止まらない寒気と冷えでゾワっ! 生理のたびに寝込む日々…

体験談

生理になるとゾクゾクと寒気がするほど体が冷える、その冷えでますます痛みが強くなってしまう……。こんなつらい生理時の症状はありませんか?
実は、多くの女性が悩んでいる生理時の不快な痛みは「腹痛」だけではありません。

自分ではどうにもならない生理時の不調やつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「生理時の冷え」をテーマに、薬剤師の手塚智子先生へお話を伺ってみました。

月イチで襲う異常な冷え…布団を被って耐えるしかないの?

菜津美さん(32歳女性)、事務職の方からご質問をいただきました。

このところ、生理のたびに寒気がするほどの冷えで困っています。
もともと冷え性ではあったのですが、生理の時はそんなレベルではありません。突然ゾワゾワっと寒気がしたかと思うと、風邪で熱でも出たかのような寒気と冷えに襲われ、生理期間の数日間は布団に入ってガタガタ震えている状態です。
胃のあたりにも冷えを感じて食欲もあまりなく、食べられないためにさらに冷えが悪化している感じもします。
私の仕事を代わりにやってくれている同僚の手前もあり、これ以上生理休暇を取りまくるのも気が引けます。
なにより部署内で「また生理で休んでる」とか「女性はそんなことで休めていいね」などと陰で言われている気がして、肩身も狭いんです。
せめて休まなくてもいいくらいには症状を改善したいのですが、一体どうすればこの異常な冷えを改善できるでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
ずっと生理の際の冷えに苦しんでこられ、度重なる休暇に肩身の狭い思いをされてしまっているとのこと、本当におつらいですよね。
今回は、生理時の冷えの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

月経時の冷えは基礎体温の低下と気血水の滞りが原因!

月経前になると、女性の体は月経に備えて体内の水分量が増えることで冷えやすくなります。
そして月経が始まると、血液を体外に出すのと同時に、水分の排出も促されます。このとき、血液や水分とともに熱も一緒に体外に出て行くため、冷えがますます促進されてしまうのです。

東洋医学で言えば、冷えは血が足りない状態(血虚)、血が滞っている状態(お血)、水分がたまっている状態(水毒)、気が不足している状態(気虚)などが重なったことによって起こると考えられています。

次の章ではこうした月経時期特有の悩ましい症状に対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。

月経時に冷えない体をつくる3つのセルフケア

1.栄養バランスの良い食事をとりましょう

体を温める食べ物や食べ方を実践して、内側から体を温めて血行を良くしましょう。
ですが、冷え症だからといって体を温めるものだけを食べるのはオススメしません。
体を冷やす食品にも鎮静作用などがあるため、避けるのではなく、火を通したり、体を温めたりする食品と組み合わせて、上手にバランスをとるようにしましょう。
栄養バランスの良い食事は、血液循環を良くして体を温めてくれますし、たとえ冷えてしまっても回復しやすいと言われています。

2.体幹を鍛えて熱を作れる体に!

体温を上げて冷えを改善するには、筋肉がとても重要です。筋肉そのものに熱を生み出す働きがありますし、そのポンプ機能によって血液を体中に循環させて温めてくれるからです。
もともと女性は男性に比べて筋肉量が少なく、ポンプの力が弱いため、体が冷えやすいのです。
オススメは、体幹部の筋肉を増やすことです。
スクワット、ウォーキング、ピラティスなどの体幹を強化する運動を取り入れてみましょう。

3.下半身を温められる服装を心がけよう

「頭寒足熱」という言葉もあるように、下半身を冷やさないことは冷え性対策としてとても重要です。
特に足首は、血管が皮膚の表面を走っているので熱が逃げやすく、全身の冷えにもつながります。
保温性のあるソックスやタイツ、レッグウォーマーなどで足首を重点的に温めて、血液の冷えを防ぎましょう。

また、腕、胸、背中、お腹など体幹部の深部を温めると、熱放散が増えて交感神経の緊張がゆるみ、体の末端である手足への血流も増えて温かくなります。
近年は保温機能の高い市販のインナーも増えているため、上手に活用してみてくださいね。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

月経時の冷えを改善するために、市販の温熱器や冷えとりグッズに頼るという選択肢に加えて、根本的な改善を目的とした漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、人参湯(ニンジントウ)です。
疲れやすく、だるさがあり、風邪をひきやすい方の「気」を補って体を温めてくれる効果があります。
また、手足の冷えが強くむくみや頭痛、めまいのある方には、「お血」を改善してくれる当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)もオススメです。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。

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日々の対策で冷えに悩まない体質をつくりましょう

今回は、月経時の冷えに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
冷えは対処療法でしのぐよりも、根本的な体質改善で「そもそも冷えづらい体」をつくるのが一番です。日々の食生活を見直し、筋肉トレーニングを続けて冷えない体を目指しましょう。
また、女性の冷えには漢方が大変効果的です。体質に合わせて、ぜひ漢方薬を活用してみてくださいね。

手塚智子

大学院修了後、研究職に従事し漢方を学ぶ。その後、薬剤師として臨床で働く傍ら様々な接客業を兼業し、渡米。帰国後、体の内外にアプローチ出来ることを目指して薬剤師兼ビューティーディレクターとして就業中。

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