やめられない深夜のゲームと長時間のデスクワークで「ドライアイ」に!
長時間スマホの画面で動画を視聴していたら目が乾いてゴロゴロしてきた、デスクワークでパソコンのモニターを見ているうちにみるみる目が乾いて違和感を感じる……。
30代の女性のなかには、こうした「ドライアイ」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。
このような自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。
今回は「ドライアイ」をテーマに、医師の青木先生にお話を伺ってみました。
目次
コンタクトレンズがズレ落ちるほどの目の乾き…「ドライアイ」はどう治す?
結愛さん(34歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。
このところ携帯のアプリゲームにハマってしまい、深夜までやめられずに寝不足が続いています。当然、出社しても眠気との戦いなのですが、それ以上につらいのが長時間パソコンのモニターに向き合っているときの目の乾きです。数字の打ち込みをしていても数字がボヤけて見えづらかったり、目がかすんでエクセルのどこの行に打ち込んでいるのかわからなくなったりするため、簡単な作業ですら時間がかかり、疲労困憊の毎日です。
先日も作業に必死になるあまり、まばたきするのも忘れて集中していることに気づき、慌ててまばたきしようとしたら、目が乾燥しすぎてソフトコンタクトレンズがパサッとずれ落ちてきてしまったほど……。これはいけないと思い、近所の眼科に行ったところ、案の定「ドライアイ」と診断され、目を潤す効果のある目薬を処方してもらうことになりました。
当面はコンタクトレンズをやめてメガネで過ごし、定期的に点眼する日々ですが、どうもスッキリ解消しません。相変わらず目が乾くので、目のかゆみやチクチクする感じがあって、不快で仕方ないんです。何か良い改善方法はないでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
近年、働き盛りの世代でドライアイに悩む方が増えていますが、急速なデジタル化やスマホの利用時間の長期化などの現代的な生活スタイルに原因があると考えられています。
今回はドライアイの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。
ドライアイの原因は加齢や環境による涙のバリア機能の低下
通常、目の表面は涙によってバリアのように覆われ守られていますが、加齢や環境により涙の量が不足したり、涙の質のバランスが崩れることによって涙が均等に行き渡らなくなったりして、目の表面に傷ができることがあります。これにより目の乾きや疲れやすさが生じる症状を「ドライアイ」といいます。ドライアイの主な原因は、目の老化に加え、パソコンやスマホ、タブレットの長時間の使用による目の酷使や、空調や煙草の煙、コンタクトレンズの長期装用による外的な環境要因も挙げられます。
東洋医学では、目は五臓のうちの「肝(かん)」と関係が深いとされ、「肝」の衰えによって血流が悪化したり、血液や栄養が不足することで目の乾きが生じると考えられています。
次の章ではこのような「ドライアイ」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。
ドライアイを改善する簡単セルフケア3選
1.意識的にまばたきの回数を増やすこと
長時間のデスクワークでパソコンのモニター画面を見続けると、無意識にまばたきの回数が減ってしまうことがあります。
まばたきの回数が減ることによって涙が蒸発して不足し、目の乾きを悪化させてしまうことがあるため、意識的にまばたきを繰り返して涙の分泌を増やし、目全体の潤いを増やすようにしましょう。
また目の乾きを防ぐためには、こまめに休憩をとり、作業中にエアコンや扇風機からの風が目に直接あたらないような作業環境を整えることが大切です。
2.生活習慣を改善して目の疲労を解消する
夜更かしによる睡眠不足や、精神的・身体的なストレスの蓄積は、自律神経の乱れを招き、涙液の分泌量をさらに減らしてしまいます。
仕事で目を酷使したあとも、深夜までネットサーフィンやゲームをして夜更かししている、という方はいますぐ生活改善をしましょう。三食きちんと栄養バランスのとれた食事をとり、適度な運動で血の巡りを良くし、たっぷりと睡眠をとって目を休ませること。
こうした規則正しい生活を送ることがドライアイの慢性化を防ぎ、症状を改善する近道になります。
3.目の周りを温めて血流を改善しましょう
すぐに目が乾いて目がゴロゴロする、涙の分泌が減っている、と感じるときは、目や目の周辺を温めてみましょう。目の周りの血流が良くなり、筋肉がほぐされて疲労解消に繋がるのはもちろん、涙を目にとどめておくための油分を分泌する「マイボーム腺」の活動が促進され、目の乾燥を防ぐことができます。
目を温めるには、40℃ほどに温めたホットタオルを目元にあてるのがオススメです。また最近では市販の目元用温熱シートもあるので、そういったものを活用すると良いでしょう。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
ドライアイを改善するために、市販の目薬やサプリの服用などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、杞菊地黄丸(コギクジオウガン)です。目の疲れやかすみ、充血、視力の低下のある方の体の余分な「熱」や水分を取り除き、「腎」や「肝」を補って症状を改善する効果があります。
また、加齢にともなって目の疲労感や乾燥が強くなってきた方には、「腎」の機能を回復させて目の症状を改善する効果のある六味地黄丸(ロクミジオウガン)も良いでしょう。
自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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不摂生な生活を改めて涙液の分泌を促進しましょう
今回は、ドライアイに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状の改善のためには、目の疲労やストレスを溜め込まないように生活習慣を改善することや、作業中に目の乾きを感じたら意識的にまばたきの回数を増やすこと、目の周りを温めて血流を改善することが大切です。
また、こうした気になる目の症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。