30過ぎて謎のニキビが顔じゅうに!憧れの東京生活のはずが悲惨な事態

体験談

思春期でもないのに顔じゅうにブツブツとニキビができてしまった。体調の悪さを感じるとともに顔の一部分に集中的にニキビができてしまってつらい……。
30代の大人女性の中には、こうした「大人になってからできるニキビ」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を、医師がお答えしていきます。

今回は「大人ニキビ」をテーマに、医師の青木先生にお話を伺ってみました。

田舎から東京に上京した途端に顔じゅうにニキビ…どう悪化を防げばいい?

沙夜さん(30歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。

田舎生まれ田舎育ちでのんびりと過ごしてきた私ですが、どうしても東京のアパレルで働くことに憧れがあり、親や親戚が持ち込む縁談も退けて密かに努力をしてきました。
その甲斐もあり、去年ようやく東京のアパレル会社に転職できたのはいいのですが……。
田舎の倍速で動いているようなスピード感のある東京の空気感や、会社の人たちのオシャレな雰囲気に圧倒され、緊張とストレスでランチも食べられないほどの日々が続き……。
帰宅しても母が作った夕食が待っているわけもなく、毎晩コンビニ食で過ごしているうちに、顎や頬、口の周りに大量のブツブツニキビが発生してしまったんです。
薬局で買ったニキビ薬を塗ったり、スキンケアを敏感肌用に変えてみたりしたのですが、あまり改善は見られず、どんどん悪化して、赤く腫れて痛いほどになってしまったんです。
こんな顔じゃ会社に行ってもますます恥ずかしいし、美肌という取り柄もなくなってしまい、自信を喪失する一方です。
とにかくこの顔じゅうのニキビだけでもなくなれば、もっと頑張れると思うのですが……。
何か良い改善方法はないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
大人ニキビは思春期にできるニキビと違い、ストレスや睡眠不足、栄養バランスの乱れなどなど、体の内側から起こるものも多いため、外側からの対策だけでは改善しないことも多いのです。
今回は、大人ニキビができる原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

さまざまな外的・内的要因により生じるのが大人ニキビ

大人ニキビとは、主に20歳を過ぎてからできるニキビのことで、思春期ニキビとは発生する部位や原因が異なることがあります。
皮脂の分泌はもちろん、メイクの洗い残しや過剰なスキンケアなどの外的要因と、ストレスや睡眠不足によるホルモンバランスの乱れや食生活の乱れなどの内的要因から生じるものがあり、体の内外からのケアが必要になります。

東洋医学では「肌は内臓の鏡」と言われ、身体の状態が皮膚に反映されると考えられています。
大人ニキビと言われる頬や口周り、顎などにできるニキビも、多くは「血(血液)」と「気(生命エネルギー)」の不足や滞りによるもの、また首から上の部分に余分な熱がこもるために炎症として生じることが多いと考えられています。

次の章では、こうした大人ニキビを改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

大人ニキビを改善するための3つのセルフケア

1.食生活の乱れを改善し、必要な栄養素を摂る

毎日の食生活を整え、必要な栄養素をしっかり摂取することは、大人ニキビの発生や悪化の防ぐためにもとても大切なことです。
大人ニキビの原因となる便通の悪化を防ぐためにも、無理なダイエットや不規則な食生活を改善し、食物繊維の豊富な食材を意識して摂るようにしましょう。
また、肌の材料となるタンパク質、肌の皮脂分泌を抑制して新陳代謝を促してくれるビタミンB2・ビタミンB6、血行促進効果のあるビタミンEの摂取も大人ニキビの改善に有効です。

2.洗顔&保湿を万全にしてバリア機能の回復を

大人ニキビは、過剰な皮脂によって起こる思春期ニキビとは逆に、乾燥によって肌のバリア機能が低下してしまうことでも起こりやすくなります。洗顔は1日2回を基本として、肌をこすり過ぎないように刺激の少ない洗顔料をよく泡立てやさしく洗うことが大切です。
また、メイク落としでファンデーションなどの成分が毛穴に残ることも大人ニキビの原因になりますので、クレンジング剤と洗顔料の併用で、メイクも汚れもしっかり落とすようにしましょう。
洗顔後は、肌への刺激の少ない化粧水や乳液、クリームを使ってたっぷりと保湿して肌の乾燥を防ぐようにすることも忘れないようにしてくださいね。

3.ストレスを解消してたっぷり睡眠をとろう

大人ニキビの発生に大きく関わっているのが、精神的なストレスです。ストレスはそれ自体が皮膚の免疫力を低下させ、肌の再生力を弱めたり、ニキビの炎症を促進したりすることにもなります。
また、ストレスから睡眠不足に陥ると、本来分泌されるはずの成長ホルモンが十分に分泌されないことで肌のターンオーバーが乱れ、ニキビの回復が遅れてしまうこともあるのです。
ストレスを感じるときは、その原因から離れる時間を作るようにし、気分転換をしたりゆっくり休んだりして、考え過ぎたり思いつめたりし過ぎないことが大切です。
適度なエクササイズやアロマオイルを使用した芳香浴、趣味での発散など、自分が楽しいと思えることで上手にストレスを発散できるようにしましょう

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

大人ニキビを改善するために、抗菌剤やビタミン剤の服用、外用薬の塗布などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)です。顔じゅうに赤く炎症したニキビがある方の体に溜まった熱を取り、炎症を鎮めて症状を改善する効果があります。
また、月経前になるとニキビができやすい方には「血」の巡りを良くしてニキビを改善する効果のある桂枝茯苓丸薏苡仁(ケイシブクリョウガンヨクイニン)も良いでしょう。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてください。

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正しいスキンケアと生活改善で大人ニキビのない肌に!

今回は、大人ニキビに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
正しい洗顔とスキンケアで肌を乾燥から守ること、また、食生活や睡眠習慣を改善し、ストレスを溜めない生活を送ることが大人ニキビ改善のための近道になります。
また、こうした気になるニキビの改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

甲斐沼孟

産業医 甲斐沼孟医師。大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部を卒業後、大阪急性期総合医療センター、大阪労災病院、国立病院機構大阪医療センター、大阪大学医学部付属病院、国家公務員共済組合連合会大手前病院を経て、令和5年4月よりTOTO関西支社健康管理室室長。消化器外科や心臓血管外科領域、地域における救急診療に関する幅広い修練経験を持ち、学会発表や論文執筆など学術活動にも積極的に取り組む。 日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医・指導医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、大阪府知事認定難病指定医、大阪府医師会指定学校医、厚生労働省認定臨床研修指導医、日本職業・災害医学会認定労災補償指導医ほか。 「さまざまな病気や健康課題に関する悩みに対して、これまで培ってきた豊富な経験と専門知識を活かして貢献できれば幸いです」

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