一体どうすれば!?下痢が続いたある日、血便が出てパニックに!

体験談

ひどい下痢の症状とともに血のついた便が出た。なかなか下痢が治らないと思っていたら、便に出血が混ざるようになってしまった……。
こうした「下痢をともなう血便」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。

今回は「下痢をともなう血便」をテーマに、医師の青木先生にお話を伺ってみました。

ショック! 下痢に苦しんでいたら、どろっとした血の混ざった便が…

花奈さん(46歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。

2ヶ月ほど前から、特に冷たいものを食べたわけでもないのに急に便意を催して、下痢状の便が出ることが多くなったんです。
その頃は「お腹の調子が悪いのかしら」程度にしか思っていなかったのですが、そのうち微熱が続くようになり、通勤中の電車の中でも会議中でもところかまわず便意を催してトイレに駆け込むことが増えてきました。
自分でも、「これはちょっと様子がおかしい。病院に行ったほうがいいかな」と思っている矢先、とんでもないことが起きたんです。
その日は朝からずっとひどい下痢が続いていたので、ふと便の状態を確かめようと見て見たら…どろっとした赤い血が便とともに便器の中に排出されていて、頭が真っ白に!
慌てて消化器内科の予約を取りさまざまな検査をしたところ、潰瘍性大腸炎という診断結果が出たんです。最初はもう「こんな難病といわれる病気になってしまって、私死ぬのかな」というくらいパニックになってしまったんですが、治療を続ければ多くの方が症状の落ち着いた状態を保てるということを聞き、なんとか気持ちを落ち着かせています。
ひとまず緊急を要するものではないとのことで、治療をすすめながら経過をみることになったのですが、1日も早く寛解を目指せるようにしたいです。少しでも症状を改善するよい方法はないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
潰瘍性大腸炎は、直腸の粘膜に炎症がおき、粘膜にただれや潰瘍ができてしまう病気です。
原因はよくわかっていないものの、自己免疫が関係していると言われており、こうした病気の場合は、医師の診察や指導をもとに、根気よく治療を続けることが大事です。
それでは今回は、こうした下痢をともなう血便の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

血便は大腸炎や大腸ガンの可能性も

血便が出る原因としては、潰瘍性大腸炎、虚血性大腸炎、感染性の腸炎、クローン病、大腸ガンなどのさまざまな可能性が考えられます。
大腸炎による血便は血液と粘液が混ざったような状態で膿が混ざることもあり、潰瘍性や虚血性の大腸炎では下痢状の血便が頻発し、下痢症状が長く続くことがあります。
また便が細く、下痢と便秘を繰り返す場合は大腸ガンが考えられます。大腸ガンは初期症状の現れにくい病気でもあるため、血便がある場合は必ず病院へ行くようにしましょう。

東洋医学では、五臓の「肺(はい)」を大腸を関係の深いものとし、便秘や下痢などの排便の異常にも「肺」の関係していると考えます。
次の章では、このような「下痢をともなう血便」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

下痢をともなう血便症状を改善するセルフケア3選

1.水分補給をして腸をしっかり休ませる

基本的には医師の診断による指示に従うことが重要ですが、下痢の症状がつらい時は腸を安静にすることが大切です。
脱水症状を起こさないように白湯や常温のスポーツドリンクで水分を補給し、食事を控えて様子をみましょう。
腹痛や血便が治ってきたら、少しずつ胃に優しいおかゆやうどんなどの食事を摂り、徐々に普段の食事に戻していきます。
多くの場合は1〜2週間で腸の粘膜が修復されるため、その期間は高脂質のものやスパイスなどの刺激物は控え、和食中心の食事を心がけましょう。

2.ストレスを溜め込まず良質の睡眠を!

下痢をともなう血便の症状があった場合、ストレスそのものが原因ではないものの、過労や精神的なストレスによって症状が再燃したり悪化してしまうことがあります。
夜更かしをせず、できれば毎日7〜8時間の睡眠をとることを目安とし、睡眠リズムを整えるようにしましょう。
また、現代社会においてストレスをなくすことは難しいですが、上手に発散したり、発想の転換をしたりすることでストレスを溜め込まないようにすることが大切です。

3.食生活を改善し腸内環境を整える

アルコールや甘いもの、ジャンクフードの過剰な摂取は、血便や下痢の症状を悪化させることがあるため、日頃からあまり摂取しないように心がけることが大切です。
また、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患を患う方は、近年の研究で「腸内細菌の種類・量が健康な人とは異なっている」という報告もあり、腸内細菌が病気の発症に関わっているとも考えられています。
普段から腸内環境を整えるような食生活を心がけ、納豆や味噌、キムチなどの発酵食品や乳酸菌の含まれるヨーグルト、食物繊維やオリゴ糖などを積極的に摂るようにしましょう。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

下痢をともなう血便を改善するために、病院での処方薬の服用などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、茯苓四逆湯(ブクリョウシギャクトウ)です。
激しい下痢症状のあり衰弱した方の体を温めて症状を和らげる効果があります。
また、しぶり腹で便意の後にまた便意を催す方には、体を温めて穏やかな発汗を促し、痛みを和らげる効果のある桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)も良いでしょう。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
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脱水に気をつけ、安静にして医師の指示に従いましょう

今回は、下痢をともなう血便に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状の酷いときには、脱水症状を起こさないように水分補給をしながら安静にすること、また、普段から睡眠環境や食生活を整え、ストレスを溜めないように意識すると良いでしょう。
そして、血便の症状があるときは自己判断せずに病院で診察を受け、医師の指示に従うようにすることが大切です。

また、こうした気になる血便の症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

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