膝の痛みで課外授業も遠足もできない! 体力自慢だったあの頃に戻りたい…
ひざが痛くて出かけるのがだんだん億劫になってきた、友達と遊びに行っても、すぐに自分だけ歩き疲れてしまって恥ずかしい……。
それは、もしかしたらプレ更年期(30〜40代)や更年期(40〜50代)に起こりがちな「関節痛」の症状かも!?
そんな自分ではどうにもならない更年期の不調やつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。
今回は「更年期の関節痛」をテーマに、神戸海星病院麻酔科の桐田泰江先生にお話を伺ってみました。
目次
このままじゃ教師失格! 動くたびに襲う関節の痛みをどうすれば?
千晶さん(49歳女性)、小学校教員の方からご質問をいただきました。
昔から人一倍元気で、スポーツも得意で体力のあった私。でも、寄る年波には勝てないのか、1年ほど前くらいからやたら膝の関節が痛むようになってしまって……。
先日も、勤めている小学校で遠足の引率があったのですが、目的地から学校に引き返す途中であまりの激痛に耐えかねてまさかのリタイア。膝まわりからふくらはぎにかけて、熱っぽくふくれあがるほどにむくんでしまって、全く動けなくなってしまったんです。
幸い、副担任の先生が生徒たちを無事に学校まで引率してくれたからよかったものの、ここ最近は課外授業でさえ、私があまり動かなくて済むものでごまかしてしまう有り様で、このままでは本当に教師失格です。
どうすればこの膝の激痛を改善することができるでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
しばらく歩いただけで熱っぽくむくむほどの関節の激痛が起きてしまったとのこと、お仕事にも影響があるとのことで大変おつらいかと思います。
今回は、更年期の関節痛の原因や改善方法についてお伝えしていきましょう。
関節痛はエストロゲンの減少と「血」「水」の滞りが原因!
更年期になってエストロゲンが減少すると、関節の表面を覆っている軟骨を構成するたんぱく質であるコラーゲンの生成が減少します。
そうして軟骨がすり減ることで痛みを生じます。加えてエストロゲンには炎症を鎮める効果がありますので、炎症を鎮められなくなります。
また、加齢による軟骨や筋肉の衰えや、関節内の水分の減少も関節痛を引き起こすと考えられています。
東洋医学には、「不通則痛」(通ぜざれば則ち痛む)という言葉がありますが、特に「血(血液)」や「水(水分)」の流れが滞ることによって関節痛が起きると考えられています。
次の章では、こうした更年期特有の悩ましい症状に対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。
更年期の関節痛を解消する3つのセルフケア
1.運動で関節を柔軟にしよう
運動すると関節を柔軟にすることができ、さらに周辺の筋肉を強化することができます。そのため適度な運動はひざや肩の痛みを改善するのに有効です。
しかし、関節が腫れていたり熱をもっていたりする場合や、体調が悪い場合はムリに動かないようにしましょう。
運動の強度が適切かどうかについては、担当の医師に相談すると安全です。
2.食生活を見直すことで関節ケアを
豆腐や豆乳などの大豆製品に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンとよく似たエクオールをつくりだしてくれるため、関節痛の症状を和らげると言われています。
体質的に腸内でエクオールを作り出せない方もいるので、その場合はサプリメントで補充してもよいでしょう。
また、体重が標準値よりオーバーしている方は、余分な糖質を控えて体重を適切な状態にコントロールするようにしましょう。
体重が増えると、ひざに負担がかかってしまい、関節の痛みが悪化してしまいます。
3.血液の巡りを良くしましょう
血液循環が悪くなると、関節が痛みやすくなります。
そのため、肩や腰、ひじ、ひざなどを冷やさないようにしましょう。入浴やマッサージも血行促進に効果的です。
また、同じ姿勢を続けていると、血液の循環が悪くなりやすいので、ストレッチをしたり身体を意識的に動かすように心がけましょう。
お出かけの時の服装のポイント
ひざや股関節が痛む方は、出かける際の服装にも気を付けましょう。
服装は、体に負担をかけないよう、動きやすく重くないものを選びましょう。
靴は、クッション性が良く、長時間歩いても疲れにくい靴がベスト。正しい歩き方や姿勢を意識することでも足の関節への負担を軽減できます。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
つらい関節痛の症状を改善するために、痛み止めの外用薬やホルモン補充療法を受けるという選択肢に加えて、根本的な改善を目的とした漢方薬の服用もオススメです。
特に今回の相談者様のように、むくみに加えて熱感を伴う痛みの強い方にオススメしたい漢方薬は、越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)です。
水分代謝をよくしながら炎症を鎮め、熱や腫れ、痛みを改善する効果が期待できます。
また、水太りで膝関節の痛みや下半身のむくみがある方には、水分代謝をよくして余分な水分を排出してくれる防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)も良いでしょう。
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痛みはがまんせず、すぐにケアしましょう
今回は、更年期の関節痛に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
痛みを放っておくと大きなストレスになることもありますので、我慢しすぎず、上手に付き合っていきましょう。
中には関節リウマチなど進行性の病気で関節痛が生じている可能性もあるので、痛みが長引く場合は必ず医師を受診して下さい。
まずは、運動や血液の巡りを良くする習慣を生活に取り入れてケアすることで、症状の悪化を防ぐことが大事です。
どうしても痛みが我慢できないときは、ドラッグストアで購入できる薬を利用したり、更年期が原因とされる関節痛である場合は漢方薬もぜひ取り入れてみてくださいね。