生理前の過食で子どものおやつを盗み食い!夫が止めてもまだ食べたい!

体験談

生理の前はやたら食べすぎてしまう、食事の後も食べ足りなくてずっと食べ続けて後で後悔する……。
それは、もしかしたらPMS(月経前緊張症)による過食の症状かも!?

実は、多くの女性が月経前に起こる様々な症状に悩んでいます。
自分ではどうにもならない生理時の不調やつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「生理前の過食」をテーマに、薬剤師の手塚智子先生にお話を伺ってみました。

食べても食べてもまだ足りない! 生理前の過食の原因は?

玲子さん(37歳女性)、パート勤務の方からご質問をいただきました。

生理前の異常な食欲に悩んでいます。
食欲なんていう可愛いレベルではなくて、生理前のイライラも感じやすいせいか、ちょっとメンタルがおかしいのではないかと思うほどの過食をしてしまうんです。
先日も、家族で夕食を摂った後、おかわりまでしたのに全然食べ足りなく感じて、一人でカップラーメンを作って食べていたんです。
そしたら、そばで見ていた子どもにギョッとされてしまって……。さらにその後、寝る前に甘いものまで食べたくなってしまい、子どものおやつに買っておいたケーキを盗み食いしようとしたのを夫に見つかり叱られる始末。
ちなみに、普段はあまり間食もせず、外食しても、一人前だとちょっと多く感じる程度で、女性としてはごく普通だと思います。
どうして生理前に限ってこんなにも食べ過ぎてしてしまうのでしょうか? 
過食すると胃の調子も悪くなるしお肌も荒れるし、全然いいことがありません。どうにかしてこの症状を改善する方法はないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
生理前のイライラから過食してしまう、といった症状は体重増加にも繋がりやすく、女性としては大きな悩みになりがちですよね。
では今回は、生理前に起こる体重増加の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

過食は黄体ホルモン「プロゲステロン」の影響で起こる

月経前になると体重が増えるのは、月経前に多く分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響です。
このプロゲステロンの働きによって、メンタルが揺らぎがちになったり、体がむくみやすくなったりします。
また、体内の糖質量をコントロールしているインスリンの効果を抑える作用があるため、血糖値が変動しやすくなり、甘い物が食べたくなったり過食につながったりします。

また東洋医学では、月経の前は「気・血・水(生命エネルギー・血液・水分)」が滞りやすくなると考えられています。
血の不足や滞り、またそれによって気の巡りの悪化することからくるストレスも過食の原因と言えるでしょう。

次の章では、こうした月経前に起きやすい体重増加に対する具体的な解決方法をお伝えしていきますね。

過食行動による体重増加を抑える3つの方法

1.太りにくい食メニューを心がけましょう

どうしても月経前に食欲が抑えられない場合、その期間の食事を低糖質・高タンパクでヘルシーなものに切り替えましょう。
白米や小麦粉ではなく、ビタミンやミネラルが多い玄米や全粒粉などの食材がオススメ。
おかずには赤身の肉類、魚、豆腐など脂肪分が少ないタンパク質を多く食べることを意識すると、多めに食べても太りにくくなります。

2.ゆっくりと食事を楽しんで、食べる順番に気をつける

食欲をコントロールする秘訣は、脳の満腹中枢を刺激して「もうお腹がいっぱい」と感じさせること。そのためには、ゆっくりと食べることが大切です。
呼吸を整えて、最初の3口までは30回噛んでから飲み込むことを習慣にしてみてください。
また、血糖値のコントロールには食べる順番も大切。野菜や肉・魚を最初に、一番最後にご飯やパンなどの糖質を食べるようにしましょう。温かい汁物などを一緒にいただくと満足感が得られやすいです。
血糖値の変動が激しくなりがちな月経前は、この食べ方をより意識してみてください。血糖値の急激な上昇が抑えられます。

3.「食べる」以外の夢中になれることを探す

月経前に食欲が増えることがあっても、それ以上にやりたいことがあったり、夢中になっていることがあると、過剰な食べ過ぎを防ぐことができます。
食事時間をしっかり決めて、それ以外の時間を仕事や好きなことにあてることで「食べること」から意識を逸らし、過食の症状が出ないようにすることを心がけてみてください。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

月経前の体重増加を改善するために、市販薬などに頼るという選択肢に加えて、根本的な改善を目的とした漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、抑肝散(ヨクカンサン)です。
イライラが強く食べすぎてしまう方の「気」の巡りを良くして感情を鎮静させる効果があります。
また、過食嘔吐や拒食を繰り返したり、摂食障害傾向にあって衰弱が強い場合は、肝臓の力を補ってくれる十全大補湯(ジュウウゼンダイホトウ)もオススメです。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
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無理せず体調管理をしながら食べ過ぎを抑えましょう

今回は、月経前の体重増加に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
月経前の過食は、脂肪を体にため込んで妊娠しやすくする体の生理的な欲求でもあります。
無理に”食べないダイエット”で我慢せず、メニューの工夫や運動を取り入れて乗り切りましょう。

月経前の過食には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

手塚智子

大学院修了後、研究職に従事し漢方を学ぶ。その後、薬剤師として臨床で働く傍ら様々な接客業を兼業し、渡米。帰国後、体の内外にアプローチ出来ることを目指して薬剤師兼ビューティーディレクターとして就業中。

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