生理前は人格豹変!気持ちの波がひどくて恋も破綻寸前…

PMS アイキャッチ
体験談

生理前になるとなんだかソワソワとして落ち着かない気分になる、気持ちの変化が起きやすく情緒不安定気味…。
それは、もしかしたら生理前の精神症状のひとつかも!?

実は、多くの女性が生理中だけでなく、生理になる前もさまざまな症状に悩んでいるのです。
自分ではどうにもならない生理前の不調やつらい症状の緩和や体質改善にも、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「生理前の気持ちの不安定さ」をテーマに、薬剤師の竹田由子先生へお話を伺ってみました。 

些細な一言で天国から地獄へ! 情緒が安定せず困ってます

ストレスで頭を抱える女性

美香さん(34歳女性)、接客業の方からご質問をいただきました。

自分でも言うのも何ですが、私、本来は結構穏やかな性格だと思うんです。でも、生理前の数日間に関しては、自分でも全く制御できないくらい激しい性格になってしまって…。
いま、結婚を前提に交際している方がいるのですが、彼が冗談ぽく言った些細な言葉に私が勝手に傷つき、突然号泣してしまうようなこともたびたびあって…。
その時は、もうこんな人とは一緒に生きていけない!とまで思い詰めて感情が高ぶってしまうのですが、後から考えれば、全ては私の勝手な思い込みと誤解によって起きたこと。
いつも呆気にとられながらも慰めてくれる彼に対して、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。優しいひとだからと安心しきってしまっているものの、こんなことが続けば、いつか彼から見限られてしまうかもしれません。
こんな風に不安に思うことがあると、余計パニックになってしまうのであまり考えないようにはしているのですが、やっぱり私、おかしいんでしょうか?
人並みに生理痛はありますが、生理前の精神症状のつらさに比べたらまだマシなほどです。
どうにかしてこの情緒不安定を治したいのですが、何か良い方法はないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
生理前に起きがちな気持ちのアップダウンや感情の不安定さは、月経前症候群(PMS)という症状の一種とされ、重大な病気ではないものの、人間関係に影響を与えてしまうこともあるため、大きな悩みになりがちですよね。また精神的な症状が強い場合はPMDDといわれ、治療が必要になる場合もあります。
今回は、生理前の気持ちの不安定さの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

月経前の不安定さはホルモンバランスの乱れが原因!

「気・血・水」解説イラスト

月経の1週間前くらいから、乳房の張りや下腹部の痛みなどの身体症状や、感情の不安定さなどのさまざまな精神症状が現れる症状を総称して、月経前症候群(PMS)といいます。
原因は明確に解明されてはいませんが、排卵期を過ぎてプロゲステロンという黄体ホルモン分泌が増えた状態で、月経が始まるまでの期間に、卵胞ホルモンのエストロゲンとのホルモンバランスの変化が急激に起こることで自律神経が乱れ、さまざまな不調が起こることが要因と考えられています。

次の章では、こうした月経時期特有の悩ましい症状に対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。

つらい情緒不安定を乗り切る3つの秘策

1.軽い運動を取り入れて深い睡眠をとろう

ウォーキングする女性

日常に軽い運動を取り入れてみましょう。
ウォーキングで軽く汗を流すと、気血の流れが良くなりイライラが解消されます。呼吸に集中するヨガは心の状態を整えることができるのでオススメです。
日中にしっかり体を動かすと、夜もぐっすり眠ることができますよ。

2.ビタミン&ミネラルの摂れる食生活を!

普段の食生活も月経前症候群(PMS)に関連しています。特に、ビタミンB6の不足、カフェインや砂糖の摂りすぎが症状の悪化につながるといわれているので、栄養バランスのとれた食事を摂るように心がけましょう。
豆腐やわかめ、魚などを取り入れた和食はビタミン・ミネラルをしっかり摂取できますので、症状の緩和に最適です。

3.月経前は、無理せずゆっくりと過ごしましょう

ソファでホットドリンクを飲む女性のイラスト

月経前、心がそわそわして不安定になっているときは、普段はしないような勘違いやうっかりミスを連発しがち。焦らず対応できるように、この時期は無理せずゆっくりと過ごしてみましょう。
もし普段より時間がかかってしまったり、ミスがあったとしても、自分を責めずに心を落ち着かせましょう。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

スプーンに盛られた顆粒の漢方薬

月経時の気持ちの不安定さを改善するためには、体質改善を目的とした漢方薬の服用が選択肢の一つとしてオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、加味逍遙散(カミショウヨウサン)です。
虚弱体質で精神神経系の症状があり、微熱や動悸、不眠などのある方の血と気の流れを良くして、ヒステリー症状を鎮めてくれる効果があります。
また、冷え性で月経不順があり、のぼせや皮膚の乾燥なども気になる方には温経湯(ウンケイトウ)もオススメです。

一方、感情の高ぶりで怒りなどを押さえにくい場合は、抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)もオススメです。

セルフケアと漢方薬で、症状をやわらげましょう

手が触れ合う男女

月経前症候群(PMS)は、月経のある女性なら誰でも起こり得る症状。
毎月やってくるものですから、周囲の人に今の自分の状態を理解してもらって協力が得られるような環境があると気持ちがラクですね。今回ご紹介したセルフケアで症状を緩和させながら、上手に付き合っていきましょう。
このような女性のお悩みには、漢方薬が大きな効果を発揮しますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。

竹田由子

薬剤師 竹田由子(たけだゆうこ) 臨床薬学専門。病院で10年以上医薬品情報室に長年従事し、医薬品に関する情報に精通。 元漢方・生薬認定薬剤師、薬膳漢方マイスター。 漢方の活用で月経痛時の鎮痛剤を減量できた自身の経験から「日常の不調はまず漢方」をモットーに体の不調を我慢する女性へ対し情報発信している。

プロフィール

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