ガチガチのあがり症なのに卒園式で謝辞!? この緊張と震えを止めて!
人前に出ると異常なほど緊張して震えが起きる。初対面の人に会うときはあがってしまって震えや動悸を感じて具合が悪くなってしまう……。
こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を、医師がお答えしていきます。
今回は「緊張による震え」をテーマに、医師の青木先生にお話を伺ってみました。
目次
人前に立つのが怖い…想像だけなのに激しい緊張と震えが止まりません!
花苗さん(32歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。
幼いときからあがり症で、人前で何か発表したり発言したりするような機会があると、手足は震え赤面してドキドキ……、もうほとんどパニックのような状態になってしまう私。
30歳を過ぎたというのに、いまだに家族以外の前では緊張してほとんど自分から喋ることもできません。そんな私が、こともあろうに長女の幼稚園の卒園式で、みんなの前で代表としてお礼の挨拶をすることになってしまったんです。
最後の父母会当日、「きっとそういうことが得意な人がやってくれるはず」と、たかをくくっていたのがいけなかったのか、意外にも立候補者がおらず、くじ引きでまさかの大役を引き当ててしまうことに……。娘が寝た後に必死で文章を考え、内容自体はなんとかまとまったものの、それを卒園式でみんなの前で読み上げることを想像しただけで恐ろしくて!
考えただけでもサーっと血の気が引き、手足が冷たくなってカタカタ震えてしまいます。本番でもないのに妄想ですらこんな状態なのですから、当日はどうなることやら、と不安で仕方がありません。
どうにかしてこの異常ともいえる緊張と身体中の震えを止めたいのですが、何か良い方法はないでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
せっかくの娘さんの晴れの舞台ですから、ママとしてもここは緊張を抑え、素敵な笑顔で子供たちを送り出してあげたいところですよね。
それでは今回は、緊張によって震えてしまう症状の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。
緊張による震えは交感神経の活性化と筋肉の硬直が原因
精神的な緊張によって震えてしまうのは、生理的振戦(しんせん)といい、覚醒や興奮に関係する神経伝達物質であるノルアドレナリン値が血液中で上昇することで起こります。
ノルアドレナリンは、不安や緊張を感じたときに活発に分泌され、自律神経の交感神経を活性化することで心拍数や体温、血圧を急上昇させてしまいます。
これにより、震えに加えて動悸や発汗などの症状が生じると考えられています。
また東洋医学では、過度の緊張は自律神経をつかさどる「肝(かん)」の機能の不調により起こると考えられており、ストレスにより「気(生命エネルギー)」や「血(血液)」の流れが滞ることで震えなどの症状が生じるとされています。
次の章では、このような「緊張による震え」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。
緊張による震えの症状を和らげる3つのセルフケア
1.意識的に腹式呼吸で深い呼吸をする
緊張したときには深呼吸をすればラクになる、というイメージがある方も多いと思いますが、深呼吸をするときに、ただ長く息を吸ったり吐いたりするだけではなく、しっかりと息を吐くことに意識を集中することが大事です。
お腹に溜まった空気をしっかり吐き出して吸い込む「腹式呼吸」で脳に酸素をたっぷり送り込み、パニック状態になるのを防ぐことで、体や声が震えるのを抑えることが出来ます。
また、人に会って会話したり、何か発表したり、といったことの前に首、手首、足首の3つの「首」をくるくる回して体のこわばりをほぐすようにしてみましょう。
呼吸法と体操によって心身の緊張をほぐすことで、自然と体の震えを抑えることが出来ます。
2.緊張&弛緩のエクササイズでリラックス!
体を使った緊張をほぐすためのリラックス法として、あえて体の緊張と弛緩を交互に繰り返すことによって体の緊張感を認識させ、力を抜きやすくするエクササイズがあります。
まず、椅子に浅く腰掛けて10秒間ほどぐっと力を入れてそのまま保ち、筋肉を意識的に緊張させます。その後、15~20秒間体じゅうの力を抜いて脱力・弛緩するだけ。
ベルトや時計など身体を締めつけるものを外し、身体の感覚に集中しながらやるのがポイントです。
また、手や足など、局所的に震えを感じる場合は、腕だけや足だけなど、体のパーツごとに緊張と弛緩のエクササイズをするのもオススメです。
3.過度に気にすることをやめ、自分以外に目を向ける
緊張して体が震えてしまう方によくありがちなのは、人から自分がどう見えているか、変だと思われていないか、などということを過度に気にし過ぎてしまうことです。
このように自意識が過剰になり過ぎてしまうと、必要以上に不安や緊張が高まりやすくなってしまいます。なるべく自分のことではなく、相手のことや周囲の状況などにも目を向けるようにして、不安や緊張を和らげるようにすると良いでしょう。
また「緊張は誰でもするもの」と割り切り、緊張や震えがあることを無理に隠そうとしないこともリラックスするための一つの方法になります。
あえて「震えるほど緊張しています」「不安で震えてしまいそうです」などということを素直に伝えてみましょう。
案外優しく受け入れてもらえ、かえって好印象を持たれることに繋がることがあるかもしれません。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
緊張による震えを改善するために、抗不安薬の服用やメンタルトレーニングなどの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、四逆散(シギャクサン)です。
手足の冷えが強く胃腸の弱い方の「気」を巡らせて「肝」のうっ血を改善し、震えをともなう過度の緊張症状を和らげる効果があります。
また、イライラ感やのぼせをともなう緊張感のある方には、「気」や「血」を巡らせて自律神経を整え、症状を改善する効果のある加味逍遙散(カミショウヨウサン)も良いでしょう。
自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
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自意識過剰になりすぎず、リラックスしましょう
今回は、緊張による震えに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状の改善のためには、深い呼吸で脳に酸素を送り込み、エクササイズなども活用して体の筋肉をほぐし、リラックスすることが大切です。自意識過剰になり過ぎず、できるだけ気楽な気持ちを保つように心がけましょう。
また、こうした気になる症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。