なぜか猛烈に足の裏がかゆい!帰宅後のかきむしりタイムが日課に…

体験談

なんだか足の裏が無性にかゆくてたまらなくなるときがある。お風呂の後に足の裏が急にかゆくなることが多い…。

こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「足の裏のかゆみ」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。 

足の裏のかゆみはなぜ起こる? 帰宅後のかゆみとの戦いをやめたい!

綾子さん(41歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。

最近、経理事務の仕事が繁忙期に入ったためにデスクワークの時間が増えてしまい、足の冷えやむくみがひどいんです!
日中はサポートタイプのストッキングを履いてむくまないように気をつけているのですが、そのせいか、このところストッキングを脱いだ瞬間、猛烈に足の裏がかゆくなることがあるんです。
帰宅してパンプスを脱ぎ、ストッキングを脱ぐと、なんだかモワーっと足先まで血が巡るような気がするのですが、そこから10分ほどは謎の足の裏のかゆみと格闘せざるを得ない状態に。帰宅して早々この有り様なので、ゆっくり一息入れる間もなくて疲れ果ててしまいます。
それに空気の乾燥のせいなのか、足の裏もすっかりカサカサに。かけばかくほどかゆみが増してしまうのも悩みのタネです。
なかなか人前ではかけない部分なので、外でかゆみが起きても我慢してしまいますが、家の中ではかき放題なので歯止めが効きません。
いったいどうしたらこの足の裏のかゆみを和らげることができるでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
足が冷えやすく、むくみ対策のためのサポートストッキングなども着用されているとのことなので、乾燥に加えて血の巡りが悪くなっていることもかゆみの原因になっているのかもしれませんね。
今回は、足の裏のかゆみの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

足の裏のかゆみは乾燥や蒸れ、血行不良が原因

足の裏のかゆみは、肌の乾燥によるものや、血の巡りの悪さ、通気性の悪い靴や靴下で蒸れが生じることなどが原因として考えられます。
入浴後に急激に血行が良くなったり、水分の蒸発とともに皮膚が乾燥することでも症状が悪化してしまいます。
また、靴や靴下により足が蒸れると、皮膚がふやけて刺激に敏感になったり、細菌やカビの繁殖が促されて水虫などの感染症の原因にもなることがあります。

東洋医学では、体が冷え「血(血液)」の巡りが悪くなること、さらにストレスなどによる「気(生命エネルギー)」の巡りが悪く、末端まで温かい血が流れなくなることで、足の裏にかゆみが生じると考えられています。

次の章では、このような「足の裏のかゆみ」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

足の裏のかゆみを和らげるセルフケア3選

1.足の通気性を良くして清潔に保ちましょう

足の裏のかゆみがあるときは、まずは足の環境を見直してみましょう。
普段履いている靴が蒸れやすい素材の場合、汗が溜まりやすく、細菌が繁殖する原因になります。症状のあるときは、通気性の良いスニーカーやサンダルなど、風通しのよいものを選ぶことが大切です。
また、靴下は綿や麻素材のものを選んで清潔に保つことや、同じ靴を連続して履かないこと、吸湿性のある中敷に変えることなども有効です。
かゆみや嫌な匂いを発生させないためにも、足の環境を清潔に保ち、良い状態を保つように心がけましょう。

2.体を動かして末端まで血を巡らせること

入浴後に足の裏がかゆくなりがちな方は、お風呂で温まることにより足の末端の血管が急激に押し広げられ、一気に毛細血管に血液が流れることでかゆみが起きている可能性があります。
こうしたかゆみを防ぐためには、普段から手足の末端まで血の巡りが良い状態にしてあげることが大切です。
ウォーキングやランニングなどのエクササイズや、デスクワーク中にもできる足首をくるくる回したり足の指を広げたり閉じたりする運動などを取り入れて、全身の血の巡りを良くするように心がけましょう。

3.足の裏のカサカサを防いで保湿しましょう

他の部位と同様、乾燥することによってかゆみの症状が悪化するのは足の裏も同様です。入浴後は特に乾燥しがちなため、肌の潤いを保つ保湿ローションやクリームなどで足の裏の乾燥を防ぐようにしましょう。
また、かゆみの症状がひどい場合は、市販の塗り薬を使うのも一つの方法です。あまりベタつかないさっぱりしたものを選んで試してみるのもオススメです。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

足の裏のかゆみを改善するために、市販の外用薬や処方薬の服用などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)です。疲れやすく手足が冷えてむくみやしびれなどもある方の、「気」「血」「水(水分)」の巡りをよくして症状を改善する効果があります。
また、足の冷えが強く、足の裏がカサカサと乾燥してかゆみのある方には、体を温めて「水」や「血」の巡りを良くして症状を改善する真武湯(シンブトウ)も良いでしょう。

足の環境を見直して足の裏を清潔に保ちましょう

今回は、足の裏のかゆみの症状に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状の改善のためには、靴下や靴による蒸れを防いで通気性をよくし、しっかり保湿ケアをして、かき壊さないようにすることが大事です。
また、かゆみに加えて、足の爪が黄色に変色または分厚くなってしまったり、足の指の間がジュクジュク湿っていたり皮膚がむけたりしている場合は、水虫の可能性もあるため、一度病院で診察してもらうようにしましょう。

また、こうした気になるかゆみの症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。


中田早苗

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 中田 早苗 薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。ファスティングマイスターとして100名以上のファスティングをサポート。TiktokやInstagramでファスティング・美腸を普及する活動も行っている。

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