顔・手・脚の「むくみ」を改善するセルフケアと効果的な漢方
多くの女性を悩ませる「むくみ」。
むくみがひどいと、その人の見た目の印象にも大きく影響するので気になりますよね。
ここではむくみが起きやすい場所を部位別に分け、原因や対処法、効果的な漢方薬について紹介していきます。
目次
顔の「むくみ」の原因と効果的な漢方
パンパンにむくんだ顔で、太ったように見える自分の姿にショックを受けた経験のある女性もいらっしゃることでしょう。
ここではホルモンバランスが乱れがちな30〜40代の女性に起こりやすい「顔のむくみ」の原因と対処法、効果的な漢方薬について解説していきます。
顔の「むくみ」の原因
顔のむくみは、顔の皮膚下で余分な水分が滞った状態。朝の起床時に重力の影響で起こりやすいのが特徴です。
また、ストレスや寝不足で自律神経が乱れることもむくみの原因になります。
東洋医学では、むくみは「気・血・水(生命エネルギー・血液・水分)」のバランスの崩れによって起こるとされ、主に顔のむくみは排泄を司る「腎(じん)」の衰えによって起こることが多いと考えます。
顔の「むくみ」を改善するセルフケアと漢方
顔のむくみを改善するには、血流を改善することが重要です。マッサージでリンパや血液の流れを改善しましょう。
特に鎖骨のリンパを流すことでスッキリ小顔を期待できます。
鎖骨は静脈に沿って網目状に走るリンパの最終地点で、老廃物の出口と言われます。
力を入れず撫でるようにマッサージし、老廃物の排出を促してむくみを改善しましょう。
むくみやすい時は身体が疲れて代謝が落ちているサイン。
睡眠不足は自律神経の乱れを起こし、体内の水分代謝を低下させて顔のむくみを引き起こします。
むくみを改善するためにも、普段より早く就寝して疲れをとりましょう。
根本的な体質改善には漢方薬もオススメです。
身体に溜まった余分な「水」を流し、一時的な「水滞」の状態を改善する効果のある「五苓散(ゴレイサン)」や、月経前にむくみを起こしやすい方には「血」を補いながら巡りを良くして水分バランスを整える「当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)」も効果的です。
脚の「むくみ」の原因と効果的な漢方
するっと履けたはずのブーツがきつい。長時間のデスクワークの後で立ち上がったら脚がパンパンにむくんでいた…。
1日の終わりに、手強い足のむくみに悩まされている女性も多くいらっしゃることでしょう。
ここでは脚のむくみの原因と対処法、効果的な漢方薬について解説していきます。
脚の「むくみ」の原因
運動不足や筋肉量の少なさは、脚のむくみを引き起こす大きな原因となります。
下半身の筋肉の働きが弱いと、温かい血液を全身に送ることができず、内臓の血流が悪化することによってむくみが起こりやすくなります。
長時間同じ姿勢をとることでも、全身に血が巡らず、腎臓や膀胱の排泄と代謝機能が低下して、むくみや冷えにつながります。
東洋医学において脚のむくみは、心臓の働きを司り全身に血液を送り出す働きのある「心」の衰えによって起きやすいと考えます。
脚の「むくみ」を改善するセルフケアと漢方
塩分を摂りすぎると、身体の塩分濃度を下げようとして水分を取り込み、むくみが強く出ることがあります。
お酒を飲む時も、味の濃いおつまみを食べながらの一杯は避けましょう。
筋肉量の差はむくみやすいか、そうでないかの差となって表れます。
脚の筋肉量が少なく筋力が衰えていると、血流が悪くなってむくみが生じます。
ランニングやウォーキング、つま先の上げ下げやスクワットなどでふくらはぎの筋肉を鍛え、むくみにくい体質に変えましょう。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的です。
脚がむくみやすい方の水分代謝を良くして、身体に溜まった「水」を排出する「防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)」や身体を温めて穏やかな発汗を促すことで水分を排出する効果のある「桂枝加苓朮附湯(ケイシカリョウジュツブトウ)」がオススメです。
手の「むくみ」の原因と効果的な漢方
若い頃には気にならなかったのに、最近指輪がキツくて抜けなくなりむくみに気付いた…。そんな悩みをお持ちの女性もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここでは手のむくみの原因と対処法、効果的な漢方薬について解説していきます。
手の「むくみ」の原因
手のむくみは、体内の余分な水分が手に溜まることで生じます。
通常、摂取した水分は腸で吸収されて、血液とともに全身を巡り、排出されます。
けれども、水分の摂りすぎなどで水分が腸から吸収されなくなると、手や指に溜まってむくみとして表れます。
東洋医学では、水分を身体に取り込んで巡らせる働きをする「脾」の衰えにより「水」が巡らずに「水滞」の状態となることで手指のむくみが起こると考えられます。
手の「むくみ」を改善するセルフケアと漢方
手のむくみを改善するには、手足を温めて血行を良くすることが一番です。
40℃ほどのお湯で5分ほど手を温めて、手首までしっかりとつけて5分ほど手浴をします。
十分に手が温まったら、ハンドクリームをつけながら手指をもみほぐすようにハンドマッサージをしましょう。
重力で溜まった水を流し、血の巡りを良くしてむくみを改善する効果のある「むくみ取り体操」も効果的です。
まずは、手をバンザイするように高く上げます。
そのまま手の平を上向きにして、グッと握り拳を作るように握って3秒キープします。
次に、指を思い切り広げて「パー」の形にして3秒ほどキープします。
それぞれの動作の時に拳を回したり、手のひらを振ったりしながら何回か繰り返すと血行が良くなりますので、実践してみてください。
漢方薬による根本的な体質改善もオススメです。
水分代謝を促して、「水滞」の状態を改善する効果のある「五苓散(ゴレイサン)」や、血を補って巡りを良くする「当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)」などが効果的です。
まぶたの「むくみ」の原因と効果的な漢方
朝起きて鏡をみてビックリ。まぶたが腫れぼったくてひどい顔…。
ホルモンバランスが乱れがちな30〜40代の女性には、このようなまぶたのむくみにお悩みの方も少なくありません。
ここではまぶたのむくみの原因と対処法、効果的な漢方薬について解説していきます。
まぶたの「むくみ」の原因
特に皮膚の薄いまぶたは、むくみが生じると見た目にもわかりやすい部分です。
目を擦ることによってまぶたに摩擦が起きる、ダイエットや運動、睡眠不足によって基礎代謝が低下して血行が悪くなる、などが原因といわれています。
東洋医学では、まぶたのむくみは胃腸から栄養を取り込んで「気・血」を作り出す「脾」の衰えによって水分代謝が滞るために起こると考えます。
まぶたの「むくみ」を改善するセルフケアと漢方
まぶたのむくみを解消するには、まぶたに溜まった水分や老廃物をマッサージや指圧で流してあげることが大切です。
目の周りを囲むように、指の腹で優しくマッサージをしましょう。
擦ったり強く圧迫したりしないよう、オイルやクリームをつけてるようにしてください。
特にむくみがちな朝の洗顔時にマッサージすることで、血色を良くしてメイクのノリを良くする効果も期待できます。
塩分を尿として体外に排出してくれる、利尿効果の高いカリウムを積極的に摂取するのも効果的です。
カリウムはきゅうり、スイカ、バナナ、ほうれん草、アボカドなどに多く含まれるので、普段の食事に積極的に取り入れてみましょう。
根本的な体質改善には漢方薬も効果があります。
身体に溜まった余分な「水」を排出してくれる効果のある「五苓散(ゴレイサン)」や、「血」の滞りを解消することで水分代謝を良くし、むくみを改善する効果のある「桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)」などがオススメです。
まとめ
女性を悩ませる「むくみ」の部位別の原因、対処法や効果的な漢方薬について紹介してきました。
こちらで紹介した対処法を参考に、むくみの改善に取り組んでみてください。
またこうした「むくみ」の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例があります。
セルフケアを試してもなかなか改善しない場合には、お近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。