寒さに体を縮こめていた冬の朝、突如襲ったふくらはぎの痛みに悶絶!
寒くて手足が冷えるときに限ってふくらはぎをつりやすい、明け方にふくらはぎがギュッと縮こまるようにつることが多い……。
30〜50代のミドルエイジ世代の女性のなかには、このような「ふくらはぎがつる症状」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。
こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を、医師がお答えしていきます。
今回は「ふくらはぎがつる症状」をテーマに、内科医の田中先生にお話を伺ってみました。
目次
冷えと運動不足のせい!? ふくらはぎの筋肉のけいれんに冷や汗MAX!
美恵さん(45歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。
極度の冷え性のため、寒い季節は昔から苦手な私。特に明け方の冷えこみがつらく、寒い朝に限って寝起きにふくらはぎがつってしまうことが多くて悩んでいます。
去年の冬も、布団に入っているにも関わらず足先が冷え、寒さで目覚めて伸びをしようとしたら、ふくらはぎの筋肉がギューンと縮こまったようになり、動かなくなってしまったんです。動かそうとするとピキピキと痛みが走り、冷や汗が出てくるほど! 足の指なら何度かつったことがありますが、ふくらはぎがつるのはそのときが初めて。
「伸ばさなきゃ!どうにかしてこの縮こまった筋肉を伸ばさなきゃ!」と焦ってもがいた挙句、壁に足の裏をグイグイと押し付けてどうにかふくらはぎの筋肉を伸ばし、ようやくことなきを得ました。またこんなことが起きたらどうしよう、なんて思っていたのですが、それ以来春〜夏と、暖かい季節には全くそんなことは起こりませんでした。寒い時期はどうしても動きたくなくて運動不足になることや、寒さで縮こまって眠っていることも原因になっているのかもしれません。あのどうにもならない痛みと筋肉のけいれんを二度と味わいたくないのですが、何か良い予防策や改善方法はないでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
冷えの強い方は寒い時期は特に体を縮こめた体勢を取りがちになるため、無意識に筋肉の緊張状態が続き、筋肉の疲労がたまってふくらはぎをつりやすくなると考えられます。
今回は、ふくらはぎがつる原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。
ふくらはぎがつるのは筋肉疲労と冷えなどが原因に
自分の意思と関係なく筋肉が硬直し、けいれんすることを「つる」と言い、ふくらはぎのことを「こむら」と呼んでいたことから、ふくらはぎを中心に足の裏の筋や指やがつることを「こむら返り」とも言います。
ふくらはぎは全身に血液を巡らせる大切な役割を持つため、ふくらはぎの筋肉が冷えると血の巡りが悪くなり、つりやすくなると考えられています。こうした冷えや筋肉疲労に加え、食生活の偏りや脱水により体内の水分やミネラルが不足し、筋肉の代謝が不足することもふくらはぎがつる原因になります。
また、糖尿病や動脈硬化、末梢神経の障害をともなう慢性疾患がある方は症状を引き起こしやすいと言えるため、注意が必要です。
東洋医学では、こうした症状は「気(生命エネルギー)」と「血(血液)」が一時的に不足した状況で生じるとされ、体に不足した栄養を補うことが大切だと考えられています。
次の章ではこのような「ふくらはぎがつる」症状を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。
ふくらはぎがつる症状の予防&対処法3選
1.足の冷え対策を心がける
ふくらはぎをつりにくくするための予防策としては、足の冷え対策が大切です。
就寝前にゆったりと湯船に浸かって体全体を温めることも有効ですが、足裏にはたくさんのツボがあるため、足を温めて刺激すれば、足湯だけでも全身を温めることができます。
就寝時にふくらはぎをつりやすい方は、寝るときにレッグウォーマーを着用するのもオススメです。締めつけの強いものはかえって血の巡りを妨げてしまうこともあるため、ふくらはぎから足首を優しく包んで温めてくれるものを選びましょう。
2.就寝前に水分補給をして脱水を避ける
寝入りばなや就寝中にふくらはぎがつりやすい方は、寝る前に常温のスポーツドリンクで水分補給をしましょう。
睡眠時の発汗により脱水症状が起こることで症状が起きやすくなることもあるため、就寝前に水分とミネラルを補給することが予防につながります。
ただし、就寝前に水分を摂り過ぎると体の冷えやむくみを招くこともあるため、常温か温めた飲み物をゆっくりとコップ1杯だけ飲む程度にしましょう。
3.食で栄養を補い、筋肉疲労や血行不良の改善を
ふくらはぎがつる理由の一つに、必要な栄養分の不足が挙げられます。症状が起こるのを予防するためには、筋肉疲労の解消に役立つタウリンやビタミンB1を含む食材、カリウムを含む鶏肉や牛肉、大豆食品や酢などの食材を積極的に摂るように心がけましょう。
また、冷えから血の巡りが悪くなっている時には、血流を良くして体を温める効果のある赤身肉やクコの実、生姜やナツメなどを摂ると良いでしょう。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
ふくらはぎがつる症状を改善するために、セルフケアに加えて根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)です。
冷えや発汗による脱水からふくらはぎの筋肉のけいれんを起こしやすい方の不足している「気」や「血」を補い、けいれんを鎮めて症状を緩和する効果があります。
自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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冷え対策と栄養&水分補給を心がけましょう
今回は、ふくらはぎがつる症状に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
日頃から体や足を冷やさないようにし、食生活で栄養や水分を補い、筋肉をしなやかに保って脱水を避けることが大切です。
また、頻繁にふくらはぎがつる方や筋肉に力が入りにくくなる方、思い当たる要因がないのに症状が起こる方は、大きな病気の可能性もあるため、一度病院を受診してみましょう。
こうした気になる症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。