【阿波おどり×ICT】楽しく動いて自然に運動!主婦の友社アワード受賞・徳島のユニークな取り組みが話題

主婦の友社主催の「すごい!健康長寿力アワード2024」において、徳島県の運動促進プロジェクトが受賞団体のひとつに選ばれました。
この取り組みは、徳島県の象徴ともいえる伝統芸能「阿波おどり」の動きをベースに、高齢者や運動が苦手な人でも楽しみながら取り組める運動プログラムをICTと組み合わせて展開するという、非常にユニークな健康支援策です。
文化とデジタルの融合によって、運動の“習慣化”を自然に促す仕組みが、多方面から注目を集めています。
地域課題に、文化という資源でアプローチ

徳島県では、高齢化や運動機会の不足といった課題が顕在化しています。特に中山間地域では、日常的な身体活動の機会が限られており、楽しく無理なく続けられる運動支援が求められていました。
そうした背景を受けて、県では県民に馴染み深い「阿波おどり」を健康づくりに活用する方針を打ち出しました。伝統文化を活かすことで、運動への心理的ハードルを下げ、広く県民に参加してもらう工夫が施されています。
ICT活用で、阿波おどり体操が“つながる”運動に

このプロジェクトの大きな特長は、伝統文化とデジタル技術を組み合わせた点にあります。
徳島県では、阿波おどりのリズムとステップを取り入れたオリジナル体操を開発し、動画配信やアプリ、歩数計などを用いたICT連動型の運動支援を導入しました。
地域の集会所や包括支援センターでは定期的な教室が開かれ、動画を見ながら体操を楽しむ高齢者の姿も増えています。
「楽しいから続けられる」という声が多く、習慣化につながっているそうです。
この取り組みによって、日々の歩数が平均で約1,000歩増えたという報告もあり、実際の生活習慣改善につながっていることが分かります。また、健康教室の継続率も高く、地域での自主的な活動へと発展する事例も見られています。
観光や地域振興とも連携し、さらなる展開へ

徳島県では、この取り組みをさらに発展させるべく、観光や産業振興との連携も模索しているとのこと。たとえば、県外の観光客向けに阿波おどり体験を兼ねたヘルスツーリズムプログラムの開発や、地元企業との協力によるデジタル健康管理サービスの拡充など、より多角的な展開が期待されています。
徳島県のこの取り組みは、地域に根ざした文化資源が、未来の健康資産になりうることを教えてくれているよう。運動が苦手な人でも、「楽しさ」や「仲間とのつながり」を通じて自然と体を動かせる仕組みを作ること。その工夫と実行力が、今回のアワード受賞にもつながったといえるでしょう。
【関連リンク・出典】