気圧の変化とストレスで頭がズキズキ! 繰り返す痛みから解放されたい…

体験談

風邪でもないのに頭が重だるく締め付けられるように痛い、お天気が悪くなると頭がズキズキ痛くてつらい……。
それは、もしかしたらプレ更年期(30〜40代)や更年期(40〜50代)に起こりがちな「頭痛」の症状かも!?

そんな自分ではどうにもならない更年期の不調やつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。

今回は「更年期の頭痛」をテーマに、神戸海星病院麻酔科の桐田泰江先生にお話を伺ってみました。 

繰り返す頭痛で夫婦仲も崩壊の危機…頭痛持ちを卒業するにはどうすれば?

美智代さん(54歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

昔からストレスをためやすく、なにかにつけて体調が悪化しがちではあったのですが、数年前から頻繁にひどい頭痛に襲われるようになってしまいました。
特に梅雨時や天気が悪くなりそうな時など、気圧の変化で症状が悪化することも多く、頭痛に加えて耳鳴りや吐き気、めまいの症状もってつらくて……。
先日も、気圧の変化に加えてちょっと嫌なことがあり、もうそれだけで頭はズキズキするわ気持ちは悪くなるわで、3日も寝込んでしまいました。
月に何度も家のことを何もせず、機嫌悪く寝込んでいるだけの私に、穏やかな性格の主人も最近はさすがにイライラするようで、少し具合が良くなっても話しかけてもくれません。
冷めきった夫婦仲もストレスになり、そのストレスからまた頭痛が起きてしまうこともあり、完全に悪循環です。
どうしたらこの繰り返す頭痛を改善することができるでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
気圧の変化やストレスなど、ちょっとした変化によって頭痛が起こることは更年期によくある症状のひとつです。頭痛に加えてめまいや吐き気もあるのは大変おつらいですよね。
それでは今回は、更年期の頭痛の原因や改善方法についてお伝えしていきましょう。

更年期の頭痛は卵巣の衰えと「気・血・水」の乱れが原因!

更年期の頭痛の代表的なものに、片頭痛、緊張型頭痛があります。これは、卵巣機能の衰えによって女性ホルモン(エストロゲン)が減少することで起こりやすくなると考えられています。
女性ホルモン(エストロゲン)には、血管拡張作用があるため、その減少によって血流が悪くなり、頭痛が引き起こされるのです。
また、エストロゲンの減少により血管拡張作用が低下し、動脈硬化がすすみ血圧が上がりやすいことも知られています。
天気や気圧の変化によるストレスから、内耳や自律神経が敏感に反応することでも頭痛が起こりやすくなります。

更年期の女性は、長い間の月経により「血(血液)」が不足しており、「血」から栄養を与えられる「気(生命エネルギー)」の量や巡りも悪化、「気」と「血」の巡りの悪さから水(水分)」も滞ります。
東洋医学では、この「気・血・水」の滞りにより痛みが生じると考えられています。

次の章では、こうした更年期特有の悩ましい頭痛の対処法をお伝えしていきましょう。

頭痛に効く! 自分で出来る対処法3選

1.頭痛の種類に合わせた対策を

頭痛が起きたら、まずは静かで暗い場所で安静にしましょう。
ズキズキと痛む片頭痛の場合は、痛む部分を保冷剤などで冷やすのが効果的です。
また、ギューっと締め付けられるような緊張型頭痛を改善するには、手足を動かしたり姿勢を変えたりして、低下している血管の流れをよくしましょう。
緊張型頭痛の場合は片頭痛とは逆に、体を温めることが大切です。
温かいお湯を張った湯船に浸かってしっかりと体を温めるだけで改善することもありますので、痛みの症状に合わせた対策をとることが大事です。

2.頭痛が起きにくい生活をしよう

お酒などのアルコールやカフェインには血管収縮作用があり、緊張型頭痛の場合には少量の摂取ならば効果を症状の改善に繋がることがありますが、片頭痛の場合は痛みを引き起こす原因にもなるため過度の飲酒には注意が必要です。
また、適度な有酸素運動を継続することによって血流がアップし、頭痛の起きにくい体質に改善することも大事です。
普段から運動をし慣れていない方は、ストレッチやヨガなど心拍数をあげすぎないものから取り入れるのがオススメです。

3.ツボ押しで骨盤の血流を良くしよう

更年期の頭痛は卵巣機能の衰えによって起こると考えられますので骨盤内の血流をよくすることが大切です。
「次髎(じりょう)」というツボは副交感神経に関連するもので、血管を拡張して血流をよくし、頭痛をよくする効果が期待できます。継続して毎日押してみましょう。

次髎(じりょう)
骨盤の仙骨部、上から2番目に触れるくぼみ部分にあるツボ。ここを指の腹に力を入れ、深呼吸しながらゆっくり押します。
骨盤の血流を促し、卵巣機能を改善することで、生理痛や冷え、イライラなど様々な更年期症状に効果を発揮してくれます。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

つらい頭痛の症状を改善するために、薬物療法やホルモン補充療法を受けるという選択肢に加えて、根本的な改善を目的とした漢方薬の服用もおすすめです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方にオススメしたい漢方薬は、呉茱萸湯(ゴシュユトウ)です。
体力が低下して冷えがあり、繰り返し起こる片頭痛や吐き気をともなう頭痛のある方の体を温め、症状に改善する効果があります。
また、便秘がちで、頭痛に加えてのぼせやめまい、肩こりなどの症状もある方には加味逍遙散(カミショウヨウサン)も良いでしょう。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

あんしん漢方のサービス紹介はこちらをご確認ください。

頭痛が起こりにくい体質に改善していきましょう

今回は、更年期の頭痛に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状を和らげるには、毎日の生活習慣の改善や運動の習慣づけなどの対策に加え、ストレスを溜め込みすぎないことも大事です。
根本的な体質改善には漢方薬も優れた効果を発揮しますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
また、ケアしても症状が全く良くならない場合は、他の病気の可能性も考えられますので早めに医療機関に相談してみましょう。

関連記事