葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)の風邪への効果や効能
漢方事典
葛根湯加川芎辛夷は、風邪の鼻づまりになどによく使われます。
処方のポイント
葛根湯に、止痛作用をもつ川芎、鼻症状に有効な辛夷を加えたもの。寒気があり、汗をかいていない初期の感冒に適応し、特にくしゃみ、鼻水、鼻づまり等の鼻症状に効果がある。
アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、花粉症等にも応用される。甘辛味で、温服が効果的。
葛根湯加川芎辛夷が適応となる病名・病態
保険適応病名・病態
効能または効果
鼻づまり、蓄膿症、慢性鼻炎。
漢方的適応病態
表寒・表実。
葛根湯加川芎辛夷の組成や効能
組成
「葛根湯」+川芎6辛夷6
効能
宣肺散寒・開竅
主治
外感風寒による鼻塞、鼻水
葛根湯加川芎辛夷の解説
本方剤は「葛根湯」に川芎、辛夷を加えた日本の経験方である。
川芎は活血作用が優れ頭痛の専門薬として広く用いられる、解表剤の「葛根湯」に川芎を加味することによって、外感風寒による頭痛、血行が悪いための鼻づまりなどの症状を改善する。
辛夷は宣肺開竅の作用がある鼻の専門薬で、クシャミ、鼻水、鼻づまりなどの症状によく使用される。
臨床応用
◇感冒
方剤の性質は温に偏るので、主に外感風寒の表証(悪寒、発熱、無汗、頭痛、くしゃみ、鼻水鼻塞など)に用いる。
◇鼻炎
クシャミ、鼻水、鼻つまりをともなう感冒、頭痛の強い感冒、鼻炎の初期、熱症状の少ない蓄膿症、アレルギー性鼻炎に適している。