どう治す? 眉間周りの憎い奴…中学時代の黒歴史「黒ニキビ」が再発!
ポツッと膨らんだニキビの先端が黒っぽくなってきた。白っぽかったニキビがなんだか黒ずんできて洗っても綺麗にならない…。
30代の大人女性のなかには、このような「黒ニキビ」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。
こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。
今回は「黒ニキビ」をテーマに、薬剤師の竹田由子先生にお話を伺ってみました。
目次
過去に悩んだ黒ニキビが再発、大人になった私はどう対処すればいい?
綾子さん(38歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。
「仕事の忙しさから寝不足が続いていたせいか、このところ急にプツプツした細かいニキビが眉間や頬骨あたりにパラつくようになってしまいました。
しかも、触れたときのザラザラ感が気になって無意識に触ってばかりいたせいか、鏡に近づいてまじまじとニキビを眺めてみてびっくり! 眉間の一部のニキビがいくつも目立つ黒ニキビになっていたんです…。
もともとオイリー肌で皮脂の分泌が激しいのか、中学・高校とずっとこの黒ニキビには悩まされてきたんです。
高校2年生のときには、このニキビのせいで好きだった人にも見事に振られました。
別に私から告白したわけではないのですが、運良くその好きな人と席が隣同士になれたときに、彼がまじまじと私の横顔を見ているので、「どうしたの?」と聞いたんです。
そうしたら「いや、君の肌、黒いブツブツがゴマみたいだなーと思って。」なんて言ってきたんです。そりゃあもうショックでしたよ。その日から半年くらいはゴマを見るたびに悲しい気持ちになる程でした。
そんな私の黒歴史が40近くになって再現されるなんて。あの頃は何もできませんでしたが、いい大人になった今は、どうにかこの黒いブツブツニキビをさっさと消滅させてやろうと思っています。何か良い改善方法はないでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
黒ニキビは、ニキビのなかでは比較的初期段階の症状ですので、早めのケアを行えばホームケアや生活改善により、十分に対策することができます。
今回は、黒ニキビができる原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。
皮脂の酸化と「血瘀」が黒ニキビの原因
ニキビのでき始めの「白ニキビ」の状態から症状が進行し、毛穴につまった皮脂が空気やホコリに触れて酸化し、先端が黒っぽく見えるようになった状態が「黒ニキビ」です。
黒く見えるのは、酸化した皮脂やメラニン色素によるものですが、そのまま放置することにより、悪化や炎症につながるため早めのケアが必要です。
他のニキビと同様にホルモンバランスの乱れによるものや、油分の含まれる保湿コスメによる過剰なスキンケアが原因となっていることもあります。
東洋医学では「肌は内臓の鏡」と言われ、身体の状態が皮膚に反映されると考えられています。
特に黒ニキビは、冷えやストレスなどによる血行不良から「血(血液)」が滞り、「血瘀(けつお)」の状態になることで生じることが多く、月経前に悪化することもあります。
次の章ではこうした黒ニキビを改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。
黒ニキビを改善するための3つの対処法
1.スキンケアの「過剰」をやめてみましょう
黒ニキビの改善のために1日に何度も洗顔したり、皮脂を除去するような洗顔料やスキンケアアイテムを使用したりするのはやめましょう。
皮脂を取り過ぎることで必要な皮脂までなくなってしまうと、かえって過剰な皮脂分泌を促してしまうことになります。
また逆に、油分の多いクリームをたっぷり塗って、肌に栄養を与えすぎるのも皮脂の酸化を招き、黒ニキビができるもとになってしまいます。
ニキビ対策としてのスキンケアは、過剰にし過ぎないことが大切です。
2.冷えを改善し、血の巡りを良くしましょう
黒ニキビの原因には、冷えやストレスによる血行不良、疲労によるホルモンバランスの崩れも大きく影響しています。
夏場でも冷たい飲み物をガブガブ飲むようなことはせず、体を冷やさないようにし、血の巡りをよくするウォーキング等の運動を毎日少しずつでも取り入れるようにしましょう。
また、ホルモンバランスを整えるためには、決まった時間に就寝、起床して良質な睡眠をとり、疲れをその日のうちに取ってしまうことも大切です。
夜更かしせず、決まった時間に就寝・起床することで、その日の疲れはその日のうちに取るように心がけましょう。
3.週に1〜2回の角質ケアを取り入れましょう
黒ニキビによって毛穴が黒く見えるのが嫌で、角栓を取り除くシートに過度に依存してしまう方もいますが、こういったものは刺激が強いためオススメできません。
無理やり角栓を取ることでかえって毛穴を広げ、乾燥の悪化を招いてしまいます。
黒くなった部分は急激に排除するのではなく、肌のターンオーバーを促すことでゆっくり改善することが大切です。毎日の洗顔に加えて、週に1〜2回は肌に優しいフルーツ酸などのピーリングを行い、黒ニキビを改善していきましょう。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
黒ニキビを改善するために、冷えないような生活をこころがける、ピーリングなどの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)です。炎症を起こす前の初期のニキビの症状がある方の、余分な熱を除き水分代謝を促し、皮脂の酸化を防いで黒ニキビを改善する効果があります。
また、冷えのぼせがあり、目の下のくまなど血の巡りが悪い方のニキビ症状には、血流を良くして皮膚代謝を促す桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)も良いでしょう。
適切な角質ケアでターンオーバーを促しましょう
今回は、黒ニキビに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
毛穴に詰まった皮脂が酸化することによって起こる黒ニキビを改善するためには、過剰なスキンケアを避け、ターンオーバーを自然な形で促してゆっくりとケアをすることが大切です。
また、こうした気になるニキビの改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。