娘の育児サポートで日増しに荒れる手…かゆみとひび割れがつらい!

皮膚症状

水仕事が増えるとなんだか手が乾燥してかゆくなる。手のかゆみに加えて赤みや湿疹ができてしまった…。

こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「手のかゆみ」をテーマに、薬剤師の竹田由子先生にお話を伺ってみました。

激増する水仕事で手のかゆみとひび割れが悪化!早期改善の方法は?

美智代さん(52歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

半年ほど前に近くに住む娘が出産しまして、育児の手伝いも兼ねて家事のサポートをするようになったんです。それで、洗濯や炊事などの水仕事が格段に増えたせいか、このところ手の荒れがひどく、かゆいやら痛いやらでたまらない状態になってしまいまして…。
最初のうちはなんだか乾燥してカサカサするな、という程度だったのですが、そのうちゴワゴワと皮膚が硬くなり、かゆくてかきむしっているうちに皮膚がひび割れてしまいました。保湿クリームをつけてもまったく良くならず、かゆみに加えてひび割れの痛みも増すばかり。
見かねた娘が「洗い物は子供が寝たときに自分でやるから大丈夫だよ」なんて言ってくれるのですが、娘の旦那さんも仕事の忙しい人で、たった一人で育児と家事をこなすにはあまりに娘の負担が大きく、可哀想で見ていられません。
どうにかして早くこの手の状態を治して娘や孫の力になりたいと思うのですが、何か良い方法はないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
手のかゆみは重症化すると、湿疹や炎症を繰り返して完治するのが難しくなることもあるため、早めの対処が重要です。
今回は、手のかゆみの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

手のかゆみはバリア機能の低下による乾燥や炎症が原因

手の平には皮脂を分泌する皮脂腺がなく、皮膚表面の角質層の厚みにより手を守っています。しかし、さまざまな摩擦や刺激によりバリア機能が低下すると、乾燥や炎症、ひび割れが起こりやすくなり、かゆみを生じることがあります。
主な原因としては、水仕事などによる洗剤かぶれや手荒れが起こる手湿疹、アトピー性皮膚炎の症状によるものなどがあります。
また、金属アレルギーなどにより手のひらに膿を持った水ぶくれなどができる掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)や、原因がまだはっきり分かっていない汗疱(かんぽう)なども手のかゆみの原因になることがあります。

東洋医学では、皮膚が乾燥し、カサつきやひび割れをともなう手荒れや湿疹を、「血(血液)」の不足による「血虚(けっきょ)」から生じると考えます。また、「血虚」に加え体内の不要な「熱」がこもる「血熱(けつねつ)」により赤みや炎症が生じるとされています。

次の章では、こうした「手のかゆみ」改善のための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

手のかゆみを和らげる3つのセルフケア

1.手指を守るデイリーケアを怠らない

手が乾燥してカサカサし、かゆみが起きている場合は保湿することが基本です。皮膚のバリア機能を正常に回復させるためにも、こまめに十分な量の保湿剤を塗るようにしましょう。
また、水仕事をする際は、洗剤を低刺激性のものに変更し、手袋で手を守って作業するのがオススメです。ただ、ゴム製の手袋が肌に接触することで症状が悪化することもあるため、肌に合わない場合は綿の手袋の上からゴム手袋を着用すると良いでしょう。

また、冬場は空気の乾燥によりさらに皮膚が乾燥するため、外出の際は普段から手袋の着用を習慣づけることも大切です。日頃から仕事や家事で水仕事の多い方は、症状の進行や悪化を招かないよう、日常的なケアを意識的に行うようにしてみてください。

2.炎症がひどい場合は外用薬を塗りましょう

手のかゆみの症状が悪化し、炎症を起こしている場合は、できるだけ手を触らないようにしましょう。かゆみがひどいからといって患部をかいてしまうと、さらに悪化して治りが悪くなってしまいます。
また、ひび割れて傷になっていたり膿んでいたりする場合は、抗生物質の含まれたされたステロイド外用剤を塗ることも有効です。
外用薬は自己判断で使用せず、病院で処方してもらうか、薬局で薬剤師に相談した上で購入したものを使用するのがオススメです。始めは用法用量を守って患部に塗り、炎症がおさまってきたら徐々に回数を減らしていくと良いでしょう。

3.何が原因で起きている症状かを調べること

アトピー性皮膚炎による手のかゆみがある場合は、皮膚のバリア機能が低下しやすい状態にあるために、手湿疹やかぶれなどの炎症も生じやすいと考えられます。なるべくストレスを溜めないように心がけ、ステロイド軟膏などを上手に使いながらアトピー性皮膚炎を和らげるための治療を行っていきましょう。
また、ケアをしても症状が改善しない場合は何らかのアレルギーが原因となって起こる「掌蹠膿疱症」などの可能性もありますので、皮膚科を受診して原因となっているアレルギー物質を調べてみるようにしましょう。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

手のかゆみを改善するために、市販の外用薬や処方薬などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、消風散(ショウフウサン)です。熱感やカユミが強く、じゅくじゅくした湿疹に適していて、皮膚の赤みやカユミを発散させて炎症を抑え、分泌物をおさえ、排膿を促します。
また、乾燥による手指のカサつきやかゆみの症状がある方には、血行を促し肌に栄養と潤いを与えてかゆみの症状を和らげる効果のある当帰飲子(トウキインシ)も良いでしょう。
一方、乾燥やかゆみがひどいだけでなく、月経に伴うのぼせや手足のほてり、イライラなどもあるようであれば温清飲(ウンセイイン)がおススメです。

慢性化しやすい手のかゆみは悪化させないことが大切

今回は、手のかゆみに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。手をかき壊さないように気をつけ、水仕事の際に工夫して症状を悪化させないようにすることが大切です。
また、炎症がひどくなってしまった場合は無理せず病院で診察してもらうようにしましょう。
また、こうした気になるかゆみの症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

竹田由子

薬剤師 竹田由子(たけだゆうこ) 臨床薬学専門。病院で10年以上医薬品情報室に長年従事し、医薬品に関する情報に精通。 元漢方・生薬認定薬剤師、薬膳漢方マイスター。 漢方の活用で月経痛時の鎮痛剤を減量できた自身の経験から「日常の不調はまず漢方」をモットーに体の不調を我慢する女性へ対し情報発信している。

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