この胃の痛みをどうすれば…食後の苦しみを思うと食事をするのも怖い!

体験談

食べ過ぎたつもりはないのに、なんだかすぐに胃がもたれる、昔は好きだった食べ物なのに今は全然美味しく食べられない……。
それはもしかしたら、プレ更年期(30〜40代)や更年期(40〜50代)に起こりがちな「胃痛・胃もたれ」の症状かも!?

そんな、自分ではどうにもならない更年期の不調やつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。

今回は「更年期の胃痛・胃もたれ」をテーマに、神戸海星病院麻酔科の桐田泰江先生にお話を伺ってみました。 

地獄のような胃の痛み。親友との外食の時間ですら楽しめません…

佳菜さん(42歳女性)、美容師の方からご質問をいただきました。

美容師という職業柄、ずっと立ち仕事で動き回っていたので、きちんと昼食をとる習慣もないまま更年期と言われる年代になってしまいました。
もともと胃が弱く、胃下垂の傾向もあったため、普段から食欲旺盛なほうではなかったのですが、ここ1、2年は常に胃がもたれるような感じでほとんど食欲もわかず、自分でも不思議なくらいです。
たまに親友と食事にいっても、お会計をする頃にはもう胃がシクシク痛み出して胃炎のような状態になってしまうので、外食すら楽しめません。
最近は昔の服が着られなくなるほど痩せてしまって、気のおけない仲のお客さまにも「すごく具合悪そうだけど、どこか悪いの?」と直球で訊かれたりしてしまい、この状態をなんとかしなくては…と焦っています。
胃を丈夫にして食事を楽しめるようになるにはどうしたらいいでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
もともと胃が弱い体質に加え、更年期に入りさらに症状がひどくなってしまったとのこと。お友達との食事も楽しめない状態はとてもおつらいと思います。
それでは、今回は更年期に胃が弱る原因や改善方法についてお伝えしていきましょう。

「気虚」・「水毒」の状態が胃痛・胃もたれの原因に

更年期になると女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減り、自律神経が乱れがちになります。
自律神経が乱れることによって胃弱の状態となり、消化力も弱くなってきます。また、食べすぎや飲みすぎではなくても、心理的なストレスによっても胃の消化機能が低下し、胃もたれが起こることもあります。

東洋医学では、胃もたれは、「気(生命エネルギー)」が不足している「気虚」の状態、または「水(水分)」のバランスが悪くなっている「水毒」の状態と考えられています。

次の章では、こうした更年期の胃痛・胃もたれに対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。

胃痛・胃もたれを改善するお手軽セルフケア3選!

1.食習慣を改善して自律神経を整えよう

食生活では、腹八分目を心がけ、胃にダメージを与えやすい揚げ物などの高脂肪な食事やアルコール、カフェインなどを控えて胃に優しい食生活を心がけましょう。
また、冷えも胃の働きを低下させるため、夏でも冷たいものを一気に飲んだりするのは控え、なるべく温かい飲み物を選ぶといいでしょう。
朝、一杯のぬるま湯を飲んで体を内側から温めるのも消化機能促進にオススメです。

2.ストレスを溜めないようにする

胃をコントロールしているのは自律神経ですから、ストレスなどによって自律神経が乱れると、胃の調子も崩れてしまいます。
更年期は女性ホルモンの低下により自律神経が乱れ、ストレスに弱くなってしまう傾向もあるため、ちょっとしたストレスやプレッシャーによって消化の働きも低下しがちです。
アロマテラピーでお気に入りのアロマの香りをハンカチに1滴垂らしたり、バスタブに数滴落としたりして香りを楽しむことや、趣味を楽しめる時間を積極的に作るなど、上手にストレスマネージメントしましょう。
高血圧の方にはローズマリーの使用に注意が必要など、さまざまな注意点があるので、アロマセラピーの使用は医師に相談されることをオススメします。

3.おなかのツボ押しで胃腸を整えよう

食事の後に急に胃が痛くなってしまった、食後ぐったりするほど胃もたれしてしまった、というときに即効性が期待できるツボをご紹介します。
横になってゆっくり深呼吸をしながら指の腹に適度な力を加えて3秒ずつ、ゆっくり押してみましょう。

●中脘(ちゅうかん)
みぞおちとおへその中間あたりにあるツボ。胃を丈夫にし、内臓機能全般を整えてくれます。胃痛や膨満感、消化不良の改善に効果的です。

●天枢(てんすう)
おへそから指3本分外側にあるツボ。胃もたれや内臓の冷え、下痢や便秘など、消化器系全般の不調の改善に効果的です。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

更年期の胃の症状を改善するために、薬物療法やホルモン補充療法を受けるという選択肢に加えて、根本的な改善を目的とした漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方にオススメしたい漢方薬は、六君子湯(リックンシトウ)です。
「気」の不足を補う四君子湯(シクンシトウ)に、半夏と陳皮という2つの生薬を加えたもので、内臓を温めて働きを活発にし、身体の力をつけながら「気」と「水」を下ろす作用があります。
また、腹部に力がなく、胸焼けやげっぷ、神経性の胃炎などに悩む方には安中散(アンチュウサン)も良いでしょう。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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食生活を改善しつつ、穏やかな気持ちで過ごしましょう

今回は、更年期の胃の不快な症状に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状を和らげるには、毎日の生活の中で暴飲暴食を控え、体を内側からもしっかり温めることが大切です。
セルフケアを試してもなかなか症状が改善しなかったり、痛みや苦しい症状が強い場合は、他の病気の可能性も考えられますので、無理せず早めに医療機関に相談してみましょう。


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