デコボコのニキビ跡がイヤ…ママ友の視線が気になって憂うつです
ニキビは治ったのに肌表面がデコボコになってしまった、ニキビ跡の皮膚が乾燥して硬く凹凸になっている気がする…。
30代の大人世代の女性のなかには、こうした「クレーター状のニキビ跡」に悩んでいる方も少なくありません。
こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を漢方の専門家がお答えしていきます。
今回は「クレーター状のニキビ跡」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。
目次
一生このままなの!? クレーターのようなニキビ跡をどうにかしたい!
梢さん(34歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。
3ヶ月前に1年間の育児休暇から仕事に復帰し、仕事と育児を両立させようと頑張りすぎていたせいか、ニキビが一気に悪化!
顔中が真っ赤になり、ムズムズとしてかゆさと炎症が気になり、まったく仕事に集中できないほどの状態になってしまったんです。
ビタミンを摂ったりスキンケアを敏感肌用に変えたりして、どうにかこうにかニキビは治したものの、かゆくて指で触ってしまうことが多かったせいか、肌がデコボコに…。
いわゆるクレーター状のニキビ跡になってしまって、もうどうケアしたらいいのかもわかりません。
最近では肌の状態が人からどう見られているのかも異常に気になって、保育園のママ友はもちろん、仕事での打ち合わせや会議でも人と顔を合わせるのが怖くなってしまいました。
ここまでの状態になっては1週間や2週間ではどうにも治しようがないのはわかっていますが、時間がかかってもいいのでこのニキビ跡を少しでも目立たなくしたいです。
何か良い方法はないでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
クレーター状のニキビ跡は真皮層へのダメージが大きいことから、すぐに改善するのは難しいですが、継続的なケアをすることで解消できることもあります。
今回は、ニキビ跡がクレーター状に残ってしまう原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。
原因は真皮層の破壊&「気」の滞りと「血」の不足
炎症性のニキビを長く放置したり、ニキビを触りすぎて潰してしまうと、毛包組織が破壊されて真皮内に炎症が広がってしまうことがあります。
こうした炎症を抑制しようとする白血球の働きによりターンオーバーのできない真皮層まで破壊が進み、肌表面がぼこぼこと陥没し、クレーター状のニキビ跡ができてしまう、と考えられています。
東洋医学では「肌は内臓の鏡」と言われ、身体の状態が皮膚に反映されると考えられています。
特に、肌表面が硬くなり凹凸のニキビ跡が残るのは、「気(生命エネルギー)」の滞りと「血(血液)」の不足によって起こると考えられています。
次の章では、こうしたクレーター状のニキビ跡の改善に対する具体的な方法をお伝えしていきましょう。
クレーター状のニキビ跡を改善する対処法3選
1.質の高い睡眠で成長ホルモンの分泌を促す
クレーター状のニキビ跡の凹みを少しでも改善するには、肌のターンオーバーによって、皮膚の古い細胞を新しい細胞に置き換えていくことが大事です。
深い眠りに落ちるノンレム睡眠時には、肌のターンオーバーを促す成長ホルモンが多く分泌されるため、まずは夜更かしをせず、質の良い深い睡眠をとるように心がけましょう。
2.ターンオーバーを促すビタミン類を摂ろう
ビタミンA、ビタミンB群、特に魚や卵、乳製品によく含まれるビタミンB2を摂取することで肌のターンオーバーを促進することができるといわれています。
これらのビタミンを多く含まれる食品を積極的に食べるようにしたり、サプリメントで補給したりするのも良いでしょう。
また、皮膚の凹凸の改善のためには、ビタミンと並行して、コラーゲンやコエンザイムQ10、ビタミンC誘導体などの、肌にハリを与える成分を取り入れていくのもオススメです。
3.日々の生活の中で肌を整える努力をする
真皮層まで破壊された状態を完璧に改善するのは難しく、長期的なケアで肌の状態を少しずつ良くしていく必要があります。
まずは正しい洗顔を行い、しっかりと保湿をすることでお肌を整え、肌に深いダメージを与えてしまう紫外線への対策を心がけましょう。
特に、眉間や鼻、頬、こめかみなどは凹みになりやすい部分でもありますので、毎日の洗顔で清潔な状態を保ち、重点的にスキンケアをすることが大事です。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
クレーター状のニキビ跡を改善するために、お化粧で隠したり、レーザー等の美容医療を受けるのも選択肢ではありますが、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)です。
炎症性のニキビができやすく、ホルモンバランスが乱れがちな方の「血」の巡りを良くして肌の生まれ変わりを促し、肌状態を改善する効果があります。
また、冷えが強く体力が低下し、皮膚が乾燥しがちな方には、「気」と「血」を補って血行や水分代謝を促進し、肌の生まれ変わりを促す効果のある十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)も良いでしょう。
日々のスキンケアと生活の改善で地道な努力を!
今回は、クレーター状のニキビ跡に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
皮膚表面の凹凸を少しでも薄く目立たなくしていけるよう、毎日の地道なスキンケアと生活習慣の改善で少しずつ改善していけると良いですね。
また、こうした気になるニキビ跡の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。