夏バテで胃がムカムカ…毎晩そうめんかお蕎麦の二択状態に夫が撃沈!
連日の猛暑に嫌気がさして冷たいものを食べ過ぎたら、胃がムカムカして吐き気を催してしまった、体のだるさと吐き気で胃がもたれて苦しい……。
30〜60代の幅広い世代の女性の中には、こうした「夏バテによる吐き気」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。
このような自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。
今回は「夏バテによる吐き気」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。
目次
台所に立つと吐き気が増す!?︎ 夏バテで食事の支度もおっくうに!
美香さん(47歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。
このところ、子供時代には経験したことのないような酷暑が続き、すっかり参ってしまっています。あまりの暑さにちょっと近くのスーパーにいくだけでもヘトヘトに。
帰宅して涼しい部屋に戻ってきても、冷たい飲み物を摂り過ぎているせいか、だるさと胃のムカムカに襲われ、テキパキと家事をこなすこともままなりません。
大学生の息子はバイトとデートに明け暮れているためあまり家に寄り付かないのでいいのですが、リモートワークでしょっちゅう自宅にいる夫の毎度の食事の支度をするのが面倒くさくって!
特に、食事の支度をしていると胃のあたりにこみあげるような吐き気があり、凝った料理を作る気にはなれません。自分でも、もう少し食卓に彩りを、なんて思うのですが、何か食べるたびに胸焼けすることもあり、そうめんやお蕎麦を茹でるだけで済ませてしまうこともたびたびです。
夫がもの言いたげに冷蔵庫をガサガサあさっては何かおかずになるものを見つけているのをみると可哀想だなあ、とは思うのですが、吐き気を我慢して料理する気にもなれずにいます。どうしたらこの嫌な吐き気を解消することができるでしょうか。何か良い改善方法があれば教えてください。
ご質問ありがとうございます。
猛暑の屋外と冷房の効いた部屋を行き来することで自律神経が乱れると、交感神経が優位になりすぎて胃腸の働きが低下し、吐き気や胃のむかつきなどが起こることがあります。
今回は、夏バテによる吐き気の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。
夏バテによる吐き気は、胃の冷えによる機能低下が原因
爽やかで過ごしやすい春から一転、じめじめとした梅雨が終わった途端に猛暑が訪れる夏は過剰な暑さや湿気によって体力が奪われ、自律神経が乱れがちです。
こうした体の働きの低下からさまざまな体調不良が起こることを夏バテといい、特に吐き気をともなう夏バテ症状は、冷たいものの摂り過ぎや冷房によって胃が冷えて機能が低下することによって生じると考えられます。
また東洋医学では気温や湿度の高さによる疲労に加え、五臓のうち胃腸をつかさどる「脾(ひ)」の働きが低下することでさまざまな不調が生じ、「夏バテ」が起こると考えられています。
次の章ではこのような「夏バテによる吐き気」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。
夏バテによる吐き気を改善するセルフケア3選
1.胃に優しい消化の良い食事を心がける
不規則な食事習慣は胃腸に余分な負担をかけ、吐き気の原因になることがあります。
特に、夜遅くに食事を摂ってすぐに寝てしまうと、消化不良を起こすのはもちろん、胃酸が食道へ逆流し、胃もたれの原因になることがあります。
できるだけ規則的な間隔で食事をし、寝る3時間前には食事を済ませるようにすること、また夜遅くに食事をする場合は、極力胃に負担の少ない消化の良い食べ物を取るように心がけましょう。
2.夏は室内にいても水分補給を忘れずに
体がぐったりしてだるさや食欲不振などもともなう吐き気がある場合は、胃を休めることを優先してください。無理して食事を取る必要はありませんが、水分不足による脱水や熱中症に注意しながら回復を目指しましょう。
夏は外出時に汗をかくのはもちろん、室内にいて気づかないうちに汗をかいていることも多く、睡眠時の発汗によっても水分が失われがちです。
外出時はもちろんのこと、室内にいるときもこまめな水分補給をし、適度な塩分を摂ることが大切です。ミネラルや塩分がバランスよく含まれた常温のスポーツドリンクなどを飲み、たっぷりと睡眠をとるようにしてくださいね。
3.スパイスを取り入れて消化のサポートを
胃のむかつきや不快感を感じるときには、胃の働きを良くして消化をサポートする効果のあるハーブやスパイスを取り入れるのも良いでしょう。
特にオススメなのは、シナモン・カルダモン・ショウガ・コリアンダーなどさまざまなハーブが含まれる温かいチャイティー。
体を温める効果はもちろん、胃腸の働きを高め、吐き気を抑える効果のあるハーブやスパイスが多く含まれるため、夏バテによる胃の不快感を感じるときにはぜひ取り入れてみてください。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
夏バテによる吐き気を改善するために、セルフケアに加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、六君子湯(リックンシトウ)です。体の冷えが強く、食欲が落ちて疲労感のある方の「気(生命エネルギー)」を補い、消化をサポートして胸焼けや吐き気を和らげる効果があります。
また、みぞおちに張りやつかえを感じる方は、胃に溜まった熱や炎症を冷まして胃腸の働きを良くする効果のある半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)も良いでしょう。
自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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胃腸の冷えを防ぎ、自律神経を立て直しましょう
今回は、夏バテによる吐き気に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
猛暑や酷暑の日にはつい冷たいものを摂り過ぎたり、冷房の温度を低くし過ぎたりしてしまいがちですが、自律神経の失調を防ぐためにも体や胃を冷やし過ぎないことが大切です。
また、頭痛やだるさをともなう吐き気がある場合は、熱中症の初期症状の可能性もあるため、体調が改善せず悪化する場合は早めに病院を受診しましょう。
こうした気になる夏バテ症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。