朝起きたらまつ毛がべっとり…残業続きで謎の「目やに」が大量発生!
朝起きたらごっそりと目頭に目やにが溜まっていた、花粉の時期になると水っぽい目やにが大量に出てきてつらい……。
30〜60代の幅広い世代の女性のなかには、「目やに」に悩んでいる方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。
今回は「目やに」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。
目次
目の疲れと乾燥、長期間のコンタクトレンズ装用が「目やに」の原因に?
玲子さん(38歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。
このところ会社の資料制作が間に合わず、夜遅くまで残業していて目の疲れや乾燥がひどいせいか、朝起きるとまつ毛がべっとりと濡れるほど水っぽい目やにが出てくるようになってしまったんです。
これまでも、スマホで映画を見たりして夜更かしして朝起きると、目頭にやたら目やにがついているなあ、と思うことがあったのですが、ひどいかゆみや痛みがあるわけでもないので、特に気にしていませんでした。
ところが先日の朝、目が覚めて目を開けようとすると、アレ!?と思うほど目が開けづらいことがあったんです。あわてて起き上がって鏡を見てみると、原因はなんと、まつげに溜まって乾燥した大量の目やに! このときは目の充血に加え、コンタクトレンズを入れるとなんだかゴロゴロするような感じもあったので、念のため眼科に行ったんです。
そうしたら、長時間コンタクトレンズを装用していたことによる炎症ということで、しばらくはコンタクトレンズをお休みすることに。幸いにも軽度の炎症だったせいか、メガネに切り替え、処方された抗菌剤入りの点眼薬を打っていたらかゆみや充血は徐々に軽快しました。
でも、仕事が一段落しないせいか、目の疲れと目やにはなかなか改善せず、なんだか目がスッキリしません。何か良い改善方法はないでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
目やにには目の細胞の新陳代謝による老廃物の排出という役割があり、目の疲労や乾燥によって涙の分泌が増えると増えることがあります。多くはさほど心配のいらないものですが、大量に出るとなると気になってしまいますよね。
今回は、目やにの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。
目やには新陳代謝による老廃物や細菌の排出が原因
目やには、目の表面の古くなった細胞や目の分泌物が新陳代謝により剥がれ落ちた老廃物で、まばたきをしない夜間に溜まりやすく、涙とともに排出されます。
また、こうした目の代謝活動の結果としての目やに以外にも、花粉症などのアレルギーによる水っぽいサラサラとした目やにや、目の表面に異物や細菌、ウイルスなどが侵入したときに生じる免疫反応の一種として目やにが多く排出されることがあります。
どろっとした膿状の目やにや黄色の粘つく目やにが大量に出るようになった場合は、結膜炎や眼瞼炎などの細菌感染の可能性があるため、眼科で診断と治療を受けるようにしましょう。
東洋医学では、目やには五臓のうちの「肝(かん)」と関係が深いとされ、「肝」の衰えによって血流が悪化したり、自律神経が失調することで生じると考えられています。
次の章ではこのような「目やに」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。
目やにを改善する簡単セルフケア3選
1.目の疲れや乾燥を防ごう
長時間のデスクワークやスマホの見過ぎにより、目が疲れたり乾燥したりすると、目を保護するために涙の分泌が促進され、涙とともに老廃物の排出が増えて目やにが溜まりやすくなることがあります。
パソコンでの作業が続く場合は、こまめに休憩をとって目を休め、意識してまばたきをして目の乾燥を防ぐようにしましょう。
室内の湿度を適度に保ち、目に潤いを与える点眼薬を使用して乾燥を防ぐことや、ホットタオルで目を温めて目の周りの血流を良くするのがオススメです。
2.コンタクトレンズは清潔に保つこと
コンタクトレンズを装用している方の場合、レンズに付着した汚れや目がレンズを異物と判断することによりアレルギー反応が起き、目やにが多くなることがあります。
コンタクトレンズは毎日きちんと専用の洗浄液で洗って清潔に保つようにしましょう。
また、症状のひどいときには使い捨てのコンタクトレンズに変えるか、使用を中断して一時的にメガネを着用すると良いでしょう。
3.目やにの状態を確認して適切な判断を
花粉やハウスダストなどによるアレルギーが原因で、水っぽいサラサラとした目やにが出る場合は、目の表面にアレルゲンとなる花粉やホコリが付着するのを極力避けることが大切です。
外出時にはメガネを着用したり、洗濯物を外に干さないように工夫してみましょう。
アレルギーによる目やにの場合、症状が軽ければ市販の抗ヒスタミン剤の配合された目薬を点眼するのも効果的です。
症状が重い場合や、細菌感染により膿を持った目やにが出たり、充血、腫れ、その他の症状がある場合は眼科で診断を受け、適切な治療や薬の処方を受けるようにしましょう。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
目やにを改善するために、セルフケアや目薬の点眼に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、小青竜湯(ショウセイリュウトウ)です。体が冷えて水っぽい目やにが多く出る方の体内の水分代謝を促し、「気(生命エネルギー)」を巡らせて症状を改善する効果があります。
また、体力がなく冷え性で、目やにに加えて鼻づまりや鼻炎の症状のある方には、冷えによって溜まった体の余分な「水(水分)」を取り除いて症状を改善する葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)も良いでしょう。
自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。自宅にいながら気軽に始められますので、ぜびチェックしてみてくださいね。
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目の疲労や乾燥を避け、血流を促進しましょう
今回は、目やにに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状の改善のためには、長時間のデスクワークや目の酷使による疲労や乾燥を防ぎ、目の周りの血流を促進させることが大切です。
また、アレルギーや細菌感染から症状がひどくなっている場合は、無理をせず眼科で治療を受けるようにしましょう。
こうした気になる目の症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。