• HOME
  • 記事
  • 体験談
  • ジェルネイルを繰り返したせい!?いつの間にか薄いペラペラの爪に!

ジェルネイルを繰り返したせい!?いつの間にか薄いペラペラの爪に!

爪が薄い アイキャッチ 
体験談

爪がペラペラに薄くなってちょっとしたことで折れ曲がってしまう、お風呂に入ると爪がふにゃふにゃに柔らかくなってしまう…。
30〜60代の幅広い世代の女性のなかには、このような「爪の薄さ」に悩んでいる方もいらっしゃるんのではないでしょうか。

こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を漢方の専門家がお答えしていきます。

今回は「爪が薄くなる症状」をテーマに、薬剤師の竹田由子先生にお話を伺ってみました。 

気づかぬうちに爪が弱く薄く…いったいどうしたら回復できる?

ネイルサロンで施術を受ける女性

優希さん(38歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

若い頃から指の爪が丸っこく短いのが悩みのタネで、数年前から自爪を綺麗にカバーして丈を出してくれるジェルネイルアートにハマっていた私。毎月好きなデザインを見つけては施術してもらい、2〜3週間で爪が伸びたらジェルを剥がしてまた新たにジェルネイルを塗ってUVで固めてもらう、ということを繰り返していたんです。
ところが先日、主人の実家の法事があり、まさかそんな派手な爪もしていけないので、ジェルネイルを全て剥がしてもらってきたんです。そうしたら、久しぶりに触れた自爪にものすごく違和感があって! 
なんだか押すとクニュっと曲がるような、薄くてペラペラの爪になっていて、強めの力を加えるのが怖いほど…。特にお風呂でふやけたときなど、爪とは思えないほどのふにゃふにゃ具合でびっくりしてしまいました。
以前はそこまで弱い爪ではなかったので、たびたびジェルネイルをしたことに原因があるのでは? と思い色々調べたところ、やはりジェルを塗る際に爪の表面をある程度削ってからジェルをのせるタイプの施術をしてしまっていたみたいで…。爪表面を削らずにできるジェルもあったようなのですが、今となっては後の祭りです。
これを気にしばらくネイルはお休みしようとは思いますが、この薄くなった爪、いったいどうしたら少しでも回復できるでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
理想の爪の形を実現するためとはいえ、頻繁にジェルネイルの施術を行うことは、爪の表面を刺激し、ダメージを与える原因になってしまうことがあります。
今回は、爪が薄くなる原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

爪が薄くなるのは乾燥や「肝」の衰えが原因

東洋医学の五臓相関図

爪は皮膚と同様にケラチンというタンパク質の一種で構成されているため、皮膚と同様に栄養不足や乾燥により角質がダメージを受け、薄くなってしまうことがあります。
タンパク質の不足によって爪の栄養が損なわれたり、乾燥によって適切な水分量が保たれなくなること、さらに紫外線によるダメージや頻繁なジェルネイル、アセトンの含まれる除光液の使用することも、爪から油分や水分を奪って爪を薄くさせる原因になります。
また、一度薄くなった部分の爪の再生は難しいため、新たに生えてくる爪を健全に育てる必要があります。

東洋医学では、爪は「血(血液)」の余りでできているとされ、貧血や栄養不足、ストレスから血液を蓄える働きのある「肝」が衰えることで爪の症状が生じると考えられています。

次の章ではこのような「爪の薄さ」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

丈夫な爪を育てるための3つのセルフケア

1.爪や指を保湿してマッサージする

女性の手

肌と同様に爪も紫外線による外的な刺激や乾燥などでダメージを受け、爪が薄く弱くなってしまうことがあります。
水仕事の後や朝晩のスキンケアの後に、手指や爪にも保湿クリームやネイルオイルを塗って潤いを保つようにケアしましょう。特に、ネイルオイルは水分や美容成分が爪に浸透しやすいような配合になっているため、オススメです。
また、指先の血行不良も健康な爪の育成を阻む原因になります。爪が薄く弱くなったことによる割れや欠けを防ぐためにも、しっかりと爪や指の先をマッサージすることが大切です。

2.健康な爪を育てる食材を摂りましょう

タンパク質多めのメニュー

爪への外的なダメージだけではなく、過度なダイエットや食生活の乱れによる栄養不足からも、爪が薄くなったり弱くなったりすることがあります。
健康で丈夫な爪を育てるためには、爪の成分となり、爪にしなやかさと弾力を与えるタンパク質はもちろん、皮膚や粘膜の健康を維持し、ケラチンを作るビタミンAやBを積極的に摂ることが大切です。

◎タンパク質
赤身肉・魚類・大豆・豆腐・乳製品など

◎ビタミンA
鶏レバー・豚レバー・緑黄色野菜など

◎ビタミンB
牛レバー・ウナギ・卵・大豆製品など

3.ストレスを解消して「肝」の働きを高める

東洋医学では、爪は「血の余り」とも言われ、貧血などで血液が不足したり、全身に血液の血液の流れを調節している「肝」の働きが弱まることによって爪が弱くなると考えられています。
「肝」の働きは精神状態の影響を受けやすいと考えられているため、爪の健康を取り戻すためには、貧血にならないように心がけるのはもちろん、ストレスや疲労を溜め込まないことが大切です。
イライラした時は深い呼吸をしたり、アロマエッセンスの香りでリラックスするようにすると良いでしょう。
特に、ミントやシソの香りは鬱々とした気持ちを和らげる効果があります。浴槽に1〜2滴垂らしてアロマ浴をしたり、飲み物に入れて飲んでみるのもオススメです。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

漢方薬

爪が薄さを改善するために、セルフケアなどの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、十全大浦湯(ジュウゼンタイホトウ)です。生命エネルギーである「気」や「血」を補って貧血を改善し栄養状態をよくして、健康的で潤った爪を育てる効果があります。
また、栄養不足から皮膚や爪が乾燥し、加齢やストレスによって疲労感やだるさもある方の、「気」や「血」を巡らせて爪に潤いを与える四物湯(シモツトウ)も良いでしょう。
一方不眠なども伴う方には、酸棗仁湯(サンソウニントウ)もオススメです。

内から外からのケアで強く健康な爪を育みましょう

ハンドケア

今回は、爪の薄さに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状の改善のためには、乾燥や紫外線ダメージのための「外的なケア」と、栄養不足を補うための食生活の改善などの「内的なケア」を同時に行うことが大切です。
また、こうした気になる爪の症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

竹田由子

薬剤師 竹田由子(たけだゆうこ) 臨床薬学専門。病院で10年以上医薬品情報室に長年従事し、医薬品に関する情報に精通。 元漢方・生薬認定薬剤師、薬膳漢方マイスター。 漢方の活用で月経痛時の鎮痛剤を減量できた自身の経験から「日常の不調はまず漢方」をモットーに体の不調を我慢する女性へ対し情報発信している。

プロフィール

関連記事