風邪に効く食べ物は症状別に選ぼう!早く治したいなら食養生がカギ

漢方基礎知識

風邪を引いた時はすぐにでもラクになりたいので、「のどの痛みをすぐに和らげたい」「回復力を高めたい」「鼻の通りを良くしたい」など回復を促す方法が気になりますよね。

薬を使うのはもちろん効果的ではありますが、食べ物や飲み物も工夫すると症状の回復を促すことができます。また、免疫力が低下している時には消化が良く栄養価の高いものを食べて、胃腸をいたわるような食事を心がけることも大事です。

そこで今回は風邪に効く食べ物を症状別に紹介するとともに、早く回復するための食養生のポイントもお話したいと思います。

症状別に選ぼう!風邪に効くおすすめの食べ物と飲み物

薬膳では食べ物(野菜・果物など)や飲み物(お茶など)にはそれぞれに薬効があると考えられています。その薬効をうまく活用して、気になる風邪の症状に対処していきましょう。次に症状ごとにおすすめの食べ物、飲み物を紹介します。

風邪のひき始めで寒気がする時には

風邪はひき始めの対処が肝心です。「寒邪」(かんじゃ)が身体に侵入してくるとゾクゾクと強い寒気を感じることがありますが、この時には身体を温めると体に深く寒邪が入り込むのを防ぐことができます。身体を温める食材としては、「生姜」「ねぎ」「ニラ」「にんにく」などの辛味成分の入った野菜がおすすめです。これらには消化を促したり、殺菌作用もあるので風邪のひき始めに取り入れてみましょう。

咳やのどの痛みが辛い時には

のどの痛みが強いと話すことが辛くなったり、ツバを飲み込むことすら大変な状態になることも少なくありません。

のどの痛みが強い時には「のどの殺菌をしてくれる食べ物」「のどにしみないもの」「痛みを和らげてくれるもの」がおすすめです。例えば柑橘系のフルーツはのどに良い食べ物として昔から利用されています。のど飴にも含まれることがありますが、「キンカン」や「みかん」の皮などはのどの痛みを和らげてくれます。はちみつ漬けなどにして食べるとよいでしょう。

また、のどや咳などの症状は「肺」が弱っているので、肺を潤す作用のある食べ物が適しています。「肺」は乾燥が大の苦手なので、肺を潤す作用のある「レンコン」や「大根」「ゆりね」などの白い食べ物がおすすめです。咳やのどの痛みが辛い時には、大根をはちみつに漬け込んだ「はちみつ大根」を作って、そのシロップを少しずつ飲むとのどの症状が和らぎます。

他にも次のような食材がのどや咳の症状に適しています。

はちみつ、なし、ごぼう、白菜、松の実、ゆず、りんご、山芋、びわの葉茶など

鼻水、鼻づまりなどの症状には

鼻水がだらだらと出てくるという場合には余分な「水」が溜まっている状態です。また、「水」が溜まっていることで身体も冷えています。

そこで食材としては、身体を温めて溜まった「水」の流れを良くするような食材を選ぶと良いでしょう。例えば、利水作用のある「うり」や「かぶ」などの野菜や温める作用のある「ねぎ」「生姜」や「紅茶」などのように身体を温める食材や飲み物がおすすめです。しょうが紅茶に温める作用の強い「シナモン」を加えれば冷えた身体が芯から温まりますよ。

鼻づまりが辛い時には、部分的に熱がこもっているような状態なので熱を冷まして炎症を取ってくれる食材がおすすめです。

「クコの実」、「豆腐」、「もやし」などの食べ物や、「ミントティー」「ハトムギ茶」などのような飲み物が適しています。「ミント」や「シソ」などの香りの高い食材は鼻の通りを良くしてスッキリと気分転換させてくれるので頭がボーッとする時に取り入れてみましょう。

回復力を高めるための食養生のポイント

風邪をひいた時には栄養をつけて早く回復しなければとスタミナがつくステーキを食べたり、食事をたっぷり摂ろうとする人がいますが実は逆効果です。中国の古典である「傷寒論」にも風邪を引いた時は熱いおかゆを食べるとよいと記されています。身体が弱っている時にはその回復にエネルギーを注ぐため、消化に負担のかからない食べ物を食べる方が良いというわけです。

胃腸の負担を減らすためには、油が少なくあっさりした食べ物で、消化に時間のかからない食材を選ぶことが大事です。また、胃腸を強くしてくれる食材を取り入れるのも良いでしょう。例えば「人参」は生薬としても活用されていますが、胃腸の機能を高めて、身体を温める作用も高い食材です。柔らかく煮て食べたり、すりおろして飲むのも良いでしょう。

また、腹八分目を心がけて無理に食べ過ぎないようにすることも大切です。消化にかかる負担を減らして、身体の回復を促しましょう。さらに、免疫力を高めるため、タンパク質やビタミンを摂取するように心がけましょう。特に卵は栄養バランスが高く効率よく栄養補給ができるのでおすすめです。

辛い風邪の症状は食養生で早めに対処しよう!

風邪をひいた時には薬を飲むだけではなく、食べ物や飲み物でも症状を和らげることができます。上手に取り入れて辛い症状を和らげていきましょう。

また、風邪の時には胃腸が弱っていて、免疫も低下しがちです。胃腸に負担が少なく、胃腸の働きを助けてくれる食材を取り入れて、腹八分目にとどめておくことが大事です。

食べる時には量を食べるのではなく、栄養価の高い食べ物を少量食べるようにすると良いでしょう。風邪はこじらせると厄介です。早めに食養生を取り入れて対処していきましょう。

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