咳が出る原因と対策に効果的な漢方薬8選
人体の防御反応のひとつですが・・・
気管や気管支に分泌物や有害物がたまると、それを追い出そうとして、生理的に反射作用が起こるのが咳です。咳とともに出るタンは、分泌物の一種です。もっとも、これらの気道を刺激されただけでも、咳がでることがあり、これがいわゆるからセキです。咳そのものは、人体の防御反応のひとつで、必ずしも心配しなければいけないものではありません。けれども・・・
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咳が出るときに考えられる病気
一般に、咳は呼吸器系の疾患によってひき起こされますが、気管支に分布している迷走神経は、胃や食道などさまざまな内臓器官にもはりめぐらされており、その分布先に炎症を起こしても、咳が出ることがあります。
咳が長くつづき、苦しいときは、慢性気管支炎・気管支ぜんそく・心臓ぜんそく・肺ガンなどが考えられるので、医師の診察が必要であります。
熱をともなう場合は、かぜ・インフルエンザ・急性気管支炎・肺炎・百日ゼキ・ジフテリア(犬の遠ぼえのような咳)などが考えられます。
漢方ではタンとの関係で処方を選ぶ
咳を咳嗽(がいそう)というが、痰(たん)なく声あり(からセキ)が咳(がい)で、痰ありて声あり(湿ったセキ)が嗽(そう)であります。次のような処方を使用します。
咳が出るときに効果的な漢方薬8選
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
咳とともに泡のようなタンが出るもの(かぜや気管支炎の初期)に用います。
麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
のどが渇いて、ぜんそくぎみの場合によいです。小青竜湯と合方にすることもあります。
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
神経性と思われるから咳に使われますが、かぜやぜんそくにもよいです。目標は、胃部が重苦しく、のどにものがつまったような感じ。
麦門冬湯(ばくもんどうとう)
発作的に起こるから咳で、せきこむと上気して、嘔吐するようなものに効きます。強くせきこみ、なかなかタンが切れないものにもよいです。ただし、タンが多いときは使ってはいけません。
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
老人や虚弱者のかぜや気管支炎で、手足が冷え、うすいタンを吐くものに。
炙甘草湯(しゃかんぞうとう)
息切れと動悸が目標だが、のどの奥が渇いて、タンの切れにくいときに用います。
麻黄湯
急性の気管支炎を漢方では咳気(がいき)というが、急性の初期で、かぜの症状があり、寒けがして、熱もあり、セキの出るときに用います。
小柴胡湯
微熱があり、のどが渇き、食がすすまず、胸脇苫満(前述参照)があるときに。
咳を鎮めるためには?
まず、適当な温度を保つことです。冬、暖房してある部屋は乾燥しがちなので、湿度にも気を配ります。また、冷たい外気に直接あたってはいけないので、マスクをします。これは、インフルエンザなどの場合、公衆衛生の面からも重要です。
できるだけうがいをするのもよい。うがい液は二パーセント重曹水(じゅうそうすい)、二パーセント硼酸水(ほうさんすい)が望ましいですが、塩水・ぬるま湯・ぬるい番茶でもよいです。
病室にはホコリをたてません。病人のいる部屋を掃除するときは、電気掃除機を使います。タバコなどの刺激物をさけるのはいうまでもありません。
民間療法
水あめに大根おろしを溶きまぜたものを、一日数回なめればよいといわれます。
皮のままのレンコンのおろしを盃三杯に、皮のままのショウガのおろし・食塩・砂糖、いずれも少々を混合し、熱湯を注いだものを飲みます。