抜け毛が気になる女性にオススメ! 薄毛治療に効果的な漢方とセルフケア
抜け毛は加齢によるものというイメージがありますが、実際には若い女性にも抜け毛や薄毛の悩みを抱えている方が多くいらっしゃいます。
ここではさまざまなタイプの抜け毛や薄毛を取り上げ、それぞれに適したセルフケアや効果的な漢方薬を紹介していきます。
目次
産後の抜け毛に効果的な漢方
妊娠中に活発に分泌されるエストロゲンは、産後になると急激に減少します。
エストロゲンは髪の成長と維持力を促進するホルモン。産後一気に減少することで、妊娠中に抜けるはずだった髪と、産後に髪の生え変わりサイクルが戻ったときに抜ける髪の両方が同時に抜けて脱毛が起こるといわれています。
東洋医学では、髪の毛は「血(血液)」の余りとされています。
妊娠、出産により「血」が大量に消費されることで、血液が不足する「血虚」や、血の滞りによる「血瘀(けつお)」により抜け毛が生じるといわれています。
そのため、産後の養生の薬として有名な「血」を補って「血瘀」を改善する作用のある「芎帰調血飲第一加減(キュウキチョウケツインダイイチカゲン」や「血」を補うことで「気」を巡らせる「加味逍遙散(カミショウヨウサン)」などの漢方薬が効果的です。
産後の抜け毛にオススメのセルフケア
産後の抜け毛にお悩みのママは、髪の原料となるタンパク質を多く含む大豆製品や肉、魚を積極的に取り入れたバランスの良い食事を心がけることが大切です。
出産後はどうしても赤ちゃん優先になりがちですが、頭皮のターンオーバーを促進して発毛を促すためにも、栄養バランスを考えた食生活を意識しましょう。
さらに産後の脱毛は「期間限定のもの」と捉え、あまり気にしすぎないことも重要です。
抜け毛は誰にでも起こりうることです。深刻になりすぎず、帽子などのアイテムを使って髪を隠すなどして頭皮に意識を向けすぎないようにしましょう。
シャンプーによる抜け毛に効果的な漢方
シャンプーの際の抜け毛は、正常なヘアサイクルとしては自然なことです。
しかし乾燥や油分過多による頭皮環境の悪化や、加齢に伴うホルモンバランスの乱れが原因で髪の毛が「細毛化」してしまい、脱毛が起こりやすくなることがあります。
東洋医学では、抜け毛は生命や生殖機能を司る「腎」が弱った状態の「腎虚」や、血行不良や血液不足による「血虚」から起こると考えます。
「血」を補って、「血」と「気」を全身に巡らせる作用のある「十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)」や、身体を温めて「腎」の機能を補う「八味地黄丸(ハチミジオウガン)」などが抜け毛に効果的な漢方薬とされています。
シャンプーによる抜け毛にオススメのセルフケア
発毛のサイクルを正常化させて抜け毛を防ぐには、正しいシャンプーをして頭皮環境を整えることが大切です。
乾燥を防ぐため、お湯の温度は熱すぎない38℃程度、シャンプーは洗浄力が強すぎないアミノ酸系のものを使い、頭皮に必要な皮脂を洗い流しすぎないよう注意しましょう。
乾燥に加えて頭皮の血の巡りが悪いと、「細毛化」や「抜け毛」の原因となります。
1日1回程度のペースで頭皮マッサージを行って「血」の巡りを改善し、硬くなった頭皮をほぐすとよいでしょう。
ストレスによる抜け毛に効果的な漢方
ストレスによる抜け毛は精神的負荷がかかることで、髪を成長させる司令塔ともいわれる「毛乳頭(もうにゅうとう)」の働きが低下して生じるとされています。
東洋医学では、ストレスによる抜け毛を「腎」の衰えと「血」の不足が原因と考え、抜け毛を防ぐために、これらを補って「気(生命エネルギー)」を巡らせることが重要と考えます。
「気」と「血」のバランスを整えて、心を穏やかにさせる作用のある「桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ」や、頭皮の潤い不足を感じる方には身体を温めて「腎」を補う作用のある「八味地黄丸(ハチミジオウガン)」などの漢方薬がオススメです。
ストレスによる抜け毛にオススメのセルフケア
全身に血や栄養を巡らせて健康な髪の生まれ変わりを促進するためには、食生活が重要です。
髪の状態に大きく関係している「腎」や、髪の栄養分そのものといわれている「血」の両方の働きをサポートする赤身肉、黒キクラゲ、クコの実などの食材を積極的に取り入れましょう。
そして健全な頭皮環境をつくるためにも、入浴と睡眠でその日のうちに疲れをとることも大切です。
1日の終わりはゆったりと浴槽に浸かって身体を芯から温め、お風呂から上がった後に良質な睡眠をとる習慣をつけましょう。
若年性の薄毛に効果的な漢方
若くして髪が薄くなってしまうのは、髪のターンオーバーのサイクルが正常に機能していないためといわれています。
東洋医学では、妊娠出産やダイエットでの「血」の不足、ストレスや疲労の蓄積により自律神経を司る「腎」が衰えること、さらに頭皮の炎症などにより体内に余分な「熱」や「水」が溜まることが若年性の薄毛の原因と考えます。
「気」を巡らせて体力を回復させる作用のある「補中益気湯(ホチュウエッキトウ)」や、頭皮の炎症を抑えて体内にこもった余分な「熱」を冷ます作用のある「黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)」などが効果的な漢方薬とされています。
若年性の薄毛にオススメのセルフケア
パーマやカラーリングは、技術や薬剤が進化したとはいえ頭皮や髪にダメージを与えます。
抜け毛が気になるときは一度カラーやパーマの休止も検討してみてください。抜け毛がそれほど気にならない方も頭皮へのダメージを考慮し、できれば2か月以上の間隔をあけるようにしましょう。
若い女性の薄毛の原因で多いのが過度なダイエットです。
極度な食事制限によるストレスや、栄養バランスの乱れによる冷えや貧血、ホルモンバランスの乱れによる自律神経の乱れが薄毛の原因になるといわれています。
薄毛が気になる方の中で食事制限中の方は、一旦食事制限を中断し、栄養バランスの取れた食事をとるように心がけてください。
分け目の薄毛に効果的な漢方
常に同じ位置に髪の分け目があると、同じ方向にばかり重みがかかって頭皮や毛根に負荷がかかり、薄毛が目立つようになることがあります。
さらに紫外線による頭皮ダメージも、分け目部分の薄毛に関わる原因とされています。
東洋医学では、「髪は血余(けつよ)」という言葉もある通り、「血」の不足により抜け毛が増えて薄毛が促進されると考えます。
症状改善のためには、「血」や生命力の源でもある「腎」を巡らせ、頭皮や髪に栄養を与えて修復や成長を促進することが重要です。
「気・血・水」を増やす効果に加えて「腎」を補う「八味地黄丸(ハチミジオウガン)」や、皮膚の炎症を抑えて体内にこもった「熱」を冷ます作用のある「黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)」などの漢方薬が効果的です。
分け目の薄毛にオススメのセルフケア
紫外線によって頭皮の奥の真皮にあるコラーゲンが破壊されたり、髪の毛の元となる毛母細胞が損傷を受けると髪の成長が阻まれてしまいます。
薄毛対策のためにも、外出時には帽子や日傘を使い、頭皮に直接紫外線が当たらないようにしましょう。
いつも同じ方向に髪が引っ張られると、分け目部分の薄毛につながることがあります。
髪には意外なほど重量があるため、髪を短く切ることで頭皮の負担を減らせます。
思い切って髪を短めにしたり、髪が濡れているうちにいつもとは違う分け目を作ることで髪型を変えるなど、こまめなヘアチェンジに挑戦してみてください。
まとめ
さまざまな抜け毛や薄毛を取り上げ、それぞれの原因と対処法ついて解説しました。
髪の毛や頭皮のトラブルでお悩みの方は、こちらで紹介したセルフケアを症状の改善に役立ててください。
また、こうした気になる薄毛の症状には、漢方薬が効果を発揮した例もあります。セルフケアを試してもなかなか症状が改善しない場合は、お近くの漢方医や漢方薬局の相談してみてくださいね。