霜降りカルビ肉で悲劇が…吐き気と胃痛で焼肉パーティが台無しに!

体験談

お腹いっぱい食べた後に胃痛とともに気持ち悪さを感じることがある。食後に胃の膨満感や痛みとともに胃液がこみ上げてくる…。

こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「吐き気をともなう胃痛」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。

以前の快食ぶりはどこへ? 食後の気持ち悪さと胃痛がつらい…

千晶さん(39歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。

昔から食べることが大好きで、嬉しいことがあれば美味しいものを食べてお祝いし、悲しいことがあれば美味しい食事で悲しみを癒していた私。
ところが、40代を目前に控えた今、年齢のせいか以前のようにボリュームたっぷりなものを盛大に食べることができなくなってしまったんです。ちょっと食べ過ぎたかな、と思うと胃がムカムカして気持ち悪くなってしまうように…。
先日も、後輩のお誕生日祝いで「焼肉食べ放題」をリクエストされたので、会社の同僚を誘って数人で私の家で焼肉パーティをしていたのですが、勢いよくお肉を平らげていく20代の後輩を尻目に、早々に私はギブアップ。
特に霜降りのカルビ肉がダメだったようで、何切れか食べたところで異様に気分が悪くなり、あまりの吐き気と胃の痛みに冷や汗が出てくるほどでした。
みんなが帰宅しても胃の痛みと吐き気は収まらず、胃薬を飲んで少し落ち着きましたが、その後しばらくはスーパーで売っている肉のパックを見るのもつらいほどで、本当に嫌になってしまいました。
以前のように美味しく食事を楽しめるようにするには、どうしたら良いのでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
吐き気をともなう胃の痛みは、暴飲暴食によって胃が荒れたり、胃腸機能が低下したりすることによって起こることが多いと考えられています。
今回は、吐き気をともなう胃痛の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

胃の炎症と「気虚」が吐き気をともなう胃痛の原因

吐き気をともなう胃痛は、さまざまな原因で起きる胃粘膜の炎症によるものが多く、日常的にも起こりやすい症状です。
胃の炎症には、大きく分けて暴飲暴食やストレスなどの刺激によるものと、ピロリ菌などの細菌による感染症やアレルギーなど体の内部から起こるものとがあります。
例えば胃腸機能が低下して起こる逆流性胃腸炎や、コーヒーやタバコなどの嗜好品や辛いものの摂取、風邪薬や鎮痛剤などが原因となる場合もあります。

東洋医学では、吐き気が起こるのは「気(生命エネルギー)」の不足による「気虚(ききょ)」の状態、あるいは「水(水分)」のバランスの悪化による「水毒(すいどく)」の状態と考えられています。

次の章では、このような「吐き気をともなう胃痛」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

吐き気をともなう胃痛を緩和する3つの対策

1.症状にあわせて適確な体の向きで安静に

脂ものや繊維質の多いものを大量に摂ってしまうことで、食べたものが胃にもたれたり、胃の中で消化されずにいつまでも残ってしまったりして吐き気が起こることがあります。
食べ過ぎて気持ちが悪くなってしまったら、症状が治まるまでは横になって安静にしましょう。
横になるときは、食べたものを腸に流れやすくして消化をサポートするためにも、右側を向いて(体の右半身を下にして)横になるのがポイントです。
ただし、逆流性食道炎などにより、食道に炎症がある場合は食道へ食べたものが逆流するのを防ぐため、左側を向いて横になるようにしましょう。

2.ストレスケア&質の良い睡眠を心がける

疲労やストレスの蓄積、睡眠不足が続くことで自律神経が乱れることも、吐き気をともなう胃痛を招く原因になることがあります。
ストレスを感じるようなことがあっても、できるだけ早く気持ちを切り替え、深い呼吸をしてリラックスすることを心がけてみましょう。
また、夜はお風呂にゆったりと浸かり、体が冷えないうちに寝床につくことで、心地よい睡眠につなげることも大切です。

3.胃酸過多を招く生活習慣を改善する

胃酸の分泌が過剰になることで、胃酸が食道に逆流して吐き気や胸焼けを起こしたり、胃粘膜が傷ついて逆流性食道炎を起こしたりすることがあります。
さらに炎症が悪化すると、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などを招くことがあるため注意が必要です。
胃酸の過剰分泌は、高脂質の食事やアルコールの摂取、喫煙習慣などによって起こることが多いため、症状のあるときはできるだけそういったものを避けるようにしましょう。
また、睡眠不足や不規則な生活が常態化している場合は、早急に改善することが大切です。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

吐き気をともなう胃痛を改善するために、市販薬や処方薬の服用などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、大柴胡湯(ダイサイコトウ)です。
体力はあるけれど便秘がちで、みぞおちの張りや吐き気のある方の体の熱や炎症を沈めて症状を和らげる効果があります。
また、逆流性胃腸炎などによる吐き気のある方には、胃の働きを高めて体内の水分の停滞を解消し、症状を改善する効果のある茯苓飲(ブクリョウイン)も良いでしょう。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
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胃に優しい生活習慣を心がけて症状を改善しましょう

今回は、吐き気をともなう胃痛に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
こうした症状を予防して美味しく食事を楽しめるようにするには、自分の体調に合わせて適切な食事量を摂るよう心掛け、胃酸の過剰分泌を招く生活習慣を改善していくことが大切です。
また、こうした気になる胃の症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

中田早苗

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 中田 早苗 薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。ファスティングマイスターとして100名以上のファスティングをサポート。TiktokやInstagramでファスティング・美腸を普及する活動も行っている。

プロフィール

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