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インフルエンザの悪化で呼吸困難に…もう二度と死にかけたくない!

体験談

急な寒気でガタガタ震えているうちにあっという間に高熱が出た、普通の風邪とはまったく違う節々の痛みと倦怠感に襲われた…。
毎年冬になると猛威を振るうインフルエンザの感染により、さまざまな症状に苦しむ方も少なくありません。

このようなつらい症状の緩和には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を、医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「インフルエンザ」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。

苦しくて眠れない!毎年のようにインフルエンザになる私を襲った悲劇!

玲子さん(38歳女性)、税理士の方からご質問をいただきました。

昔から風邪をひきやすいせいか、冬になると仕事の繁忙期にも関わらずインフルエンザになってしまうことが多くて困っています。
去年も、残業していると関節の痛みと嫌な寒気がして「あ、これは風邪じゃないな…」と悟って翌日病院に行ったところ、案の定インフルエンザに感染していました。
その時は薬をもらったものの、なんとなく副作用が怖かったのと、いつも自力で回復している自負もあって、薬は服用せずスポーツドリンクを飲んで布団をかぶって震えていたんです。
そうしたら、一向に高熱が下がらないうえに咳も止まらなくなり、呼吸の苦しさでまったく眠れず、死ぬかと思ったほど! 記憶がなくなる寸前に夫が出張から戻ってきて介抱してくれたので事なきを得ましたが、もし私が独身だったらあのまま死んでいたかもしれません。
今年こそ、この虚弱体質を改善してインフルエンザにかからないようにするつもりではありますが、もし感染してもあんな苦しい目に合わないためには、一体どうしたら良いのでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
冬になると流行する季節性インフルエンザは、38℃以上の急激な発熱や悪寒から始まることが多く、自宅で安静にしていれば自然治癒することもありますが、まれに肺炎や脳症などを引き起こすリスクもある病気ですので、安易な判断は禁物です。
それでは今回は、インフルエンザの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

インフルエンザはウイルスと「腎虚」が原因

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスにより引き起こされる急性ウイルス性疾患で、感染から発症までの潜伏期間はおよそ1〜3日です。
A型、B型、C型、新型などさまざまな型があり、一度罹患してもまた別の型に感染し、発症することもあります。
感染ルートは、感染した人のくしゃみや咳などに含まれるウイルスを鼻や口から吸い込むことによる飛沫感染や、飛沫に含まれる粒子を吸い込んで感染する空気感染、ウイルスの付着したものに触れて感染する接触感染などがあります。

東洋医学では、インフルエンザの流行する冬は、生命エネルギーの源である「腎」が衰えやすい「陰(いん)」の季節であると捉えます。
そのため、感染を防ぐには、「腎」を補って体力や抵抗力をつけ、感染経路である「肺(はい)」を守ることが大切です。

次の章ではこうしたインフルエンザの症状改善に対する具体的な方法をお伝えしていきましょう。

インフルエンザの予防策&対処法3選

1.「腎」を補う食材で「腎虚」を改善しよう

「腎」が衰えた「腎虚」の状態にあると、細胞の代謝に関わるミネラルの濃度を調整している腎臓への血流量や働きが落ちてスタミナが低下しやすいため、インフルエンザに感染しやすくなります。
「腎」を補う食材を取り入れ、日頃から体の抵抗力を高めておきましょう。

◎「腎」を補う食材
〈木の実類〉松の実・クコの実・カシューナッツ
〈黒い食べ物〉黒豆・黒米・黒キクラゲ
〈粘りのあるもの〉山芋・もち米
〈体を温める物〉生姜・シナモン・ニラ・ラム肉・牛肉

2.安静にして栄養&水分補給をしっかりと

まずは体力を回復させるためにもしっかりと休養をとり、安静にすることが大切です。
体を冷やさないように温かいパジャマやルームウェアに着替え、消化の良い食べ物を摂るようにしてください。
食欲がなく食べるのもつらい時は、栄養価の高いドリンクやゼリーを摂って体力の消耗を補うのもオススメです。
また、高熱がある場合は、発熱による発汗のために脱水症状を起こさないようにこまめな水分補給を心がけ、汗で濡れた服は早めに着替えるようにしましょう。

3.周囲の人に感染させない配慮を大切に

もしインフルエンザにかかってしまったら、自分の体調の回復はもちろん、周囲の人にうつさない対策をとることも大切です。
外出は避け、ウイルスを含んだ咳やくしゃみなどの飛沫を家族にも飛ばさないようにマスクをするなどの配慮をしましょう。

インフルエンザの症状の改善には漢方薬が効果的!

インフルエンザの諸症状を改善するために、処方薬の服用という選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、竹筎温胆湯(チクジョウンタントウ)です。
インフルエンザや風邪などの症状が続き、回復しづらい方の咳や痰の症状を鎮め、神経の高ぶりを抑えることで安眠に導く効果のある漢方薬です。
また、寒気や体の痛みなどがつらい方には、初期の症状を軽減して回復を早めてくれる効果のある麻黄湯(マオウトウ)も良いでしょう。

周囲に感染させない配慮をしつつ、回復を目指しましょう

今回は、インフルエンザ症状を緩和するためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
体を温めて発汗を促し、栄養を摂って安静にすることで早めの改善を目指しましょう。
また、インフルエンザはウイルス性の感染症ですので、周囲に感染させないようにすることも大切です。

こうしたウイルス性疾患によるさまざまな症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。


中田早苗

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 中田 早苗 薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。ファスティングマイスターとして100名以上のファスティングをサポート。TiktokやInstagramでファスティング・美腸を普及する活動も行っている。

プロフィール

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