朝は鼻水ダラダラ、夜は鼻が詰まってどっちを向いても眠れません!
鼻が詰まって苦しくて息ができない、鼻をかんでも際限なく鼻水が出てくる…。
そんな症状から始まることの多い鼻の風邪。ひとことで風邪といってもさまざまなタイプがあり、症状もそれぞれに異なります。
こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。
今回は「鼻風邪」をテーマに、医師の青木先生にお話を伺ってみました。
目次
鼻をかんだティッシュが山積みに…鼻風邪のつらい症状に四苦八苦!
久仁子さん(43歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。
毎日寒い日が続き、風邪気味なことが多くて仕事に行くのもなんだか億劫になってきてしまいました。
先日も、朝起きるとくしゃみが止まらず、くしゃみをするたびに透明な鼻水がタラーっと垂れてきて、キリがありません。
何度鼻をかんでもとめどなく溢れてくるので、ティッシュが何枚あっても足りないほど。
なんとか上を向きながら仕事に向かったのですが、仕事を終える頃には今度はひどい鼻詰まりになってしまって…。
体も熱っぽく頭もぼーっとして、「これは早く寝ないと!」と思ってベッドに入ったものの、今度はどっちを向いて寝ても詰まった鼻が通らなくて四苦八苦!
全く眠れず熱も上がってきたので、翌朝は会社を休みましたが、今もまだ鼻詰まりが残っています。寒い間はこんなことが何回もあり、仕事は溜まるし体力も消耗し尽くすしで、もうほとほと嫌になってしまいました。
どうしたらこの何も手につかなくなる鼻風邪の症状を抑えることができるのでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
鼻水や鼻詰まりなどの症状は、ウイルスが体内への侵入するのを防ぐための働きによるものなのですが、息も苦しくなりますし、快眠の妨げにもなるのでつらいですよね。
それでは今回は、鼻からくる風邪の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。
鼻風邪はウイルスの侵入が原因
鼻の風邪は、吸い込んだ外気に含まれるウイルスや細菌が鼻の粘膜で防ぎきれずに上気道に侵入してしまうことで起こります。
風邪のウイルスが鼻の粘膜に侵入すると、免疫機能によりその増殖を防ぐために白血球の一種である好中菌などが働きます。
その際に起こる炎症や防御反応が、ウイルスを洗い流すための鼻水、防御するための鼻詰まり、異物を吹き飛ばすためのくしゃみなどの症状となって現れるのです。
次の章では、鼻風邪の症状改善に対する具体的な方法をお伝えしていきましょう。
鼻風邪症状を改善する3つのセルフケア
1.鼻を温めて鼻詰まりを改善!
鼻が詰まって苦しくて仕方がない、鼻をかんでも鼻詰まりが解消できないときには、温かい蒸しタオルで鼻を温める温熱療法を試してみましょう。
鼻の粘膜を温め、適度な湿り気を与えることで血流が良くなり鼻が通りやすくなります。
◎鼻の温熱療法のやり方
熱めのお湯(40〜50℃程度)にタオルを浸して軽くしぼり、鼻の付け根~鼻の穴あたりにタオルを当て、ゆっくり鼻呼吸をします。
※タオルが熱すぎる場合は、やけどをしないよう軽く冷ましてから顔に乗せるようにしましょう。
2.鼻風邪に効くハーブティーを飲もう
ハーブティーのなかには、免疫力を高めて風邪症状を改善してくれるものがあります。
体を温め発汗を促して体調を整え、鼻の炎症や鼻水・鼻詰まりなどの症状を改善してくれるオススメのハーブティーをご紹介します。
◎エルダーフラワー
エルダーフラワーは、優れた利尿作用と発汗作用があるハーブです。気道を含む粘膜を浄化し、体内に溜まった毒素をデトックスしてくれる働きがあることから、風邪や鼻炎、花粉症、インフルエンザの症状の緩和にも効果的です。
◎カモミール
カモミールには、皮膚をさまざまな刺激から守る働きがあります。温かいカモミールティーをを飲みながらその蒸気を吸入することにより、花粉症や鼻詰まりに加え、気管支炎の症状の緩和も期待できます。
3.鼻水を抑えるツボ押しをしよう
鼻水や鼻詰まりに即効性があるといわれるツボをご紹介します。20秒押し、10秒休むというセットを、2分ほど繰り返しましょう。
繊細なツボなので、あまり強く押さずにそっと押さえるくらいの刺激に留めるのがポイントです。
◎迎香(げいこう)
小鼻のふくらみの最も出っ張ったところのつけ根にあるツボ。
両手の人差し指で鼻を両脇から挟むように静かに押します。
◎天迎香(てんげいこう)
「迎香」の上あたり、小鼻のつけ根の両脇にあるツボ。
両手の人差し指で、少し上の角度に向かって押すのが効果的です。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
鼻からくる風邪の症状を改善するために、医師による処方薬や市販薬の服用という選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、小青竜湯(ショウセイリュウトウ)です。
比較的体力がなく、水のような鼻水や痰が出る方の水分代謝を整え、鼻の症状を抑える効果があります。
また、膿のような鼻水や鼻炎症状のある方には、炎症を鎮めて膿を排出してくれる効果のある荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)も良いでしょう。
自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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風邪のひき始めの対処で鼻の症状悪化を防ぎましょう
今回は、鼻風邪症状を緩和するためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
鼻の風邪特有のつらい鼻詰まりや鼻水を解消するために、お手軽にできる温熱療法やツボ押し、ハーブティーなどもぜひ試してみてくださいね。
また、こうした風邪によるさまざまな症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてください。
もし長期間改善がみられない場合は、副鼻腔炎に発展し抗生剤が必要な場合があります。その場合は医師へ相談しましょう。