、内臓冷えを甘く考えてはいけないのです。

あなたは大丈夫?内臓冷えをセルフチェック

自分は大丈夫と思っていても案外あなたも内臓が冷えているかもしれません。そこで次のチェックリストで内臓冷えがあるかどうか確認してみましょう。

・お腹をさわると冷たい

・お腹がぽちゃぽちゃいう

・お腹が痛くなりやすい、下痢しやすい

・下に白い舌苔がついている

・顔が青白い

・生理痛がひどい

・夜中になるとトイレに起きる

・夕方になると足がむくむ

・肩こりやめまいなど原因不明の不調に悩んでいる

いかがですか?もし上記のうち5つ以上当てはまるようであれば、内臓が冷えている可能性が高いと言えます。自分は冷え症ではないと思っていると、内臓が冷えていて重症化することもあるため注意しましょう。

内臓冷えを引き起こす原因

では、なぜ内臓が冷えてしまうのでしょうか?冷えを改善するには、その原因を取り除くことが必要です。原因を取り除かないで表面的に温めていても、冷えを根本的に改善することにはならないのです。まずは、原因を見つけて対処することから始めましょう。

・水分を過剰に摂り過ぎている

・冷たい飲み物(水、ジュース、お酒、お茶など)を飲むことが多い

・アイスクリームなどの冷たいデザートが好き

・冷蔵庫から出してすぐの食べ物を良く食べる

・運動不足

・お風呂に浸からずにシャワーで済ませている

・南国のフルーツや野菜、夏野菜を一年中食べることが多い

・加工食品やコンビニフードなどを食べることが多い

・肌着を身につけずお腹が冷える服装で過ごすことが多い

以上のように、内臓冷えは毎日の食生活や生活習慣に原因が隠れています。特に、水分摂取や冷たい食べ物・飲み物は胃腸を直接的に冷やすので、摂り過ぎに気をつけることが肝心です。余分な「水」が溜まると、それが妨げとなって「血」の巡りや「気」の巡りも悪くなり痛みやむくみ、消化器の不調など様々な不調を引き起こすことになるのです。

自分の行動を振り返ってみて、内臓を冷やすような習慣があれば直していきましょう。

内臓冷えを解消するためのセルフケア

内臓冷えを改善するには、次のようなセルフケアを取り入れて体の内側を温めていくことが大切です。冷えが深刻化する前に、なるべく早い段階で対処していくことをおすすめします。

体を温める食材を積極的に摂り、冷える食材は控える

内臓の冷えを改善するために、まずは食事の改善、すなわち「食養生」を取り入れましょう。漢方では胃腸は冷やさないようにすることが、胃腸を元気にして体に活力を与えてくれると考えます。胃腸は体に栄養と酸素を巡らせる血液が豊富に通っている臓器でもあり、胃腸を温めることは全身を温めることに繋がるからです。

特に内臓冷えに悩んでいる場合には胃腸を冷やすような食生活はなるべく避けることが大切になります。例えば、夏野菜や南国で採れる野菜や果物などは、体を冷やす「陰性」の作用が強いので控えめにします。また、温度の低い食べ物は胃腸を冷やすことは言うまでもありません。なるべく、常温以上の食べ物を摂るようにします。

例えば、温かいスープや味噌汁などを食事に取り入れて胃腸を温めるようにしましょう。マイボトルに生姜紅茶などを入れて持ち歩くのもおすすめです。

また、夏野菜などの冷やす作用の高い陰性食品であっても火を入れることで温める作用のある陽性食品に近づけることができます。どうしても生野菜を食べたい時はディップ味噌のような陽性の強い食品を取り入れると良いでしょう。

ぬるめのお湯にゆっくり浸かって血行促進

冷えを感じる時はシャワーで済ますのではなく、ゆっくりとお風呂に浸かって体を温めましょう。熱湯で短時間浸かるよりも、38度位のぬるめのお湯に20分以上浸かった方が体は芯から温まります。特に、内臓冷えを起こしやすい夏場こそ、シャワーではなくお風呂に浸かって汗を流すことをおすすめします。

さらに効果的に入浴したいという場合には、炭酸ガスを発生する入浴剤や岩塩を入れると温浴効果が高まります。

生活習慣を見直して内臓冷えを改善しよう!

体調が最近なんだか優れないという時には、内臓が冷えていることが関係しているかもしれません。内臓冷えは自分では自覚しにくい冷え症であるからこそ、早めに気づいてあげることが大切です。内臓冷えを放置して、さらに冷えが深刻化して病気に発展してしまわないように対処していきましょう。特に内臓の冷えは食事や生活習慣が関係していることが多いため、自分の生活を見直すことが改善への大きな一歩になります。自分に合った生活スタイルを見つけて、内臓冷えを改善していきましょう。

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