動くたびに関節がイタタタ…楽しいはずのテニスが地獄絵図に

体験談

膝の痛みで駅の階段の上り下りがつらい。手首の関節が痛くて家事をするのも一苦労……。
それは、もしかしたら閉経後世代(50歳以上)に起こりがちな「関節痛」かも!?

そんな自分ではどうにもならない閉経後の不調やつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「閉経後の関節痛」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。

関節痛で趣味のテニスも楽しめない…私の老後はお先真っ暗!

美智代さん(57歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

若い頃からテニスが趣味で、更年期を迎える頃まではコートを2時間走り回っていても全く疲れ知らずだった私。でも、50代も半ばを過ぎてからはどういうわけか思うように体が動いてくれなくなってしまって……。
更年期には冷えのぼせや頭痛がひどく、しばらくテニスはお預けだったので、去年から老後の手習いでまた再開してみたんです。
ところが、今度は膝や肘が痛くてろくにボールを打ち返すこともできず、走るたびに「イタタタ…」ボールを打つたびに「イタタタ…」なんてやっているので、ちっとも試合になりません。最近ではテニスどころか家の階段で2階へ上がるのも一苦労という有様で、何か取りに行きたくても痛みのせいで動くのも億劫になる始末。夫が帰って来るのを待っては「アレ取ってきて」「コレ持ってきて」とお願いばかりしているので、最近は夫も帰って来るなり苦虫を噛み潰したような顔で「今日はなんだ!」と怒った様子……。
どうしたらこの痛みから解放されて、以前のように快活な私に戻れるでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
閉経後には急速にホルモンの減少が進み、関節に炎症が起こりやすくなるため、痛みやしびれなどの不快な症状がでることがあります。
今回は、閉経後の関節痛の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

エストロゲンの減少による炎症が関節痛の原因

女性ホルモンのエストロゲンには、免疫系に作用して炎症を抑えたり鎮めたりする効果があると言われています。
ところが、閉経を迎えるとエストロゲンの分泌量が激減してしまうため、閉経後には肩や腰、膝、手首、足首などの関節に炎症が起きやすくなるのです。
初期症状としてはこわばりやしびれから始まる事が多く、次第に炎症が悪化すると、関節を構成する軟骨細胞が減少し、腫れや痛みなどの症状が起こるようになります。

東洋医学では、水分代謝異常による「水毒(すいどく)」、冷えによる「寒証(かんしょう)」、代謝異常などによる「熱証(ねっしょう)」、血の巡りの悪化による「血瘀(けつお)」などの状態になることで関節の痛みが生じると考えられています。

次の章では、こうした閉経後の関節痛に対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。

閉経期の関節痛を緩和するセルフケア3選

1.筋肉量をアップさせる

関節への負担から来る痛みを軽減させるには、関節や骨を支えている筋肉を鍛えることが大事です。
筋肉のもととなる良質なタンパク質と、ミネラルやカルシウムの豊富な食べ物を摂取しながら定期的にエクササイズを行い、筋肉量をアップしていきましょう。
食事をあまり多く摂れない場合は、プロテインで補うのもオススメです。
また、痛みが強い時に無理して体を動かすと症状が悪化してしまうこともありますので、エクササイズは体調の良いときに、無理のない範囲で行うようにしてくださいね。

2.体重コントロールをする

関節への負担を減らすためには、エクササイズで筋肉を増やすとともに、適切な体重コントロールも必要です。
太り過ぎは腰や膝への負担を増やし、関節が炎症を起こすもととなってしまいますので、適正体重をオーバーしている方はダイエットして体重を減らすようにしましょう。
適正体重は下記の計算式で算出できますので、ぜひ調べてみてください。

◎適正体重(kg)の出し方
身長(m)×身長(m)×22

※カロリー制限はあくまでも目安として、体調などを見ながら行いましょう。

3.体を芯から温めて冷えを改善

冬の寒い時期や冷房で冷えた際に痛みが起こりやすい方は、関節までしっかり温める事が大事です。
入浴はシャワーで済ませず、ゆっくりとバスタブに浸かって体全体を内部まで温めるとともに、肩・腰・膝・肘・手首・足首など痛みの出やすい部分は普段から冷やさないように心がけるようにしてください。
また、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEには、血行を促進し、関節を健全な状態に維持する効果がありますので、積極的に摂るようにしましょう。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

閉経後の関節痛を改善するために、市販薬の服用や塗布、ホルモン補充療法を受けるなどの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方にオススメしたい漢方薬は、桂枝加苓朮附湯(ケイシカリョウジュツブトウ)です。
冷え性で体力がない方の体を温め、関節痛や神経痛による腫れや痛みの症状を発散して和らげる効果があります。
また、むくみが強く、水太りの傾向のある方には、体の水分循環を改善して疲労や痛みを緩和する防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)も良いでしょう。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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体を温め、筋肉量を増やして関節をサポートしましょう

今回は、閉経後の関節痛に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
日頃から体を温めることを心がけ、関節を冷やさないようにすることや、適正体重を保ち、関節をサポートする筋肉を育てることを心がけるようにしましょう。
また、関節痛などさまざまな閉経期の症状改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。


中田早苗

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 中田 早苗 薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。ファスティングマイスターとして100名以上のファスティングをサポート。TiktokやInstagramでファスティング・美腸を普及する活動も行っている。

プロフィール

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