冷えとむくみに悩むあなたは「痰湿」タイプ?早めのセルフケアで改善しよう
冷えの原因はさまざまですが、特に冷えとむくみの両方に悩んでいる場合には漢方的に捉えると「痰湿」タイプの可能性が高いです。まずはあなたが「痰湿」タイプであるかどうかをチェックしてみましょう。また、痰湿タイプの場合にはどんなセルフケアが適しているのでしょう?自分でできる対処法とおすすめの漢方についても紹介していきます。
目次
冷えとむくみ、その原因は水の溜め込みすぎ?
足が冷える、足がむくみやすい、体が重たく感じるなどの症状がある場合には「水」の流れが停滞している可能性があります。この「水」は体の構成要素である「気血水」の一つであり、私たちの体に無くてはならないものです。「人間の体は約60%が水でできている」と言われるように、水分は生命活動に欠かせない要素の一つです。1日に1.5L、2L以上の水分を摂った方が健康に良いといわれていますが、私たちは水分を毎日摂る必要があります。しかし、だからといって水分代謝が悪い体が水分を摂りすぎてしまうと、余分な水が体に溜まって「毒」になってしまうことも。
このように「水」が溜まって悪さをしてしまっている状態のことを「痰湿」といいます。この「痰」とは西洋医学で言う肺や気管支から分泌される痰だけではなく、水の代謝異常により生じたものも含んでいます。例えば、脂肪も「痰」であり、粘り気、滞り、重たさ、濁りなどの性質を持つことが特徴です。「水」には重たく下に流れ、冷たい性質があります。痰湿タイプは体に余分な「水」が溜まるため冷えやすくなってしまうのです。
あなたの冷えとむくみは「痰湿」タイプ?まずはセルフチェック
冷えといってもその原因や生まれ持った体質によって漢方ではいくつかのタイプに分けることができます。特に「冷え」と「むくみ」を同時に感じている場合には「痰湿」タイプであることが多いですが、さらに詳しくあなたの体質が当てはまっているかどうか見てみましょう。
・汗をかきやすい
・おでこが脂ぎっている
・口の中がネバネバする
・上まぶたが腫れっぽい
・痰がよくでる、胸のあたりがスッキリしない
・尿量が少ない
・脂肪が多くふっくらした体型
・体が重たく、眠たくなりやすい
・湿気が苦手
・性格は穏やかでのんびりなタイプ
あなたはいくつ当てはまったでしょうか?全て当てはまらなくても上記のうち5つ以上当てはまる場合には「痰湿」タイプである可能性が高いといえます。
痰湿が関節に溜まると関節痛が起きたり、肺にたまると喉の不調や息苦しさを感じるようにもなります。気の流れに影響を与えて、さまざまな不調を起こすこともあります。余分な「水」が溜まると冷えてしまい、そのために血行が悪くなって冷えがさらに悪化するという悪循環を招いてしまいます。少しでも早く溜まった水の排出を促して、水分代謝の良い身体を作っていくことが大切です。
日頃の生活で取り入れたいセルフケア
冷えとむくみに悩まされることの多い人は、冷えているからといって温めたり、むくみ対策のマッサージを行うだけでは対策としては不十分です。余計な「水」を溜めないようにする工夫と、溜まってしまった「水」の排出を促すようなセルフケアが必要です。そこでどんな方法が適しているのかを次に紹介していきます。
なるべく体を動かして活動的に過ごす
痰湿タイプの人は疲労感や倦怠感を感じやすいので、ついつい横になったり、体を動かさずにじっと過ごしてしまいがちになります。しかし、それでは気の巡りも悪くなり、水の排出を促す筋力も低下してしまうので悪循環です。特に足のむくみは筋力の少ない女性に多く、足の筋力不足により血液やリンパの流れが悪いことが関係しています。足の筋力をアップさせることは痰湿を防ぐことにつながります。
また、汗をかくことも水の排出を促します。だからといって、激しい運動が向いているタイプではないので、じんわりと額に汗をかく程度の運動を自分のペースで取り入れてみましょう。
水分の排泄を促す食べ物を上手に取り入れる
水分を摂取することはもちろん必要ですが、その摂り方と量には注意が必要です。特に痰湿タイプの人は無理に1日2Lの水を飲もうとすると逆効果になることも。喉が乾いたな、水を飲みたいなと思ったときにこまめに水分補給をするようにしましょう。また、合わせて取り入れたいのが水分代謝を促す食品です。例えば、ハトムギや小豆、とうもろこしなどは水分の排出を促す作用があります。お茶として取り入れるのもおすすめです。
また、冷える食品をなるべく控えるという心がけも大切です。特に冷やす作用の高い南国のフルーツや生野菜、白砂糖やスナック菓子などは控えましょう。
なかなか改善しない冷えとむくみに適した漢方薬とは
セルフケアを行っても改善しない、しつこい冷えとむくみには漢方薬を使うのも手です。例えば、冷えとむくみのある女性によく用いられるのが「当帰芍薬散」です。他にも、汗をかきやすく、ぽっちゃりタイプに良い防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)、下半身の冷えやむくみ、腰痛などに用いられる苓姜朮甘湯などが対応します。体質ごとに使い分けることが大切であり、漢方専門医や薬剤師などに相談すると良いでしょう。
冷えとむくみを改善して巡りの良い体になろう
冷えとむくみは女性において良くみられる不調の代表ともいえます。しかし、いつものことだからといって放置していると、冷えが深刻化して病気を引き起こす原因にもなりかねません。日頃から運動や水分補給に気をつけながら水分を溜めないことが大切です。冷えてしまったらセルフケアや漢方を取り入れて、冷えとむくみ知らずの巡りの良い体を目指して行きましょう。